『危険なプロット』かつて作家になるという夢を持っていた高校の国語教師ジェルマンは、平凡な生徒たちに囲まれて不満を感じながら日々を過ごしていた。しかし、ある日生徒のクロードが書いた作文に非凡な才能を感じ取り、個人指導をするようになるが…。クロードの作文はドキュメンタリータッチであり現実を描写したもの。最初は日常を綴っていただけなのに、講師ジェルマンのアドバイスに従ううちに次第に異常性を帯びてゆく。クロードは家族に飢える孤独な少年であり、友人の家庭に入り込む。母親くらい歳上の女性を好む一面もあり、興味に忠実でそのためなら手段を選ばない子供の恐ろしさを持っている。ドキュメンタリー風である以上、現実でも同じことが起きていると想像してしまう。内容が狂気的になれば、現実もまた…。どこまでが現実でどこまでがフィクションなのかわからない。ジェルマンがそうであったように、クロードの作文のその先が毎回気になってしまう。観ている間、クロードの掌で転がされている気分だった。いや、フランソワ・オゾンか。ラストの展開も素晴らしかった。#映画 #映画鑑賞 #UNEXT #危険なプロット #フランス映画