

トラッドjazz好き スイングしなけりゃ意味がないと思ってる方ならどうぞ(^ω^)_凵

マサヤス龍之介
☆『スウィングジャズの花形ボーカリスト3️⃣』
テディウィルソンは生涯で6回乃至7回結婚したと言われている。凡ゆる芸術家はその功績とは反比例する人生を送るのだろうか。芸術家は余りに個性が強すぎるゆえ、それを理解するのは至難の業なのであろう。
そんな華麗な女性遍歴を物語るが如くテディ楽団には実に多くの女性シンガー達が去来した。が、それは大抵ボスのベニーグッドマンの所でひとしきり唄った後、新入りが直ぐに入り前のシンガーは押し出される様にベニーとの契約を解消してテディのバンドに来る、そんな構図が透けて見える。恋人同然だったヘレンワードがベニーの元を去り代わりに入ってきたのがフランセスハントだった。が、程なくマーサティルトンにその座を譲りあっさりテディのバンドで唄った。写真にもある様にテディのレコードでビリーホリデイの裏面にハントのボーカルと云うものも存在するようだ。最も、ここでセールされてるのはヨーロッパ盤なのでそちらで勝手にこうしたカップリングで売られている可能性は否めない。オリジナル盤であるアメリカ本国の方では例えばビリーホリデイのボーカル入りの盤の裏面にはテディの楽団によるインスト演奏が入っていたりする事はある。
このハントのボーカルをフューチャーしたテディ楽団のレコードは1937年8月29日にロスで録音された5曲、内♫Ain't Misbehavin' はオミット、つまり没となりリリースされなかった。その日の最初の楽曲♫Big Apple を今日は紹介する。
ビッグアップルと云うと今では中古車販売店を私などは想像してしまうが、これはニューヨークのニックネームだ。1920年代から使われ出したスラングでニューヨークのみならず大都市を指してこう呼ばれていたらしい。ハントのVo.はアルトでこうした明るい曲調は余り似合わない。彼女のレコードは楽団独立後もリリースされていたらしくYouTubeに1曲だけアップされていた。ベニーグッドマン時代には最後の写真の様に唄っている映像もアップされていた。底抜けに明るかった。
紹介する♫ビッグアップル はブライアンラストのディスコグラフィーにも記載がないテイク2が存在する。長年中古屋回りをしているとこう云うパターンにしばしば出会す。決して珍しい例ではない。





Big Apple (08-29-37)

マサヤス龍之介
☆『スウィングジャズの花形ボーカリスト2️⃣』
テディウィルソンがベニーグッドマン楽団に加わったことはその生涯の中でも最大の幸運だった。元々はピアノの巨匠アールハインズの下でハインズのイミテイターの様な事をしていた彼を眩しく華やかなスポットライトに当たる舞台に引っ張り上げたのがグッドマンだった。そしてその腕を買われグッドマン楽団入団後すぐの1935年には敏腕プロデューサー ジョンハモンドによりブランズウィックレーベルで自楽団結成に至る。グッドマン楽団と並行しての自楽団運営は多忙を極めたであろうが、テディの音楽人生、いや全生涯中の中でも最も華やかな時期であったことは容易に想像できる。そんなテディの楽団名義の中でも未だに注目を受けるのはビリーホリデイがVo.を務めたレコードであろう。取り分け1935年の7月に録音された♫What a Moonlight Can Do と
♫Miss Brown To You はビリーの知名度を上げた最も初期の成功例として長く語り継がれるべき名演である。ここではベニーグッドマンcl. やコールマンホーキンスts.などの"腕利きスト"らが演奏グレードを一段引き上げて最高のソロも堪能出来るが、後者の録音には前奏部で一瞬ニューヨークの街の喧騒(車のクラクション音)が偶然にも入っているが、タイミングの良さにディレクターもNGにしなかったのだろうか?或いはスタジオの貸し出し時間の関係から数テイク録るのが不可能だったのかは知る由もない。溌剌としたビリーの唄いっぷりやまだクスリに侵されていなかった頃の元気なビリーの歌声をご堪能頂きたい。
ここ数週間で搭乗者が増えたので、久しぶりにこの惑星での投稿を復活して参ります。
また関連投稿も歓迎します♪ 奮って投稿下さい[笑う]



Miss Brown to You (with Teddy Wilson and His Orchestra)

マサヤス龍之介
☆『スウィングジャズの花形ボーカリスト4️⃣』
テディウィルソンは昨日紹介したフランセスハントとのレコーディングのほぼ1ヶ月前に同じロスのスタジオで、ブーツキャッスルとの4曲を録音している。最後の♬Coquette のみインスツルメンタルでブーツの声は聴かれない。ブーツキャッスルは資料が殆ど無くテディとのセッションもこの時唯一度きりだけだ。Vo.は昨日のハントと似た様なアルト、正直魅力に欠ける。大成しなかったのも何となく判る。この時期のテディの選曲はティン・パン・アレー系の安手の有り触れた曲を使っているが、それを強力なミュージシャンの演奏力とアレンジで補っている。ブーツキャッスルが唯一録音した'37.7.30の録音にはベニーグッドマンがcl.で入ってそれなりの効果を挙げているが、ハリージェイムスのtp.とヴィドムッソのts.の各ソロもバランス良く配されOrch.編成なのにコンボの様な趣きがある。それが一番顕著に出ているレコードが本日紹介する♬The Hour of Parting であろう。テディウィルソンについてはドイツの著名なジャズ評論家のヨアヒムEべーレントが、エリントンの優れたバンドインコンボのような統合感とは違い、ソロの応酬が特徴でそれでいて優れたユニットを形成している、と賞賛している。
この時期のテディの録音には白人系の中間派ミュージシャンを集めたパターンとビリーホリデイがVo.を取る時には黒人系のカウント・ベイシー系中間派ミュージシャンが付き合っているパターンと、カラーが分かれる。そこから有名なビリーホリデイとレスターヤングの寛ぎに満ちた傑作録音が生まれた。後世に長く語り継がれたのは後者の方であったと云うことであろう。




The Hour of Parting

マサヤス龍之介
☆『スイングジャズの花形ボーカリスト.11』
録音日は前回より一週間ぶりの1937年6月25日。この日はルースブラッドリーで2曲、ボーカルなしのインストが2曲の計4曲。バンドの面子は1週間前と同じである。本回はこの日の2曲目
♫MOTHER GOOSE マザーグースと言えばイギリスの童話集だが世界中で読まれている。日本では最初あの歌謡詞の大御所西条八十が翻訳したものが最初に出版されたが、ハンプティダンプティの様な特異なキャラクターやら♫トゥインクルトゥインクル などの子どもの頃に読み聞かされたグラ民も多かろう。そんなマザーグースの楽曲をスイング仕立てにしたのがコレ。とくとご堪能頂きたい。ソロはバニーが前半、ルースの唄を挟んで後半はジョーのcl.そして再びバニーの大胆なソロワークが楽しめる。
さて、ここまで聴いてきてバニーベリガンのスイングはいかがであろうか。スイングバンドとしてベニーやトミードーシー、はたまたグレンミラーやアーティーショーや同じトランペッターのハリージェームスと云った人気バンドリーダー達と比べても全く遜色ないし、演奏グレードも高水準である。しかし、このバニーベリガン全盛期=僅か2年余で解散してしまった。戦後長らく、バニーベリガンが戦時中に肝硬変の進行性の病変で30代で若死したこと、平素から酒量が過剰だったこと、tpの技量は優れているのにバンド運営はイマイチだったと云う憶測が跋扈したこと、などからバニーのビッグバンドを評価しない風潮が続いた。
それに異を唱える中古屋店主にしてトラッドの有名コレクターだった西島TONY経雄さんがそんな下馬票に敢然と反論したのだ。1985年9月号のレコードコレクター誌にて西島さんが健筆を奮った。…今や通説となっているベリガンバンドの評価、即ちグッドマンやドーシーの後塵を拝していて、何の魅力もないバンドで、彼のリーダーとしての能力も欠けていると云う評価だ。素人考えだが、当時ダンスバンドブームに乗って、全米で何百、何千と云う(ア・バンド・イン・エヴリ・タウンといわれるくらい)有名無名バンドの中にあって、どう厳しく見積ってもベスト50には入ると思う。メンバーも腕達者揃いだ。人材にも恵まれ、働き易いバンドとしてミュージシャン仲間にも評判は良かった。
続


マサヤス龍之介
☆『スイングジャズの花形ボーカリスト7️⃣』
バニーベリガン&ヒズOrchestra ビクター専属第2回録音は1回目から1ヶ月以上経て5月13日に行われた。バニーはこの楽団の"音"を未だ模索中だった。先行してバンドリーダーになったベニーグッドマン(B.G.)やトミードーシーらはそれぞれの特色を打ち出し成功していた。サイドマン時代に同じ釜の飯を喰って苦労を分かち合ったグレン・ミラーも2回目のバンドを組み励んでいた。
並み居るライバルとどう差を付けるか?バニーの悩みは尽きない。酒量は増えるばかりなり。
2回目のバンド録音は全5曲。本回は2曲目の♫Love is a Merry Go-Round をお届けする。
1曲目は1回目のラストに録音した男性ボーカリスト フォードリアリー。2~4曲目は新たに迎えた女性ボーカリスト スーミッチェル。1回目のキャロルマッケイを更にくぐもらせた様な声だ。同時代のウナマエカーライスルによく似ているが、ちょっとクセ強めだ。5曲目はバニーのソロが縦横無尽に聴けるフォスター作曲の♫Swanee River だが、これと今日の紹介曲は1枚のSP盤としてリリースされた。紹介曲のアレンジは最初からバニーのオープンtpソロが堪能出来る。スーの歌の前後はアンサンブルに終始して自慢のブラスセクションのtpユニゾンは鍛えた甲斐があり一糸乱れぬアンサンブルを聴かせる。最後にバニーの短いブレイクが挟まりアンサンブルで再度締めるという構成だ。
※ 写真は紹介曲のオリヂナル盤、ビクター契約前のヴォカリオン盤で吹き込んだ♫I Can't Get Started 。前に紹介したものより以前のものでバニーがあの録音に辿りつくまで何度も試していた道程が判る。最後の2枚はトミードーシー楽団に参加したバニーのソロが堪能出来る盤で、2枚共にヒットした。
続





マサヤス龍之介
喫茶室☕️岸辺🏝️
☆『Lady Jazz Vocal Special』
SP盤時代からミャクミャクと受け継がれてきたジャズボーカル👩🎤femailの世界を春の宵にじっくりとご堪能下さいまし。
主、厳選のとっても優秀な美声を心ゆくまで❤️
昼間に7時間⏳インデックスを整理しましたが、仕切れないものもありましたので、アバウトな曲紹介なものもございますが、お楽しみ頂けますように務めますので、応援📣よろしくお願いします🙇
19時から▶️




Love Walked In

マサヤス龍之介
☆『ウィスコンシンから来た男』
今回からはスイング時代の白人名ペッターバニーベリガンの女性シンガーの歌声を紹介してゆく。バニーは1908年(明治41年)11月2日にアメリカ・ウィスコンシン州カルメットタウン、ヒルバートに生まれた。私の祖父と同い年だ❤️13歳でメリルオウエンのベニシージャズバンドで演奏していた。やがてローカルバンドを渡り歩き腕を磨いてウィスコンシン州立大学のカレッジバンドから州立大学生では無かったにも関わらず、招かれて花形ペッターとしてその名を轟かせたと云う。
1920年代には世界初のジャズレコードを吹き込んだODJB=オリジナルディキシーランドジャズバンドのライバルバンド、NORK=ニューオーリンズリズムキングスのステージに飛び入り演奏した経験もある。1928年、ダンスバンドとして有名なハルケンプ楽団に認められてリーダーから入団の誘いを受けたがフリーランサーとして多忙な日々を送っていたバニーは一旦保留にし、正式加入は1930年春のことであった。その間には伝説の白人ジャズペッターの嚆矢と言われたビックスバイダーベックとも念願の共演を果たした。サイドマン時代のベニーグッドマンやジャズトロンボーンニストの雄、ジャックTガーデンらとの多数録音を残している。そしてドーシーブラザーズバンドに加入して有名なビングクロスビーやボズウェルシスターズのレコードで素晴らしい演奏を披露して数々のヒット作に寄与した。バニーのペットスタイルの特徴はルイアームストロングのパワフルさとビックスのロマンチシズムを折衷したエモーショナルなもので、白人ペッターとしては一早くルイのハイノートに迫る高音域を易々と吹くことが出来て並みいるペッター達を羨ましがらせた。そしてその真逆の所謂ダーティートーンと呼ばれるブルースフィーリングまでも表現出来、アタックの強さからリリシズムに富んだデリケートな演奏まで自由自在なスタンスに後輩ペッターは皆憧れて、同時代の黒人ペッター、例えばロイエルドリッチ、バッククレイトン、ハリーエディソン、クーティーウィリアムス、レックススチュアートらに唯一対抗し得る白人ペッターとして崇められた。本回は彼の代表作を添付する。ルイアームストロングもバニーには一目置いてこの楽曲だけはカバーしようとはしなかった。



I Can't Get Started

マサヤス龍之介
☆『西島TONY経雄さんのバニーベリガン評』
神田神保町のTONYレコード創業者西島TONY経雄さんのバニーベリガン再評価の名文の続き。
…そこにはトミードーシーの雷もなく、ベニーグッドマンの冷酷さもなかったようで、彼等のように超一流バンドとして10年20年も続きはしなかったが、競争の激しいバンド世界の中で、あのアーティーショウやグレンミラーも、同じヴィクター系でも廉価盤のブルーバードからスタートしたのに、ベリガンバンドは最初からレギュラーシリーズで扱われている。その間の総レコード枚数92曲、48枚もあり1939年11月に解散するまで3年足らずにしては、どうしてどうして立派な記録といえよう。情け容赦もない大会社のヴィクターレコードで、売れないバンドのレコードを次々と発表する訳がなく、予定の枚数をクリアしていたと考えざるを得ない。今更通説に逆らうのは大それたことかもしれない…エンジン全開でなくてはやって行けないバンドビジネスと彼の過度の飲酒癖が破滅への道を早めた事は考えられるが。しかし、彼の遺したレコーディングはほぼ満足出来るものと私は考えたい。それにしても切札として12インチ(LPレコードと同じ大きさ)SP盤の「言い出しかねて」がある。この一枚だけでも、彼のヴィクター時代は栄光に輝くべきである…
トニーさんが愛して止まなかったベリガンとその楽団への再評価は決して盲目ゆえの片贔屓などではなく、レコード業界の数字を持ち出しきちんとした裏付けがあるがゆえの冷静な判断であることがこの文章からも伝わる。引用文の最後に出て来た♫言い出しかねて はこのシリーズ♯ 29 4月3日の投稿で紹介した♫I Can Get Started のことである。この盤はビクター所属の人気バンドに長尺盤レコードで1枚両面で吹き込ませた企画盤『シンポジウム・オブ・スイング』の最後の盤だった。因みにこの企画盤ではベニーグッドマンのあの名曲♫シングシングシング がA・B面に亘ってリリースされた。あとはファッツウォーラーの盤、そしてトミードーシー楽団からも2曲と云った具合である。戦前既に日本ビクターからもリリースされて戦後もリイシューされるほどの人気企画アルバムであった。その♫言い出しかねて の裏面の囚人の歌 を本回はお送りする。







The Prisoner's Song

マサヤス龍之介
これは是非フルコーラスでお楽しみ下さい。
ストリングスも入ってオーケストラ演奏と中野忠晴とコロムビアナカノリズムボーイズのみのコーラス部とそのコントラストが絶妙です。
ギターは当時和製ジャンゴラインハルトの異名を持つ、角田孝。素晴らしいフィンガーピッキングの妙技✨✨昭和10年のレコードといったら驚く向きもあろう。戦前の我が国のジャズが思った以上に高水準であったことが判る1枚である。




タイガー・ラッグ

マサヤス龍之介
☆『スイングジャズの花形ボーカリスト8️⃣』
バニーベリガン&ヒズOrchestra ビクター専属第2回録音から本回は前回と同日録音、前回の次のマトリクス№. BS-010165-1の♫ THE IMAGE OF YOU を掛けてみる。Vocalはスーミッチェル。この録音を選んだのは後々にバニーベリガン楽団の特色ともなるカナダ出身のジョージオールドのテナーのソロがこの録音から始まった記念すべき盤だからである。ここでのバニーは前半後半とソロが吹かれるが前半ではミュートを被せているのか?と言わんばかりのオープンソロを高音で聴かせてくれる。そしてスーの唄が終わって後段のソロでは一段ギアを上げてこれぞお家芸のハイノートで見せ場を作る。それに続くテナーのソロがジョージである。大抜擢だ。そんなこれぞスイングジャズといった演奏を御堪能頂きたい。ここで私はこのバニーベリガンをこよなく愛した神田神保町の老舗中古レコードのオーナーだったトニイさんこと故 西島経雄さんのことが思い出される。西島さんは例えばベニーグッドマンなら略してBG、バニーベリガンならBBといった様なことを教えてくれた。又、如何にも昔ながらの中古屋然ともしていた。私はそんな慣習など全く無知だっだが、兎に角お店に来てくれる客が全てだった。例えば電話でバニーベリガンの初吹込となったハルケンプ楽団のレコードはありますか?と訊ねるとしよう。中々の知識ある相手だからここは丁重に対応…とはならないのだ。西島さんは仮にあっても「ない」という。足を運ばずしてなんだ!という訳だ。勿論、そんな厳しくも直截な言葉をトニイさんからは聞いたことはないが、或る日話がそういう話題に及びトニイさんは仰っていた。「だって外国のユーザーだってわざわざ来てくれるんだから。これる距離にいる人間が電話で済ますなんてねー」トニイさんは若き日、返還前の立川基地で米兵相手の通訳をやっていた経験があるから英語はペラペラだった。旧トニイレコード時代、店舗2Fの鰻の寝床の様な店内で漁っていると不意に現れた巨躯の白人男性が入店してきて「TONYさん、ナイストゥーミーチュウ」と言いながらしばしトニイさんと英語で歓談していた。その巨大な白人に完全に退路を塞がれた私は足元の棚から棚を総ざらえした。
続




マサヤス龍之介
☆『スウィングジャズの花形ボーカリスト5⃣』
テディウィルソンのリーダー録音を紹介してきたが本回はそのラスト。前回までの二人のヴォーカルは1937年だったが明けて1938年、1月にはビリーホリデイを再び呼んでレスターヤングやバッククレイトンなどのベイシー一党らを中心としたパーソネルが主体だったが、次の3月23日に行われたセッションではガラっと入れ替えて中間派tp.の雄ボビーハケットにシカゴ派のベテランcl.ピーウィーラッセル、as.にタブ スミス、g.はスイング系のリズムギタリスト アランリュースといった布陣で歌手はナン・ウィンである。今回は彼女を紹介したいがこの方の資料は皆無で写真すら出て来ない。声はやはりアルトであるが、これは推測の域を出ないのだが彼女の粘着質な声は多分黒人シンガーだ。 誤解の無いように言っておくがこれは人種差別でも何でもなくジャズに於いては黒白人種の差異はその音楽性に影響が及ぶので、敢えてそう云う表現を使う次第である。
ナンウィンが参加したテディウィルソンのセッション録音盤は結構長く'38.3.23と4.29更に7.29と計3回のレコーディングで美声を聴かせている。
その間にアトラクションやダンスホールなどでのライブも帯同していたと思われるので4ヶ月間在籍していたことになる。ナンウィンの録音ではやはりテディの選曲眼が光っていて3月の録音では名曲♬Moments Like This が秀逸で本回はこちらの音源をチョイスした。2回目の録音に於ける♬If I
Were You やスタンダードの♬You Go To My Head も捨て難い。2回目の録音は3月のメンバーにas.がタブスミスからエリントンの所から出張してきたジョニーホッジスが見事なソロを披露している。最後のセッションではジョナジョーンズのtpにベテラン ベニーカーターのas. ベンウェブスターのts. リズムがsb.ジョンカービィにコージーコールのds.と中間派が見事なアンサンブルを保っている。この日も録音最初の♬Now It Can Be Told が1番いいがエラ・フィッツジェラルドのvo.チックウェブ楽団の録音で有名な♬A-Tisket A-Tasket もこのセッションで録音している。





Moments Like This

マサヤス龍之介
☆『スイングジャズの花形ボーカリスト🔟』
クラリネットリードのサックスセクションといえばこの2年後にブレイクするグレンミラー楽団のバンドカラーと言っても過言ではないくらいのものになるが、元々こうした編曲は意欲的なアレンジャーによって試されていた。グレンミラーの成果はそのサウンドを最大限に活かした良曲と巡り合えたと云うことに尽きる。このレコードではバニーのtp.の後にジョーディクソンのクラリネットソロがピックアップされる。ジョージのts.ではなくバンドの初期ではこうして木管楽器もfeat.されていたのがこの演奏で判る。バニーのソロはスイングtp.の高水準を示しており、ルースブラッドリーのVo.後のソロでは1フレーズ毎に上行してゆくアドリブはお見事の一言、溜息が出る。
映画好きならお馴染みの楽曲だと思うが、最高のグルーヴ感で聴いてるこちらも思わずタップを踏みたくなる様な小洒落てて粋なナンバーに仕上がっている。
この日は計3曲録音しているが3曲目のノベルティなナンバー♫ LET'S HAVE ANOTHER CIGARETTE ラッキーストライクなどこの頃はラジオ番組のスポンサーにタバコ会社が台頭していた折のCMソングだったのかも知れない。
甘美でコマーシャルなメロディーに味付けされたサックスセクションで更に甘甘のデコレーションを施したアレンジにバニーのシャープネスなtp.のソロが対極的なコントラストをものしている。
この演奏ではソロはバニーのみであとはルースブラッドリーのVo.のみと云うシンプルな構成となっている。





マサヤス龍之介
ビックスのソロ
大編成バンドでこそ威力を発揮✨
オープンではなく
ダービーハットなどのミュートを付けた音を
愉しんだと云う。

China Boy

マサヤス龍之介
☆『スイングジャズの花形ボーカリスト9️⃣』
バニーベリガン&ヒズOrchestra ビクター専属第2回録音から約1か月後の1937年6月18日、第三回録音がなされた。この日は最初のメンバーチェンジが図られている。こうしたアップデイトはビッグバンドでは絶えず行われている。前回までVo.を唄っていたフォードリアリーは生粋のトロンボーンニストだったが、もう一人とこの日からそっくり入れ替わりモーリーサミュエルとソニーリーが加入している。ソニーはリーダーのバニーよりも古株の人でバニー憧れのビックスやCメロディsax奏者のトラムらと共演をして10以上のバンドを渡歩いてきた強者だ。又、as.のハンクフリーマンに替わってジョーディクソンが入る。ジョーはジミードーシー良ろしく、saxとCl.を吹きこなせる。こうして新メンバーに加えVo.もこの日から又変更された。唄は過去の二人同様上手いし、何よりリーワイリー直系の女性クルーナーだが声がイマイチくぐもっちゃってるのが難点。バニーベリガンの他に女だらけのビッグバンドで有名だったアイナ・レイハットン楽団にも在籍していた。この6月18日と丁度一週間後6月25日のバニーベリガンの録音で計5曲彼女の唄が聴ける。本回は18日第一曲目に録音された同年のMGM映画『マルクス一番乗り』のメインテーマで♫ ALL GOD'S CHILLUN GOT RHYTHM を取り上げた。マルクスブラザーズと言ったら当代の人気コメディチームで後のコメディアン達に多大な影響を与えた事で有名だ。志村けんも霧吹きに合わせて変顔になってゆくコメディモデルを踏襲したりしていた。曲の方は♫シングシングシング の様なドラムのタムタムから始まる。変わっているのはタムタムに連れてトロンボーンが入ってくるアレンジだ。イントロでいきなり惹きつける。何が始まるんだ?ってな具合だ。BGの名盤♫シングシングシング はこの2か月後の録音だから存外参考にされた可能性は否定出来ない。タムタムドラムに続いてクラリネットリードのサックスセクションが更に怪しさを演出してその後ブワっと明るいメインメロディが賑やかにブラスセクションで奏される。この短いイントロの中に後のビッグバンド黄金律が2パターンも出てくるのに驚かされる。
続





ジュヌビエーブ
【この惑星で楽しみたいこと】
未知の分野の音楽って兎角「勉強」になりがち,つまりは音学になりがちですが、長いようで、短い人生,楽しまねば意味がない!楽しくスィングを知っていきたいと思っています🙌
よろしくお願いします🙇♀️
【最近のマイブーム】
鬼滅の刃にハマってから、その前の私の中のこだわりから解放され,LiSA、King Gnu、サチモスときてこの一年半ばかりはめでたくSnowManというアイドルのファンに!🙌そして並行して藤井風!
この人は素晴らしい😍なにを今更?なことになっております。
皆さま、どぅぞ、よろしくよろしくお願いいたします!

マサヤス龍之介
☆『スイングジャズの花形ボーカリスト6️⃣』
バニーベリガンは優秀なペッターだったが故に
仲間のミュージシャン達が軒並みビッグバンドリーダーになる中、例えばベニーグッドマンやトミードーシーらからはバンド立ち上げ時にリードペッターとして招かれてしまう。よってバニーが所謂キラーディラースタイルのビッグバンドを結成したのは後塵を拝し1937年3月のことだった。
それまでも自分名義のバンドを組みレコードをだしてはいたが、どれも単発に終わっていた。'37にビクターと契約した&ヒズオーケストラはアレンジャーに後に自楽団を組むラリークリントンを迎えアンサンブルの調整を終えて漸くレコーディングに漕ぎ付けたのは4月1日のことであった。
ベリガンが乗っけから女性ボーカリストを入れたのが本日掛けるセッションである。その日は4曲吹き込み、本日添付した動画はその第一曲目で、
♫You Can't Run Away From Love Tonight である。最初のレコーディングに呼ばれたのはキャロルマッケイで、前回までの テディウィルソン同様ネットリしたヴォイスでこれといった感興は少ない。途中若干の高音域に達した時には光るものを感じたが。この日は2曲目の♫ 'CAUSE MY BABY SAYS IT'S SO ではリーダーのバニーベリガン自らが唄った。この人はサイドマン時代からしばしば唄とtpの両刀遣いで白人版サッチモの異名をとったこの1曲目でも前奏部でミュートを付けた短いソロを吹き、キャロルのボーカル終わりから派手なオープンソロをかましラストで再びソロで登場、存在感を誇示する。3曲目の♫ CARELESSLY で再びキャロルがボーカルを取る。こちらはスローナンバーで往年のバニーが所属したハルケンプ楽団のよう。ラスト4曲目の♫ ALL DARK PEOPLE ARE LIGHT ON THEIR FEET では無名の男性ボーカリスト フォードリアリー氏が唄う、という具合に様々なボーカルを披露したバニー第一回目の録音であった。
写真はビクター専属前の様々なリーダー達に呼ばれて吹いていた1936年のオリヂナル盤で発足当初のデッカ盤と名ギタリスト ディックマクドノフ楽団のロメオ盤は貴重。




🦄🎹 ラフレシア 🎻
【このスウィングの星で楽しみたいこと】
📀 この星のオーナーが流してくれる、秘蔵のレコードたちを聴くのが楽しみ🎶
🌍 未知の楽器やリズム、世界中の音に触れて、自分の音楽の可能性をもっと広げていきたいと思っています。
☁️ 音に心を乗せて “うっかれ”(=音にふわりと舞うような感覚)しながら、
この星でも自分らしい音を咲かせていきたいと思っています♪
【最近のマイブーム】
🎼 交響曲第1番を完成させて、現在はブラッシュアップの真っ最中!
🎨 音や風景が「色」で見える共感覚を活かして、
子どもや音楽初心者にも伝わる、カラフルで情景豊かな音楽を目指しています。
🎧 ベートーヴェンや盲目の音楽家たちの音に励まされています。
どうぞよろしくお願いいたします[にこやか]
※写真の上の方のトランペットはC菅です🎺



My Favorite Things

madoka

イン・ザ・ムード

madoka
と思いながらカーテンを開けると、随分と日が長くなってることに気付き、得をした気持ちになりました( ੭˙ᗜ˙)੭
定番曲ですが*:.:♬🌟*
#音楽をソッと置いておく人

イパネマの娘

🦄🎹 ラフレシア 🎻
Tiger Rag🎶
アレンジが沢山あって
どれにしようかもすごく迷ったのですが、
今回はバイオリンバージョン🎻
バイオリンの最初の音色が
(画像のこの明るい黄色に合ってるかなぁ)
と思ったので[笑う]


タイガー・ラグ
もっとみる 
関連する惑星をみつける
グラ観覧車
732人が搭乗中
参加
不妊の星
692人が搭乗中
参加
不妊に関する悩み、質問、思いを共有する場です。興味心だけで来られるのは困ります。
自分の考えを押し付ける方、過激な発言をされる方、彼女欲しいと呟いてる男性などは拒否させて頂きます。
生きててえらいの星
2558人が搭乗中
参加
今日もえらい🏅
ゲイの星
1696人が搭乗中
参加
ようこそゲイの星へ
ゲイの人や、まだ自分のセ クシャリティが定まりきらないけれどゲイかもしれない人のための星です
いい出会いが見つかりますように
イン率低めのため搭乗は質問形式で自動化しました
問題行動や困ったことがあれば星主急須のDMまでどうぞ
愚痴吐きの星
1878人が搭乗中
参加
匿名で顔も知らないからこそなんでも吐き出せるはずのSNSでいつのまにか、横の繋がりができ、
何も言えなくなってしまった事ありませんか。
まわりに気を使わず、自分の気持ちを吐き出せる場所があったらいいなと思い作りました。皆さん
よろしくお願いいたします。
もっとみる 