第3章新潟と福井の争いは、ついに農業の枠を超え、地方自治体間の対立へと発展した。福井県がついに完成させた新しい品種「福輝」が市場に投入され、その品質の高さで全国的に話題となると、新潟県はこれを挑戦と見なし、福井県との直接対決を避けられないものと判断した。農業分野だけでなく、両県は政治、経済、さらには文化的な場でも互いに挑発し合い、メディアを通じて熾烈な情報戦が繰り広げられた。新潟県知事は、「新潟のコシヒカリが、日本の米の象徴であり続けるべきだ」と宣言し、福井県知事はこれに対し、「福井が育てた米を、新潟が奪い取ることは許されない」と反撃した。