人気

マサヤス龍之介
#読書の星
☆『「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』 磯田道史著
NHKBSで長く放映されている「英雄たちの選択」で番組MCを務めている。この人が有名になったキッカケは『武士の家計簿』の映画化からである。歴史家として名を馳せるこの御仁は1970年生まれ。慶応大学で博士号を取得するまで学び、現在は国際日本文化研究センター准教授だが、テレビで見せる顔は誠に理路整然と語り説明も小気味よい。又、茶目っ気もたっぷりで中々のエンタメ肌である。
この本もありふれた新書本だが、わざわざ二重カバーにしてご覧のような変ちくりんなポーズを決めているところが笑う😀だが、『英雄たちの選択』で個人的に好きな龍馬を取り上げた回では時代考証家の先生からも質問を投げ掛けられるところが凄いとなって私もすっかり心酔した。それで、グラビティを始めた時にグラネームをどうしようかと考えた時にこの本が目に止まり、ミチフミでいいや!となった次第である。
本書は日本人に愛された作家司馬遼太郎の小説から日本史を学び如何に司馬が小説を書く為に資料を蒐集し研究したかが書かれている。
磯田はそもそも歴史小説を3つに分類して、史伝小説、歴史小説、時代小説としている。史実に近い方から三段階に言い分けているのだが、司馬の場合は専ら歴史小説であると。最も史伝小説に近いのが現在NHK地上波で日曜日の夜に再放送されている『坂の上の雲』であろうと説いている。その上で所謂、歴史小説から時代小説までの他の有名作家を序章で小気味よく紹介してくれる。司馬は信長は美しいものであれば男でも女でも何でも好んだ、と書いたと引用してから所謂、三英傑(信長、秀吉、家康)の女性の好みを説き信長は美しい女、秀吉は貴き女、そして家康は産む女を好んだと書いている。その心は…是非この本を読んで納得して頂きたい。そして司馬の特徴としては、歴史の脇役や敗者の方にスポットを当てる、と云う。言われてみれば国盗り物語の明智光秀、そして磯田が司馬小説でイチオシと言って憚らないのが花神である。日本陸軍産みの親、大村益次郎にスポットを当てた。大村益次郎は司馬が取り上げたから有名になったと言っても過言ではあるまい。そしてその代表格が坂本龍馬だったと云うわけだ。司馬を読む前でも読んだ後でも納得の一冊である。


マサヤス龍之介
☆名編曲家・篠原正雄1️⃣
昭和初期…なんとも怪しく華やかで又、これ以上ない甘哀しい響きの時代語はない。
明治、大正と時代は進み一方では軍隊が権力を持ちつつあった危ない時代の入口ともなってしまったのだが、他方アメリカやヨーロッパから過分な文化をストレートに吸収して日本独自の文化を形成しつつあった。
大正天皇があんなに若くして崩御されなければ…つまり大正年間がもっと長く続いていれば、昭和 という時代語句もなく昭和の戦後と呼ばれた時代くらいまでは大正天皇は生きられたかもしれない。そして昭和天皇と呼ばれた裕仁親王は昭和30年前後くらいに即位されてもっと別の名の裕仁天皇の時代があと30年程続いて現代の所謂平成時代に繋がったので有ろうか?
大正天皇が存続しておられても大東亜戦争という名の戦争は起こったで有ろうか?その前の三国同盟もあっただろうか?
歴史にもしは無いのだが、もしあの時あーしていれば、こーしていれば、という想像は歴史家の磯田道史さん辺りに任せて、その昭和初期にマイナーレコード会社のニットーレコードと言うレーベルを巡るお話をしよう。
そのレコード会社に専属で編曲、作曲家として所属していた篠原正雄と言うとても優秀な音楽家がいた。
明治27年生まれと言うからまだ世界が19世紀だった時代に生を受けた御仁だ。
明治時代が終わりを迎える頃に東京音楽学校を卒業するが、彼はクラシックの素養を身につけ最初ジョバンニローシーが主催した赤坂ローヤル館で歌劇の指揮者として働く。
ローシーは我が国の歌劇場としては恐らく初となる帝国劇場から招かれてイタリアから夫人と共に来日して帝劇の礎を築くことになる指揮者だったが、3年間の契約満了を機に一念発起して赤坂に自前の劇場を旗揚げした。
それが「ローヤル館」だった訳だが、帝劇の山本久三郎専務は、"無謀過ぎる"と猛反対したがローシーは頭角を現していた田谷力三、高井ルビー徳子など優秀な人材を集めたが篠原もローシーの下で指揮編曲に熱中した。
つづく…。
※ フレームは指揮中の篠原正雄、ローシー夫妻、浅草オペラ出演中の田谷力三、高井ルビーの順。




Ich Bin Ja So Vergnugt

てんちゃん


マサヤス龍之介
☆2017年の『英雄たちの選択』.1
2017年1月13日付高知県から歴史を揺るがす或る重要な発表がなされた。
龍馬が書いたとされた福井藩主・徳川慶永の参謀・中根雪江宛の龍馬の手紙が発見されたと言うのだ。
問題はその中身であり、龍馬暗殺に係る或る重要人物の名が記載されている。その人物の名は…。
永井玄蕃守尚志(ながいげんばのかみなおゆき)。
幕府要人であり、大目付から昇進して慶応3年には若年寄にまで登りつめた。
将軍慶喜の側近であり、禁門の変や鳥羽・伏見の役や箱館戦争などでは敵側との交渉役と言う大役を任じ、その交渉術は慶喜からも一目置かれた一角の人物である。
その尚志と龍馬は通じていた。
この頃の龍馬は土佐藩に復帰、参政の後藤象二郎から厚く信頼されており、各藩の要人とも会談している。
龍馬が福井藩の中根雪江に手紙を書いたのも藩主の松平春嶽(徳川慶永)と数度に亘り会談していたからだ。
さて、この手紙発見の報を受け、この年から2018年に掛けて龍馬暗殺に係るドキュメンタリーやドラマが各種作られたが、真っ先に口火を切ったのはNHKであった。
BSのレギュラー枠で放映されている歴史家・磯田道史がMCを務める「英雄たちの選択」であった。
NHKでもBSの方は地上波と違って、比較的自由な番組作りがなされている。
視聴率が地上波に比べると格段に低いせいか、NHKらしからぬ自由度である。
同じ歴史番組でも地上波の「歴史探偵」は佐藤二朗と云う性格俳優をメインに据えて、一見自由闊達に見えるが、或る見えない方則によって縛られている。
出演者全員、一つのテーマに対して同じ見方しかしない。
制作側の用意した大きな方向性に抗うことなく、全員があれよあれよと云う間に見事に一方向の磁石に引っ張られている。
が、「英雄たちの選択」は3人のパネリストプラス磯田道史が皆、思い思いの意見を出し合う。破綻を来さぬように生え抜きの女子アナが(現在では杉浦友紀)最終的に纏めに入るが。
2017年6月の放送ではズバリ「龍馬暗殺」であった。
この日は龍馬が殺害された京都の四条通に面した醤油商・近江屋が主題だったが、字数がいよいよ足りなくなってしまった。
このつづきはまた、次回に。



きずあり
我々に必要なのは、スターウォーズじゃない、スターピースだ
What we need is Star Peace and not Star Wars.
Mikhail Gorbachev、投稿者訳
スターウォーズのファンとしては聞き捨てならない駄洒落かと思ったら、ゴルビーにはもう少しちゃんとした背景があった
1983年に発信された米国の戦略防衛構想(SDI、通称「スター・ウォーズ」プログラム)に対する批判として使われた言葉
SDIについては、後年ではレーガン政権のハッタリだったと評されることもあるようだ
ともあれ、その後しばらくして、ソ連は崩壊
今のロシアを見ていると、良くなったようにも感じはしないが、全体像が評価されるのは、将来歴史家が解説するころだろう
さぁ、日曜日
お仕事の方は今日も気をつけて
おやすみの方は楽しい一日を
#MikhailGorbachev
#アジはなめろうイワシは刺身と酢締めとして生涯を終えた
#そんなことより70キロ台復活



Star Wars: Imperial March

マサヤス龍之介
☆龍馬の遺言
大石学教授は、この手紙について中根は何故封印してしまったのか?と磯田に迫る。
磯田は、大政奉還後の混沌とした状況下でやはり公務として声高に言う訳には行かなかったのでは?と私見を述べた。
以上が、最初にこの龍馬の手紙について触れたドキュメンタリーであった。
この年の6月時点でこれだけ真実に近づいていると思わせるのは、やはり歴史家磯田道史の切り込みがいかに鋭いか、と云う一語に尽きる。
さて、続いては、同じ2017年の秋にNHKの「NHKスペシャル」枠で放映されたこの龍馬の手紙にまつわる大胆な仮説化したドラマを検証してゆく。その昔、NHK特集と呼ばれていたドキュメント番組の金字塔であり、時事問題のみならず近現代史の問題にも鋭く切り込むこの優秀なドキュメント番組はETV特集と共に、多くの近代史問題を過去に取り上げ、小生もその幾つかをエアチェックして資料としている。
正にアーカイブス資料としても一級品である。そのドキュメント番組枠で、珍しくドラマ仕立てで龍馬暗殺を真っ正面から描いたのが、「ドラマ 龍馬 最後の30日」で、2017年11月19日日曜日のNHKスペシャルで放映された。その年の始めに新発見された福井藩中根雪江宛の龍馬の手紙を元に、脚本家相沢友子が書き下ろしたものである。
相沢は「鹿男あをによし」や月9の「鍵のかかった部屋」や「トレース〜科捜研の男」など実力派の脚本家である。
近年では「ミステリと言う勿れ」も手掛けた。演出は嘗て大河ドラマ「新選組!」のチーフディレクターを務めた清水一彦であり、幕末の気分を描くことでは定評がある。
通常、Nスペは大抵45分か50分の放映時間だったが、この時は60分の拡大枠にしたが、この第一回目の放映では肝心の龍馬暗殺を指示した黒幕が描かれておらず、どこか消化不良だった。そこでこの年の年末にBSで先ず放映されたこのドラマのディレクターズカット版でタイトルも「龍馬の遺言」と改題され、放映時間も30分延長された90分枠で地上波では翌年2月26日に漸く放映された。このドラマは、龍馬と交流があったとされる岡本健三郎がストーリーテラーとして物語が進行してゆく。
つづく…。




けんじ
現代の尊敬すべき歴史家、日本が目覚める1つの契機となっている歴史家。
正直、身を案じてしまうところがある。
彼自身は、とっくに身を投げている感があるが。
いや、逆に大丈夫かな。
まあ、できることをやるよ。


ふじこ
家庭科も好きだったなぁ先生が。笑
もっとみる 
関連検索ワード
新着
おすすめのクリエーター

マミ
フォロワー
0
投稿数
6690

マサヤス龍之介
愛用品:宮沢賢治のペン立て
嗜好類:タバコ〜ピースSL 酒〜サントリー角瓶
趣味 :アナログレコード鑑賞 主にErly Jazz シティポップ 昭和SPレコード
グラヴィティ音声ルーム
食 : 元々、関東人なので焼きトン、魚は赤魚粕漬け たまに細巻き寿司 山芋短冊切
り 藁納豆
プロ野球 : 10歳頃から阪神タイガースファン
フォロワー要綱:以後放置は随時外してます。
フォロワー
0
投稿数
2011

てんちゃん
てんちゃん、って呼んでね!
#なみだのうた #サロン・ド・てん #恋堕てんしゃん
🔰お料理、ピアノ、お絵描き、ヒトカラ配信、アニメ、詩、小説配信など気ままに
1980年渋谷生まれ、今年は泣き虫になりたい
フォロワー
0
投稿数
1197

きずあり
元野良猫と暮らしています。
詳しくは先頭の自己紹介投稿をご覧ください。
フォロワー
0
投稿数
979

けんじ
心理、社会、政経、歴史、思想・哲学、スピリチュアリティという視点を総合することで見えてくるものがあります。
ーー結局は人類意識の探究になってる。
フォロワー
0
投稿数
123