人の手が届かない位置。インテリアとして累々と存在する本に、希少本が隠れていることを知っているのは、オーナーと達眼の士のみ。バウハウスの鬼才オスカー・シュレンマーが記したデザイン理論の原本「プライスマン比率」が何故かここにある。むかし、ドイツの片田舎ジグマリンゲンのフリーマーケットでアルバニア移民が20000マルクで売っていたが、正規の相場は分からない。装丁がゲキシブなんよなあ、と眺めていたら、隣の淑女も同じものを眺めている。話を聞くと、大学で美術史を教えているそうな。ふむふむ、それなら納得と勝手に満足しながら、お気に入りの抹茶ラテを飲み干す。そろそろ夏休みも終わりだなあ