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Pepero

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『ドリームシナリオ』
★★★★★☆☆

とある大学教授の周りが、やたらとざわめき始める。

稀代のヒットメーカーA24が手掛ける、
『ミッドサマー』アリ・アスター制作の最新作。

ポール・マシューズが、昔の同僚に会い、自らの論文テーマの盗作の可能性を糾弾した日。
妻と観劇に行った劇場で、過去の恋人と偶然に再会。彼女が妙な事を口にする。

『あなたが夢に出てきたの』

そう言えば、今日の出がけに娘も似たようなことを言っていた。

『パパが夢に出てきたの。 でもただそれだけ。 私が困ってても、パパは何もしてくれなかった』

元カノとお茶しに行くのを、妻は嫌がった。嫉妬してくれている、私には出来すぎた妻だ。
だがそれとこれとは別とばかりに、ポールは下心満載で元カノに会うが、浮いた話には一切向かわず、ただただ、

『あなたが夢に出てきたの。 でも、ただそれだけ。 なんにもしない、ただそこにいるだけ』

翌日の大学の講義辺りから、様子がおかしくなりつつあった。生徒が口々に、ポールが自分の夢に出てくる、だがただそれだけ。ポールは何もしない。

こうして、彼は期せずして、原因も理由も解らぬまま、『他人の夢に勝手に登場する』という不条理なインフルエンサーとなり、そしてその状況に浮かれたポールは、調子に乗る。


ニコラス・ケイジ、久々の返り咲き。
A24お得意の不条理世界でありつつ、ニコラスの演じるポールの小市民っぷりと、調子に乗ったおじさんの哀れっぷりがぎゅっと詰まった1作。
不条理なニコラスと言えば『アダプテーション』を思い出すが、やはり彼の演技は心に残る。
『ザ・ロック』のスタンリー・グッドスピードと
本作のポール・マシューズが同一人物なのも素晴らしいし、とにかくこの人は本当に表情が豊か。特に『困っている顔』をさせたら天下一品である。

そんなニコラス・ケイジを楽しみたい方は劇場へ。
そうでない方は、サブスクで大丈夫です。


#映画
#小さな幸せ
#不条理
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ろびのわーる

ろびのわーる

『ドリーム・シナリオ』
大学教授のポール・マシューズは、ごく普通の生活を送っていた。ある日、ポールは何百万人もの人の夢に現れ、誰もがポールの顔を知る状態になる。一躍有名人になったポールだが、夢の中の彼が悪事を働き始めると、世間はポールを非難するようになってしまう。

ニコラス・ケイジにどんな役をやらせたいかと聞かれたら、僕は迷わず不条理コメディと答える。そう、あの困り顔が見たいのだ。

ニコケイの魅力は、豊かな表情と真面目さとどんな役柄もやり遂げる懐の広さだと思う。万人を受け入れてくれる仏のような存在感が彼にはある。

そして表情の豊かさゆえに印象にも残りやすい。記憶に残っていれば夢に出てくる可能性も高まるし、夢が覚めても覚えていられるのも納得がいく。つまりこの役のキャスティングはニコケイこそがベスト。ニコケイのための映画と言ってもいい。

A24×アリ・アスター制作なので、安定感のある鬱展開。ブラックユーモアを交えた見せ方も良かった。

つい笑ってしまいそうなビックショルダースーツで、こんなにも切ない気持ちになるなんて…。ニコケイの魅力が堪能できる作品だった。
彼のことが気になる方は「マッシブ・タレント」もぜひ観てほしい。

#映画 #映画館 #ニコラス・ケイジ
#ドリームシナリオ
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