
ろんげ
女性が洗髪に時間がかかる理由がわかりました。
グラの中では物書き。
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ろんげ
21.大学編
突然僕の携帯がiPhoneが鳴った。
知らない電話番号だった。
誰だろう出てみる。
「はい、もしもし。」
「もしもし、ろんげさんでしょうか?」
「あ、はい。ろんげです。」
「わたくし、〇〇の母です。」
?
ちーちゃんのお母さんから電話が来た。
なぜ僕の電話番号を知っているんだ?
「ああっ!初めまして、〇〇さんとお付き合いさせていただいてます、ロン毛と申します。」
「昨日からウチの娘が帰ってきてなくて、家出状態なんです!そちらにいませんか?」
「はい、います。」
「お願いなんですけど、帰してもらいたいです。」
「わかりました。そちらの最寄り駅まで送りますね。」
「よろしくお願いします。〇〇に代わっていただけますか?」
「はい。」
「もしもし、、、。うん、、、はい、、、、、、、はい、、、、、、、、、、、、、、うん、、、、、、、はい、わかった、、、、。」
ポチッ
「なんでお母さん僕の電話番号知っているの?」
ちーちゃんに聞いた。
ちーちゃんはまた涙を流しながら話した。
どうやら彼氏ができたことを最初は隠していたらしい。
バレたら面倒なことになると思ったのだろう。
しかし、しっかりバレたらしく
その際に僕の名前や電話番号を紙に書けと言われ、逆らえずに書いてしまったらしい。
「ねえ、個人情報だよ?」
「ごめんなさい、、、。」
書いてしまった彼女も彼女だが
書けと言った母親も結構やばいな、と思った。
そりゃ心配する気持ちはわかるけど
そこまでやるのは、なんかおかしい感じがした。
過保護なのかと思っていたけど
ヒステリックというか
とりあえずこれは愛ではないよな、と思った。
とはいえ、ちーちゃんを家に帰さないとまずいことになる。
ちーちゃんを家の最寄り駅まで送ることになった。
お母さんに会うのはとても嫌だった。
だが、いつか結婚するのであれば避けて通れない道。
相手の親への初めての挨拶!
ここは気合を入れて、菓子折りを買っていこうとした。
「いーい。買わなくていーい。」
涙目で子どものように駄々をこねる。
ちょっと可愛かった。笑
しかし、ちーちゃんの制止を振り払い、無事菓子折りを購入。
続く

ろんげ
20.大学編
そして僕の家に戻ってきたわけだ。
家でその一部始終を聞いた僕は
正直呆れてしまった。
そこからちーちゃんに、まるで子どもに話すように諭した。
「僕たちもう社会人になるんだよ?それなのに嫌だから連絡もせず休むなんてまずくない?」
うん、うんと涙を流しながら頷くちーちゃん。
ごめんなさいと泣きながら謝る。
謝るところちげーと思いながらも
反省したみたいだし、終電もなく仕方なしにお泊まりさせた。
初めてのお泊まりだった。
初めてのお泊まりなのに涙涙の辛気臭いお泊まり。
なんじゃこりゃ。笑
でも嬉しかった。
一緒に布団にくるまり
彼女を抱いて寝る。
一人では味わえない暖かさがそこにはあった。
そして朝を迎える。
二人で迎える初めての朝。
窓から入る日差しがこんなに心地よかったなんて。
新たな1日が始まるその最初の瞬間に好きな人の顔を見れる素晴らしさ。
こんな幸せがこの世にはあるのかと。
今同棲やお泊まりや結婚生活ができている人たちに言いたい。
めっちゃいいね!!
あんたら最高に幸せ者じゃん!
目が覚めて最初に見るのが愛しい人の顔だぜ?
そんな幸せないよ⁉︎
と言ったけど
世のパートナーがいる人々からは
いやいや実際一緒に生活したらそんなこと言えないよ?
相手の嫌な部分たくさん知るし
ずっと一緒にいるとそんな初々しさもなくなって
朝顔を見たところで何も感じないよ。
むしろ嫌悪感さえもある。
そんな声がたくさん聞こえてくる。
確かに僕は結婚したこともなけりゃ同棲もしたことない。
もしかしたら結婚後同じようなことを思うかもしれない。
でも、この時感じた、この素敵な感覚は
いつまでも忘れたくないと思うんだ。
というか、この感覚をずっと感じれる自分になりたいし
そういう人と出逢いたい。
理想論かもしれないけど
理想を追っかけて何が悪い。
理想を追い求めなければ、いつまで経っても手に入らないじゃないか。
とまあ、そんな話は置いといて、物語に戻ろう。
彼女との素敵な朝を迎え
幸せな気持ちでいっぱいの時
僕の電話が突然鳴った。
続く

ろんげ
19.大学編
ちーちゃんは泣いていた。
どうした!?
僕は何が何だかわからなかった。
「帰ってきちゃった。」
涙を流して笑いながらちーちゃんは言った。
事情を聞きながら家に連れて行く。
泣きながら話してくれた。
ちーちゃんの家は門限がある厳しい家というのは以前話しただろう。
その元凶がお母さんらしい。
お父さんは優しいが、お母さんの力が強く、お母さんの独裁国家みたいな感じ。
当然、ちーちゃんは門限があるので、それを破らないように帰る。
いつものように駅から自転車でちーちゃんは家に帰った。
しかし、ちーちゃんは家に入らなかった。
家に明かりがついているからだ。
だいたいちーちゃんが帰る22:00になると、家族は寝ていて電気は消えている。
なのに電気がついている。
これはお母さんが起きているということだ。
いやいや、普通に帰ればいいじゃん。
と思ったのだが、今回は帰りたくない理由があった。
その日のデートの時、ちょいちょい携帯を見ては浮かない表情をするちーちゃんを見た。
あれは、お母さんからLINEが来ていたらしい。
電話もきていたそうだ。
でも無視しちゃっていた。
なぜか?
それは、怒られるのがわかっていたから。
実はちーちゃんは内定をもらっている就職先に研修?体験?という感じで行っていたらしい。
しかし、ちーちゃんは途中で嫌になってしまった。
たしか嫌になった理由が
報告書?計画書?みたいなやつを毎日書くんだけど、それが大変なのと
教えてくれる女の先輩社員がちょっと怖い?冷たい?人で
ストレスというか、ちょっと嫌になっちゃったらしい。
そしてちーちゃんは、ズル休みをするようになった。
当然職場から心配の連絡がお母さんに入る。
お母さん、激怒。
それでちーちゃんにLINEと電話が来ていた。
怒られるの確定。
そしてちーちゃんは考えた。
お母さんが寝てから帰れば怒られない。
でも家に着いたら電気がついている=お母さんは起きている=怒られる。
やばい。
ちーちゃんは考えた。
よし、電気が消えるまで自転車で家の周りをぐるぐる回って待とう、と。
ぐるぐる回った。
ぐるぐるぐるぐる回った。
一向に電気は消えなかった。
ちーちゃんは
駅に戻った。笑

ろんげ
18.大学編
〈3〉お母さん事件
あれはちーちゃんと付き合って1年半くらいだったろうか。
大学4年生。
お互い就活も終わり
暇を持て余していた僕たちは
度々デートを楽しんでいた。
相変わらず仲良しカップルでラブラブでハッピーだった。
いつものように東京デートを楽しんでいたある時
スマホをちょいちょい見て浮かない顔をするちーちゃんがいた。
どうしたんだろう、と思ったが聞かなかった。
すぐにちーちゃんは笑顔になっていたからだ。
そんな気にすることでもないな、と僕もあまり深く考えなかった。
また別の日。
おうちデートを楽しむ僕ら。
いつものようにいろいろしながら楽しんだ。
バイバイの21:00がやってくる。
いつものように駅まで送りバイバイする。
いつものように家に帰ってまったりする僕。
あの当時はPS3のオンラインゲームにハマっていて
いつものようにゲームに没頭していた。
2時間ほどしてから急にLINEの通知が鳴った。
ちーちゃんからだった。
なんだろうと思ってLINEを開く。
「今そっちに向かってる」
ん?
さっき帰ったよな?
バイバイしたよな?
理解が追いつかない。
なんでさっきバイバイしたのに
こっち向かってるんだ??
「駅着いた」
全く意味がわからなかったが
駅に迎えに行く。
道中、ちーちゃんを発見。
泣いていた。
続く

ろんげ
17.大学編
〈2〉驚愕の事実発覚事件
あれは付き合って2ヶ月目だったろうか。
ちーちゃんから旅行に行きたいと提案があった。
僕のテンションは爆上がりした。
彼女と旅行らしい旅行なんてしたことがない。
元カノとは免許合宿に山形へ行ったが
それはそんな旅行っていう感じではなかったので
ほんと嬉しかった。
どこに行くか話し合った結果
大阪に決定した。
USJ、海遊館(僕は水族館が大好きなのでテンションMAX)
この二つが決めてで大阪になった。
ほんと楽しみすぎて僕は気合を入れて動いた。
ホテルも予約をとり、準備万端。
僕たちはとってもワクワクしていた。
ある日、木漏れ日が気持ちのいい晴れの日だった。
8月だったろうか、僕の就活が大体終わった頃
突然ちーちゃんから電話が来た。
なんだろう?
別に何も思わなかったけど
電話に出た。
泣いている。
え?
なんで泣いているのかわからなかったが
とにかく驚いて、心配になった。
そしてちーちゃんが口を開く。
「ママにバレちゃった……。」
ほう。
そうなのか。
と思った。
だからなんだ?
ママにバレたって別にいいじゃないか。
「実はね、うちお泊まりダメなの。」
ほう!
なるほど。
これは聞いていなかった。
「門限もあって、22:00には帰らないとダメなの。」
「だから早く帰ってたの。」
なるほど。
だからデートはいつも21:00にはばいばいしてたのか。
全く気づかなかった。笑
「最初は女友達と行くって嘘ついてたんだけど、なぜかバレちゃっていけなくなっちゃった……。」
「せっかくいろいろ予約してくれたのにっ、ぐふっ、ごべえん。(号泣)」
このとき、僕は怒りの感情など1ミリもなかった。
残念と言う気持ちもなかった。
あるのは
ちーちゃんの涙を止めたいと言う気持ちだけ。
自分で言うのもなんだが
なんていい男なんだろうか、と思った。
「ちーちゃん、しょうがないよ。旅行は結婚してからいくらでも行けるじゃん。大丈夫だよ。」
くっそいい男だと思った。
自分で自分に惚れた。
かっこよすぎる。
「ありがどゔぅぅぅ…….!!」
この衝撃の事実が発覚して
さらに仲が深まったのは言うまでもない。
続く

ろんげ
16.大学編
ちーちゃんのビキニ姿見られたくないという気持ち。
そんな気持ちを考えてくれないちーちゃんに対する憤り。
相手に対してそのように思ってしまう自分に対する怒り。
様々な感情が入り混じって
とても辛かった。
そのときは仕方なく送り出した。
ほんとは行ってほしくなかったけど
これは僕がおかしいのかもしれない
と思って送り出した。
その日は一日中そのことが頭から離れなかった。
とても辛かった。
ベッドにうつ伏せで倒れ
枕に顔を埋めて叫んだ。
うああああああああああああああああああああああああああああ!!
気分は晴れない。
最悪の気分だった。
海が終わって彼女からLINEが来た。
正直やり取りする気持ちではない。
それが伝わってしまったのか
ちーちゃんは謝ってきた。
いや謝るなら最初から行くなや。
全国の男女に言いたい。
何かする前に、相手がどういう気持ちになるか
一回考えた方がいい。
あとは、自分の気持ちに正直になること。
正直な気持ちを話さないと、男女ともにわからない。
言ってもらって初めて気づく。
そこから二度とそのような遊びには行かなくなったちーちゃんだった。
今考えると器が小さかったなあと反省している。
今では彼女の谷間の1つや2つ見られたところであまり苦しくはないが
やはり経験というものは人を成長(成長なのか慣れなのかわからないが。)させるのかなあと感じる。
嫉妬ややきもちは、己の経験不足から不安になり、相手を疑ってしまうものだ。
ということはやはり、ある程度遊んでおくという経験は
誰しも必要なことなのかもしれない。
とにかく僕は
こんな感じでやきもちを妬いてしまっていた。
続く

ろんげ
15.大学編
さあ、この可愛いちーちゃんと付き合うことになったのだが
ほんと色々ありすぎて書ききれないので
印象に残っている事件を
5つ書いていこうと思う。
〈1〉
あれは付き合ってから1ヶ月くらい経っての出来事だった。
ちーちゃんからLINEが来た。
相変わらず毎日連絡をとっている。
可愛くてしょうがない。
「今度バイト先の人たちと2.2で海行ってくるー!」
ほう。
海か。
良いなあ。
ちーちゃんの水着姿、くぅ〜。
いいね。
でもちょっと待って。
2.2ってどういうこと?
2対2。
ほ?
嫌な予感はしていた。
「それって男と女で2.2ってこと?」
「そー!」
いや、そー!じゃねえ笑
本気で言ってるのかこの子は?
彼氏がいるのに2.2で海?
そんなことある?
ちーちゃんのビキニ姿他の男に見られるの?
やだよそんなの!!!
何考えてんの!!
頭おかしいんじゃねえの?
と思ったんだけど
そんなこと思う自分は器小さいんじゃないか?(高校生編でもやったなこのくだり。)
僕は女性経験がまだちーちゃん入れて二人目で
全く自分に自信がなかったし、女性経験の無さがコンプレックスにもなっていた。
それもあって今回の申し出には非常にショックが大きく
いろんな意味でかなり落ち込んだ。
続く

ろんげ
14.大学編
気持ちは伝えたはずッ!
しかしッ!
彼女は見たこともない素敵な満面の笑顔でッ!
ただッ!
「うん!!!」
というだけッ!
可愛いッ!
がしかし!!
なんだこの進まない感じは。
まだ終わらない感じは。
もしやこれは。
ああ、そういうことか。
まだ言ってないことあるでしょ?
ってことだ。
これは。
わかりました。
そうですよね。
好きです→だからなんですか?
ってことです。
好きだからどうしたいのかってことをお伝えしなきゃいけないってことです。
「・・・・・・おれと付き合ってくれない?」
「うん!!!!!!!」
さっきよりも1.5倍くらい眩しい笑顔で彼女は返事してくれた。
何回も言うけど
あの笑顔は忘れられない。
満面の笑顔っていうのは
あの子の、あの時の笑顔がそうなんだと思う。
ということで人生2人目の彼女ができた。
この後二人で夜ご飯(あれは忘れもしない、立川のルミネにあるお好み焼き屋だ。)を食べに行ってバイバイした。
帰りながら連絡を取り合った。
メールからLINEに切り替えようと相手から提案があった。
少し寂しい気持ちがあった。
その当時はLINEが始まって間もない頃で
まだLINEとメール両方使う人が多かった。
LINEで連絡を取り合う人が多かったので
メールで連絡を取る人はちーちゃんしかいなかった。
それが特別感あってよかったのに。
でも彼女から
「メールも特別感あって良かったんだけどね!」
という言葉をもらい、僕と一緒じゃーん!と喜んだ。
もうLINEでいいや、と一瞬でなった。
ちーちゃんとの長いお付き合いが始まった。
続く

ろんげ
13.大学編
人と会話をする中で
同じ言葉を何回連続使ったことがある?
僕はね。
10回以上を30分くらいかけて言ったことあるよ。
「あのさあ。」
言うたびに彼女は笑顔でこっちを見る。
なのに
なのにその後が言えない。
言うことはわかっている。
恥ずかしい…‼︎
こんなに恥ずかしいとは。
照れくさいとは。
でも言いたい。
心から溢れるこの気持ちを。
言いたい。
「あのさあ。」
「うん!」
下を向いてしまう。
いかん!
これはあまりにもカッコ悪い。
このままではせっかくいい感じだったのに終わってしまう!
そんなのは絶対嫌だ!
でも恥ずかしい!
ああ!もうどうしよう!
もう言っちゃええええええ!
「おれさあ、ちーちゃんのこと好きになっちゃった。」
言っちゃった!!!
しかもあんまカッコ良くない感じで!!
彼女は
太陽の光で照らされながら眩しすぎる笑顔で
「うん!!!」
と言っていた。
あの時の笑顔は忘れられない。
あれ以上の笑顔を見たことがない。
彼女の後ろから太陽が光を送り、まるでキリスト教の絵画みたいに綺麗で神秘的で
美しく、可愛い笑顔だった。
天使ってほんとにいるんだ。
可愛い。
大好きだ。
ん?
ちょっと待って。
「うん!!!」
って返事どういうこと?
続く

ろんげ
12.大学編
僕は振り絞って声を出した。
「あのさあ。」
「ん?」
満面の笑みで彼女がこっちを見る。
ああ、この笑顔はこっちが何言うかわかってる感じだ。
ほんと可愛いな。
「あのさあ。」
「うん!」
「あのさあ。」
「あのさあ。」
「あのさあ。」
「あのさあ。」
続く

ろんげ
11.大学編
周りを見渡せば
カップル、カップル、カップル、カップル、、、
いや、嘘、正直言うとそんなん見えてない。
横にいるこの天使に心も頭もぱんぱんにされていた。
可愛いなあ。
それしか出てこない。
何会話したか全く覚えていない。
あ、思い出した。
駅で配ってたティッシュの中に入ってたチラシで
紙ヒコーキを僕がいきなり作ったんだ。
緊張をほぐしたくて作ったのかもしれない。
そこに紙があったら
落書きするか、紙ヒコーキ作るか
男とはそういうものである。
それを飛ばしたら、思いのほかよく飛んだ。
僕は紙ヒコーキを作るのが好きで
幼稚園の頃からよく作っていた。
流石に中学生くらいからは作ってなかったけど
当時の修練がここで活きるとは。
彼女はそれをみてすごく楽しんでくれた。
またその笑顔が可愛くて
無邪気で、屈託のない
澄み切った笑顔。
たまらなかった。
そんなこんなで楽しんでいたら
沈黙の時間が訪れた。
僕は自覚はないが、鈍感らしい。
過去を振り返る限り、鈍感だ。
しかしこの時ばかりはわかった。
いよいよこの時が来たか。
「告白しなきゃいけない感じだ。」
よし、言おう。
どうせ言うんだ。
言うなら早く言おう。
大丈夫、言葉は考えてきた。
イメージトレーニングも何回もした。
自分を信じろ。
僕は力を振り絞って声を出した。
続く

ろんげ
⑩.大学編
公園デート。
それは、考えうる中で最も健全で、最も純愛で、最も可愛いデートと言えるであろう。
ご飯デート、これはご飯を食べるという目的がある為、愛がなくてもできる。
映画デート、これも映画を観るという目的がある為、同様である。
ドライブデート、これはもう言わずもがなアウトだ。密室空間に男女が二人きりなんて股間と股間でお話しているようなものである。
おうちデート、同様である。
公園デート。
これは、目的は特にない。
しいて言うならば、お相手と同じ場所、時を共有し、相手を知るためにコミュニケーションをはかる目的がある。
それ以外の目的がない。
愛しかないデート。
愛がなければできないデート。
それが
公園デート。
僕たちは立川にある昭和記念公園に行った。
昭和記念公園はかなりでかい公園である。
めちゃくちゃ広い。
初めて行ったけど、広過ぎてびびった。
いや、正確に言うと、それどころじゃなかった。
人生初の告白に、心臓ははち切れんばかりに鼓動し
頭はいつ、どのように告白しようか考え過ぎて思考回路がショートを起こし
心は彼女でいっぱい。
つまり
テンパっていた。
とりあえず散歩する僕ら。
天気をよく、気持ちがいい。
人も結構多かった。
正直、あんま覚えてない。
とにかく緊張していた。
しばらく歩くと
みんなが座れる休憩スポットみたいなところに到着した。
ひな壇みたいになってるバカでかい休憩スポットである。
なんか
やたらカップルが座っていた。
うええ。
ここで休憩することになった。
続く

ろんげ
⑨大学編
2回目のデートが終わってからも
メールでのやり取りは続いた。
毎日連絡を取り合った。
もう、これはいける。
いよいよ勝ち戦の予感が溢れんばかりに心から出てきたので
次のデートでケリをつけようと考えた。
ふと彼女から、次のデートの提案があった。
映画みたい!
可愛い。
いいでしょう。
映画観に行きましょう。
あれは忘れもしない。
立川の映画館(また立川かよ。)で観た
『テルマエロマエ』を。笑
3回目のデート。
場所は当然立川。
立川が中間地点であった為、必然的に立川デートが多かった。
まずはリクエストにお応えして
テルマエロマエ。
席予約せず行ったら
前の席しか空いてなくて
最前列で顔を上げながら観た。
首が疲れた。笑
彼女は猿が好きだった。
猿が出たシーンで彼女は僕の方を向き満面の笑みで画面を指さす。
なんて
なんて美しい笑顔なんだろう。
可愛いんだけど
それ以上に、眩しい。
美しい。
スクリーンよりも
彼女の笑顔に夢中だった。
席はミスったが
彼女は楽しんでくれた。
普通はちゃんと席予約しとけよって話よね。
ええ、今ではそう思いますよ。
でもね
そんな不手際がありながら
今ある状況を全力で楽しむ彼女が
本当好きだった。
そんなこんなで映画を見終わった僕たちは
運命の公園デートに移るのだった。
続く

ろんげ
⑧大学編
2回目のデート。
あれは、東京の立川だっけかな?
どっかのカフェで待ち合わせしてお茶した。
彼女は喉が渇いていたらしく
アイスコーヒーを一気に飲んでいた。
可愛かった。
スラムダンクを渡した。
ここでポイントなのが
全ての巻数(24巻)を渡さないことだ。
24巻全ての重量はかなり重い。
ここは4、5巻ずつがベストだろう。
そして、巻数を4、5巻ずつにすることで
漫画を渡す、もしくは返してもらう機会を複数回作れるということだ。
我ながらこの時は頭を使った自分を褒めたい。
ありがとー!と笑う彼女。
可愛い。
生涯一可愛い子とのデートは2回目も最高だった。
とにかく楽しい。
精神年齢が僕と一緒で低かった。
くだらないことで笑い合えるので
何をしても楽しかった。
彼女は大学で保育士の勉強をしているらしい。
子どもが大好きなんだそうだ。
良い!!!
自分も子どもが好きだから嬉しかった。
保育士あるあるで
園児に胸を揉まれる話とかをされた。
ちょっと心臓が高鳴ったのと
子どもに嫉妬した。笑
カフェデートの後、何したか忘れた。
ランチ食べに行ったか
そのまま帰ったか忘れたけど
とりあえず、彼女は可愛かった。
とんでもなく可愛かった。
続く

ろんげ
おもしろい言葉がぽんぽん浮かんでくるのでこのままだとR-1優勝しちゃうから、今日は執筆活動おやすみして明日書こうと思うあったまいてえwwwww
頭皮が引っ張られるぴゃんぴゃん
誰がハゲやコラ
数少ないファンの方々、明日をお楽しみに、あー、身体あったかくて幸せ

ろんげ
⑦大学編
これは、勝ち戦なのではないか?
僕はそう思っていた。
2回目のデートのきっかけを
向こうから作ってくれた。
スラムダンクの漫画を貸してほしい。
貸すためには、会わないといけない。
だから、2人でお茶する約束をした。
これは完全に
勝ち戦ではないか?
そんなスラムダンク読みたいが為に会う約束するか?
スラムダンク読みたいだけならBOOKOFF行けば良いもんな。
でも?
そこを?
あえて?
僕に?
借りるってことは??
僕のことが??
ちょっと??
気になっているというか??
むしろ好きみたいな???
かああああああああああああああああああああッ
殿!!
ホラ貝を用意しましたあ!!!
うむ!!!
吹けいッ!
ブォオオ〜〜〜〜〜ン
ブォオオ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン
いざ!!出陣じゃあああ!!!
前へ!!!!!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
勝ち戦だ。
鈍感な僕でも
この流れは、わかるよ。
これは
勝ち戦だ。
しかし待て、ろんげ。
功を焦ってはいけない。
こういう時こそ
セオリーを思い出せ。
そうだ。
3回はデートをするんだ。
3回目で告白。
いいな?
焦るなよ?
わかったよ。
3回デートするまで、告白は我慢するよ。
内なる自分と何回もお話した。
あれから毎日メールをした。
その頃LINEが流行り始めた時期だったが
なぜか僕らはメールでやり取りをしていた。
友達とはほぼLINEでやり取りをしていた為
メールでやり取りをするのは
すごく特別感があった。
そんなこともあって
ますます彼女のことが好きになっていた。
続く

ろんげ
⑥大学編
友達から紹介してもらった女子とのご飯デート。
もう、可愛くてしょうがない。
最高だった。
途中までは。
どういう話の流れか忘れたが
彼女は元カレの話をし始めた。
彼女は女子大なので男性との出会いがあまりないらしい。
そこで何個かの大学が共同で行っているサークルに所属していたらしい。
そこで元カレと出会い、付き合ったみたい。
そして最近フラれ
別れた後またサークルで再会し
彼女は泣いちゃったんだって。
そしたらその元カレが涙を拭いてくれたんだって。
普通そんなことする!?
みたいなことを聞かれた。
いや、知らねえから!!!!!!
つか知りたくなかったわそんな話!!!
まあ、その時は「ああ、そうなんだね。」みたいな感じで返事して
いや、でもちょっと余裕見せないとかっこ悪いなと思って
「なんとか復縁できないかな。」
みたいな感じで彼女が元カレと復縁できるようにいろいろ考えてアドバイスした笑笑
ちなみに僕の心の中は、彼女と元カレの復縁なんてそんなことこれっぽっちも願っていない。
そりゃそうでしょ。
好きなんだもん。
女性の皆さん。
僕からのアドバイス。
これからお付き合いするだろう男性の前で
元カレとのエピソードを話すのは
聞かれない限り話さない方がいいです。
僕は過去は必要なモノだと思っています。
なぜなら
過去があるから、好きな人の今がある
と考えているから。
しかし、過去には興味ないんです。
今はそうでもないけど、昔はめっちゃ彼女の過去について嫉妬してました。
今はそうでもないですよ?
慣れましたんで。
しかし、過去の男性エピソードを聞いてもいないのに話しちゃう女性が多い。
聞いてないから!!!
とまあ、そんな感じで気持ちが若干萎えた僕だったが
とりあえず楽しくご飯デートを終え、ばいばいした。
その帰り、彼女からメールが来た。
楽しかったよ、的な内容だった気がする。
僕もありがとう的なことを返す。
すると向こうから
「漫画のスラムダンク貸して!」
ときた。
なんかご飯中、僕がおすすめしたっぽい。
「いいよー!いつ渡そうか?」
「じゃあ次ご飯行く時貸して!いつ空いてる?」
次のデートが決まった。
続く

ろんげ
④大学編
「じゃあこの子にも聞いてみるね。」
「うむ!!!聞いてみてくれたまえ!!」
もうその日から頭はその子でいっぱい。
元カノのことなど一切考えなくなった。
振られた時は絶望しか感じなかったけど
今は、振られてよかったあと思っている。
「ろんげー、この子が連絡先教えてもいーよだって。」
いよっっっしゃあああああああ!!!!!!!
風は、僕に吹いている。
そりゃそうだろ。
なんてったって僕はろんげだぜ??
天下のろんげ様と連絡とりたくない女子なんて
この世にはいねえぜ!!!
と心の中で浮かれまくっていた。
「ろんげの写真この子に見せたよー。」
おいおいおい。
そんなことをしちゃ困るぜ。
また1人、火傷しちゃう女の子が増えちまうからよお。
まいったなあ、もう。
「"普通に"かっこいいね、だって。」
ん?
"普通に"かっこいい?
僕は「普通に」という言葉が嫌いである。
普通に美味しい。
普通に面白い。
普通に楽しい。
なんだ"普通に"って。
かっこいい!だけで良いじゃないか。
"普通に"かっこいい。
この"普通に"がつくと、その後につく言葉の威力が非常に弱くなる気がする。
かっこよかったら、シンプルにかっこいいって言うもんね。
普通にってつけるということは
大してかっこいいと思ってないということである。
舐められてる。
僕は、その時、燃えていた。
続く。

ろんげ
③大学編
「ろんげ、女の子紹介してあげようか?」
女友達の言葉は、まるでこの世の救世主が放つ名言のように感じた。
闇を彷徨う僕を照らす一筋の光。
「女の子紹介してあげようか?」
光だ。
紛れもない光。
一つの道筋を照らす
希望の光。
「女の子紹介してあげようか?」
「まあああああじ!?!?!?」
食い気味に反応する僕。
自然と上がる口角。
キラキラと輝く眼。
それはそれは、まるで宝物でも見つけたかのような顔をしていただろう。
「どんな子!?!?!?」
ここですぐに、紹介して!とならなかった僕は意外にも冷静だなと今では思う。
次付き合う子は絶対タイプの子にしようと決めていた。
今度は外見が可愛いと思う子にしよう。
そうすれば、途中で好きじゃなくなることもない。
そう考えていた。
「写真ねー、ちょっと待って。」
どんな子だろう。
可愛い子かな。
可愛い子がいいな。
もう元カノより可愛けりゃなんでもいい。
早く見たい。
早る気持ちを抑えながら
僕はソワソワしながら待った。
「この子ー!」
くっそ可愛いじゃん!!!!!!!!!!!!!
ちょーーーーータイプの子だった。
ショートカット
茶髪
ぱっちりお目目
二重
丸顔
ああ、神様。
ありがとうございます。
元カノに振られて
僕は幸せです。
プリクラだったけど
加工分を引いたとしても
(どうやって引くんだよ笑)
めちゃくちゃ可愛かった。
今までの人生で1番可愛い人だった。
「この子ねー、最近彼氏と別れて傷心中なんだよねー。」
いいいいいいいいじゃあああああん!!!!
めっちゃいいいいじゃあああああん!!!
傷の舐め合いじゃん!!!!!
ペロペロし合ってお互いの傷癒そうぜ!!!!
「ちなみに、その子振られた側?」
「振られた側ー」
いいいいいいいいいいいじゃああああああああああん!!!!!!!!!!!
運命だ!!
これは運命としか言いようがない!
同じようなタイミングで振られ
共通の友達がいて
タイプの子!!!!
まさに!!
運命!!!!!!!
「紹介してえええええええええ!!!!!」
生涯一の懇願だった。
続く

ろんげ
②大学編
失恋で落ち込んでいる僕に
友達たちはいろいろ言って励ましてくれた。
ああ、心があったまる。
僕は徐々に元気を取り戻していった。
しかし、心にぽっかり空いた穴は
そうそう埋まってはくれない。
1人になるときつくなる。
1番きつかったのは
今まで毎日きてたメールが来なくなったこと。
うわあ、寂しい。
無駄に携帯を開く僕。
来るはずもないメールを開く。
当たり前だが、誰からもメールは来ていない。
ああ、寂しい。
気を紛らわすために映画を観る。
面白いんだけど
心からは楽しめない。
彼女の存在の大きさに気づく。
人は、失ってから気づく生き物である。
在るときは、気づかない。
在るのが当たり前だから。
みんなに言いたい。
今、君たちの周りや、隣に在るものは
当たり前じゃない。
大事にするんだ。
君を大事にしてくれている人を
大事にするんだ。
失ってからでは、遅い。
メールの着信音が鳴る。
即座に反応し、携帯を開く。
メルマガである。
はあ、とため息をつく。
振られて、1ヶ月が経った頃だろうか。
女友達が話しかけてきた。
「ろんげ、女の子紹介しようか?」
続く

ろんげ
①大学編
——————————————————————
君と別れて僕は石ころになって
蹴っ飛ばされて、転がって疲れた
出逢えた喜びはいつも一瞬なのに
どうして別れの悲しみは、永遠なの
僕と別れて君は仕事を辞めて
新幹線に乗って、郡山へ帰った
車窓から眺めた空は何色だっただろう
君のこころの色は、何色だったろう
ああ、二人の夢が
空に消えてゆく
ああ、二人の夢が
東京の空に消えてゆく
君はいつも僕の記憶の中で笑っているよ
銀杏BOYZ ”東京”
———————————————————————
3年半付き合った彼女に振られた僕は
心にぽっかり穴が空いてしまった感覚で
何もする気になれなかった。
口を開けば
「クソッ。」
「ちくしょう。」
「なんでだよ。」
の繰り返し。
今でも覚えているのだが
バイト中、ずっとこの言葉を繰り返しながら
作業していた。
はたから見ればとんだ変人奇人である。
別れたことは、しばらく実感がなかった。
ほんとに別れたんかな?
夢だったんじゃないか?
またメール来るんじゃないか?
とありもしない希望を抱いていた。
不思議なもんだ。
好きじゃなくなったはずなのに。
いざ振られたら悲しくて寂しくてしょうがない。
今考えると、依存していたのかなとも思う。
女性経験がその彼女しかいなかったし
自信がなかったのかもしれない。
———————————————————————
人を愛するということは、きっと
君が君以上に僕を愛してくれたこと
僕は僕以上に君を愛せていたのかな
僕は、そんな君以上に君を、愛せていたのかな
銀杏BOYZ ”東京”
———————————————————————
この曲は当時ずいぶん聴いていた。
刺さりまくっていた。
反省する。
自分のことしか考えてなかったな。
もっと彼女のこと考えてあげればよかった。
後悔の日々だった。
僕はあからさまに落ち込んでいた。
今でもそうなのだが
顔によく出る。
非常にわかりやすい男なのだ。
まあ、そんなところが可愛いのだが。
大学の友達たちは、みんな心配してくれた。
続く

ろんげ
16.高校生編(大学進学後)
彼女からだった。
やっと連絡が来た、と思った。
あんま好きじゃないくせに
連絡はちゃんと欲しいのか、僕は。
2人とも地元に帰ってて
成人式出てるのに
連絡がないって。
ちょっとだけ心配だったけど。
まあ、こんなこと前にもあったしな、って。
メールを開いてみた。
「もう別れたい。」
見た瞬間、飛び起きて走った。
誰もいない車庫に行き
電話をかけた。
「もしもし?」
びっくりするほど普通な彼女の声だった。
少し笑っている感じもした。
その感じだったことにもびっくりした。
泣いてるかと思ったのに。
電話で聞いたのは
・本気で言ってるのか
・覆ることはないのか
彼女は、普段と変わらぬ声で
本気で別れたいということと
覆ることはないということを
僕に教えてくれた。
受け入れられない。
あれ?あんま好きじゃないはずなんだけど。
なんでだろう。
自分の心がよくわからない。
別に別れてもいいじゃん。
でも心は嫌だと言う。
フラれた。
好きじゃないと思い始めてたけど
いざフラれると
悲しい。
寂しい。
120%安心しきってたから。
彼女は自分のことをこれからもずっと好きなんだろうと。
でも、そうじゃなかった。
実家のリビングに戻ると
親がイチゴを用意してくれていた。
イチゴを口に入れると
涙が溢れる。
親がびっくりする。
報告する。
笑われた。
こいつら、他人事だと思いやがって。
「お前もうあんま好きじゃないって言ってたがね。」
そうだよ。
でもやっぱどこかで好きだったんじゃない?
わかんないけど。
涙が出るのはそういうことじゃない?
--------------------------------------------
今夜は、どうにも
眠れそうにないよ
お前との、3年を
思い出すだろう
今夜の、晩御飯は
味がないよ
なんでか、なんでだかは
わかっているけど
RADWIMPS "泣きたい夜ってこんな感じ"
--------------------------------------------
初めての彼女との
3年半が終わった。
完

ろんげ
15.高校生編(大学進学後)
それから、遊んだっけかな?
さすがに何回かデートした気がする。
覚えていないけど。
で、思ったのがね
好きじゃないかもってこと。
女性として見れなくなってきてるかもってこと。
中身を好きになったよ。
そしたら外見も可愛く見えたよ。
好きだったよ。
でも長く付き合って
彼女から相棒に変わると
女性として見れないよ。
人間としては好きだけど
女性としては
20歳になった。
成人式だ。
そのために地元に帰った。
彼女も同じ地元に帰って成人式だ。
袴を着て
いろんな人と写真を撮って
イキって缶ビールを飲みながら
友達と商店街を練り歩き
いろんな人に写真撮ってください言われるんじゃねー??
って期待してたけど
全く声はかからんくて
普通に帰った。
彼女には会わなかった。
連絡もとっていなかった。
会場でも、見なかったと思う。
成人式の後はクラス会。
この話は中学生編で話したと思うので割愛する。
あ、これだけはもう一回言いたい。
いちごちゃんから写真撮ろう言われて2人で写真撮りました。
ご機嫌で帰る僕。
お酒も結構飲んでたので
お家で爆睡をかました。
気持ち悪い。
頭痛い。
二日酔い。
親父から迎え酒ってやつを教えてもらう。
不思議だね、あれ。
本当に楽になる。
最悪から普通に戻るだけで
こんな最高の気分になるなんて。
そんな最高な気分の時に
メールの着信音が鳴った。
続く

ろんげ
14.高校生編(大学進学後)
彼女からメールが届いた。
「私たちって付き合ってる意味ある?」
「全然会わないし」
「この前1個上の先輩にご飯に誘われたよ。」
「行かなかったけど、正直揺れちゃったよ。」
なんだって!?
ぶっちゃけ彼女は
120%僕のことが好きだと思っていた。
だから、このメールの内容は
僕の安心を打ち砕くには
充分過ぎた。
正直、彼女のことを好きという気持ちは少なくなっていたのだと思う。
かわいくないと思い始めていたし。
しかし、3年も付き合うと
好き以上の感覚というか
相棒的な存在の認識に変わっていた。
だから、気持ちが揺れたという言葉は
ショックだったし、焦った。
焦りと申し訳ない気持ち、この2つがあった。
かわいいとは思えない。
めっちゃ好きだとも言えない。
でも僕は
彼女に謝っていた。
失うことの怖さ?
からなのかもしれない。
もしくは、単純に申し訳ない気持ちからなのか。
好きじゃないけど、謝った。
「そういう思いをさせてごめん。」
「僕は好きだから、付き合っていたいよ。」
よく覚えていないけどそんなことを送った気がする。
好きじゃないのに。
いや、好きなんだよな。
難しいな、この感情を表現するのは。
好きが変化したこの感情。
「ありがとう。」
「あたしこそごめんね。」
「さっきご飯行きたいって思ったのは嘘だよ。」
「本気では思ってないよ。」
そんな返信がきた。
とりあえず繋ぎ止めれて一安心した僕だが
やっぱり思うのは
本当に僕はこの子を好きなのか?
っていうことだ。
続く

ろんげ
13.高校生編(大学進学後)
「あれ、なんか可愛くない。」
そう感じ始めたのは付き合ってから3年が過ぎた頃だったろうか。
元々タイプの子ではなかった。
しかし、面白いし、話してて楽しいので
好きになった。
中身を好きになったら外見まで可愛く見えてきて
全てが愛おしかった。
僕にとって世界で1番美しいものは
彼女の笑顔だった。
はずなのに。
彼女を可愛いと感じなくなった。
好きではある。
しかし可愛いと思わない。
好きではある。
でも触れる気になれない。
会っても触れ合いはない。
ご飯を食べるだけとか
どっか買い物へ行くだけとか
そんなデート。
いつしか、会う頻度も減っていた。
月に1回会うか、会わないか。
それでも全然平気だった。
僕は。
彼女は
平気ではなかった。
そんな僕の様子に不満を抱いていた。
しかし男は、気づかないものである。
のほほんと毎日を楽しく過ごしていた。
あの頃は、ゲームしたり
TSUTAYAで映画5本借りて一気に観たり
バイトしたり
YouTube観たりと
1人を楽しんでいた。
1人は楽しい。
1人で好きなことをするととても楽しい。
ウキウキわくわくリラックス。
彼女からメールが来た。
大学2年の冬だった。
続く

ろんげ
12.高校生編
いろんなデートをした。
バスで1時間かけて行ったショッピングモール。
電車で1時間かけて行った花火大会。
初詣は雪が降り積もる中、二人でお参りし
バレンタインはどでかい手作りのハート型チョコをもらい
祭りは二人でいるところを見られいろいろ言われたり
書ききれないくらい
いろいろ楽しんだ。
僕たちは、卒業までお付き合いが続いた。
高校卒業後
僕は東京の大学へ進学。
彼女は埼玉の大学へ進学した。
いわゆる『中距離恋愛』ってやつだ。
電車で1時間くらいの距離。
そんな距離は
僕らには関係なかった。
大学進学後もお付き合いは継続し
東京デートを楽しんだり
免許合宿に二人で行ったり
楽しい日々を過ごした。
付き合ってから3年が過ぎた頃
ふと思うことがあった。
「あれ、なんかかわいくない。」
続く

ろんげ
11.高校生編
初めての彼女。
初めて手を繋ぐ。
初めて肩と肩が触れる。
女子ってこんな柔らかいの?
何この匂い。
全てが新鮮で
全てが緊張して
全てが愛おしかった。
が、しかし
初めての彼女がもたらしたのは
いい事だけではなかった。
『嫉妬』
嫉妬のエネルギーは凄まじい。
恋と同じ、いやそれ以上じゃないか。
頭の中が、その感情で染まっていく。
あまりいい感覚ではないな。
僕は初めての彼女。
彼女は2人目の彼氏。
知ってはいたけど
いざ付き合うと、元彼がよぎる。
しかも厄介なことに、元彼は同じ高校にいる。
ああ、元彼を学校で見るたび、あの頃のことを思い出すのかなあ。
元彼と何をしたんだろう。
どんなデートをしたのだろう。
どんな話をしたのだろう。
どんなふうにしたんだろう。
いろいろ考えてしまう。
そんな自分が嫌だった。
だってかっこ悪いから。
でも考えてしまう。
考えて、落ち込んで、悲しくなる。
今、大人になった自分は17歳の自分にこう言うだろう。
可愛いいいいいいいねええええええええ。
嫉妬は、仕方がない。
だって経験が足りていないのだから。
経験をある程度積むことができたら
過去に対する嫉妬は、軽減されると思う。
ただ、17歳の僕は経験が無さすぎた。
たしか、正直に嫉妬してしまうことを彼女に伝えた気がする。
彼女は笑って
「中学の時に付き合ってたから何もしてないよ!」
と言ってくれた。
今考えると、本当かどうか、真偽は定かではないが
当時は心が救われた。
「ろんげと初めて付き合えばよかった。」
とも言ってくれた。
単純な僕はすごく喜んだ。
初めての嫉妬
今ではいい思い出である。
続く

ろんげ
⑩高校生編
大会後、僕はあの子を呼び出した。
屋上につながる階段だっけかな?
そこの踊り場で二人で話した。
僕も好き!
じゃあ、、、付き合う?笑
てな感じで彼女ができた。
人生初めての彼女。
ろんげ17歳。
今までいろいろありました。
いろんな女の子から好意を抱いていただいたのに突き放してきたこと。
3年間片想いしたこと。
クラスの女子全員を敵にまわしたこと。
女子との話し方を忘れ、仲良くできなかったこと。
そんな不器用な僕に
初めて彼女ができた。
しかも
全くタイプじゃない子。
この出来事は
学校に衝撃を与えた。
ええええええええええ⁉︎
ろんげに彼女ができた⁉︎
しかもあの可愛くない子⁉︎
どういうこと⁉︎
何が起きた⁉︎
あいつ心綺麗だなあ。
いやー!あの二人がカップルになって嬉しい!
やはり、僕があの子と付き合ったことは
意外だったらしい。
そりゃそうだ。
僕だもん。
ろんげだもん。
ろんげがあの子と付き合うなんて
ろんげ自身びっくりしてるよ。
でもね、仕方ない。
好きになっちゃったから。
僕にしかわからない可愛さがあの子にはある。
可愛かった。
誰に何と言われてもいい。
僕は彼女が好きだった。
続く

ろんげ
⑨高校生編
メールの着信音。
名前は、告白しようとしているあの子。
嬉しい!
なんだろう⁉︎
メールを開いてみる。
そこには、こう書いてあった。
知ってるかもだけど
前からろんげのことが好きでした!
大会前にごめんね!
!!!!!!!!
……心臓が飛び出るかと思った。
いや、僕のこと好きってのは
知ってたけど。
いやでもやっぱ確信はなかったから
言われるとびっくりするね。
いや、それよりも
先越されたあああああああああああ
やってくれたなこいつ!!!!!!!
という感情。
僕が言おうとしてたのに!
言うなや!
何考えてんだこいつ!
あーーーーー!もう
と言いつつも
ドキドキは止まらなかった。
時が止まった感覚がした。
時が止まったと同時に、心を刺されるような感覚。
しかし痛みはない。
むしろ、あったかい、黄色い感覚に包まれる感じ。
嬉しい。
しかし、返信どうしよう。
メールで付き合うとかは嫌だもんな。
僕はこう見えてロマンチストなので
電子世界で想いを伝え合うのはロマンに欠けると感じ
嫌な気がした。
付き合うなら直接会って、話して付き合いたい。
大会が終わったら話をしよう。
と返信した。
ありがとう!
ありがとうっておかしいけど笑
と返信が来た。
いやこいつ勝ち確信してんじゃねえか!!!
腹立つわ!!!
何だこいつ!!!!
と言いつつも
ニヤけていた僕がいた。
続く

ろんげ
これみんなが過去の作品読みやすいようにYouTubeの再生リストみたいなの作れないのか?
コレクトって自分しか見れない?

ろんげ
⑧高校生編
高校2年生のまだ残暑があった頃だろうか。
僕は、初めて告白というものをする決心がついた。
理由は一つ。
あの子が好きだから。
あの子は外見タイプじゃないのに良いのか?だって?
良いに決まってるだろ。
好きなんだもん。
中身が好きになると
外見までよく見える。
もはや僕には、あの子は可愛く見えていた。
こんな経験は初めてだった。
中身を好きになると
外見まで好きになる。
僕の母親は割と外見至上主義である。
昔からジャニーズが好きで
スマスマや嵐にしやがれ、年末のジャニーズカウントダウンなど欠かさず観ていた。
そんな母親は言う。
やっぱ顔が良い人がいいよね〜。
あんた結婚するなら可愛い子としなよ。
以前の僕なら即答で、そうする、と答えていただろう。
しかし
僕は変わったのだ。
いや、あの子が変えてくれたのだ。
「中身好きになりゃ、外見まで好きになる。それが本当に人を好きになるってことじゃないのか?」
我ながらかっこいいことを言ってのけたと思う。
僕は、バスケの秋の大会が終わったら
告白しようと決めた。
男なら、直接告白だな。
なぜならその方がかっこいいから。
言葉はどうしよう。
ストレートに、好きだよ、かなあ。
それとも今までのストーリーを話つつ、最後に付き合ってください、か。
うーん、どうしよう。
初めての告白に頭を抱えていた僕の
携帯電話が鳴った。
あの子からメールがきた。
続く

ろんげ
⑦高校生編
たまらずメールを送った。
頭よりも心に従って動いていた。
あの子と連絡が取りたい。
メールをして
馬鹿みたいな話をして
楽しく笑いたい。
早く、早くメールよ来い。
センター問い合わせ。
メール着信音が鳴る。
ドキドキした。
誰からだ⁉︎
あの子からだ。
そりゃそうだろ。笑
自分がメール送ったんだから。
でも
嬉しい。
ドキドキする。
返信する。
あれ?
返ってこない。
いつもならすぐ返信くるのに。
ああ。
あああああ。
あああああああああああ。
もどかしい。
大人になって気づいた。
奴はわざと返信を遅らせていたのかもしれない。
また見事に術中にハマっていた。
あああああああああああああああああああああ。
振り回される僕。
まあ、今考えると相手に振り回されていたんじゃなくて
自分で自分自身を振り回していたんだけど。
僕はタイプじゃない子を好きになっていた。
続く

ろんげ
⑥高校生編
それからたまにメールがきた。
僕から送ることはなかった。
だってタイプじゃなかったから。
メールがきたら返す。
それだけ。
ただ、メールを繰り返すごとに思ったのは
こいつはおもろいぞ、ということ。
メールの文章や話の内容が面白かった。
メールしながら笑ってしまうことが多々あった。
全然タイプじゃない女子
だけどメールはすごく楽しい。
次第に僕に変化が起きた。
その子のメールを楽しみにしていたのだ。
あれ、なんで僕はメールを待っているのだろう。
センター問い合わせを頻繁にしてしまう。
(今の子たちには通じないな。笑)
iモードだ。
(絶対通じない。)
この子は3日おきぐらいにメールを送ってきた。
それが1年ぐらい続いただろうか。
1年経ったら、急に3日以上連絡が来なくなった。
大人になってからわかったことがある。
心理学の恋愛テクニックで
毎週同じ曜日に電話やメールをしていたのに
急にそれがなくなると
あれ?何で来ないんだろ、あれー寂しいな。
となるらしい。
そこから相手のことが気になりだし
好きになっちゃう的なテクニック。
これはテレビで見た。
たしか世界仰天ニュースだった気がする。
アメリカのイケテナイ男性がイケてる女性にこの方法を使って結婚したという話だった気がする。
まんまと引っかかった。
見事に相手のことが気になっていたのだ。
あれ、なんでだろ、すごいあの子と連絡が取りたい。
あの子が何してるか気になる。
どうしよう。
たまらずメールを送った。
続く

ろんげ
⑤高校生編
ある噂を耳にした。
女バスのあの子がろんげのことかっこいいって言ってるらしいぞ。
誰々⁉︎
あの子だよ!
・・・・・・。
ああ。
僕は正直にいう。
面食いだ。
可愛い子が好きだし、綺麗な子が好き。
噂の子は
全くタイプではなかった。
お世辞にも可愛いとは言えない。
タイプじゃない子にかっこいいって言われたって何も嬉しくない。
これは女子からの好感度が著しく下がる言葉だと思うが
臆せず言う。
嬉しくなかった。
当時はね。
大人になった今は、かっこいいって言われたら
タイプじゃない人から言われても素直に嬉しいと思えるよ。
いやむしろ感謝。
ありがとうございますって感じ。
しかし当時はね、高校生だから。
ガキンチョだから。
高校男子なんて中学男子、いや小学男子と大して変わらんから。
ちなみに僕は周りから精神年齢小3と言われる。
可愛いでしょ?
そんな話はどうでもよくて
友達づてでその子にメールアドレスを教えることになった。
まじかよ
と正直思った。
が、同じバスケ部だし
メールぐらいいっか
という軽い気持ちで教えた。
さっそくその日にメールが来た。
絵文字を使った女子みたいな文章だ。
まあ女子だから当たり前か。
最初の印象は、なんか変わった子だなあと感じた。
いきなり
練習着かっこいいね!水色好きなの?
みたいなこと聞かれた。
別に好きじゃなかった。笑
親が買ってきた練習着のTシャツを着てただけだった。笑
どうやらこの子は水色が好きらしい。
そこからたわいもない話をして終了。
まあ、ちょっと変わった入りだったなあと思うだけで
普通だった。
続く

ろんげ
④高校生編
そんな感じでクラスに笑いを提供していたら
女子に無愛想で有名になってしまった僕に話しかけてくれる女子たちが現れた。
こいつらは変わっていた。
変な奴らだった。
女子への接し方が超絶下手くそな僕に諦めることなく絡んできてくれた。
次第に普通に話せるようになってきて
だんだん楽しくなってきた。
初めて女友達ができた。
失礼な話だが
こいつらは全くタイプじゃない。笑
それもあって仲良くなれたと思う。
今までの女子とは違い
男友達のように馬鹿みたいな話ができた。
こいつらのおかげでだんだん他の女子とも話せるようになってきた。
高校2年で、女友達ができ、女子恐怖症を乗り越えることができたのだ。
失礼なことを言ってきたが
この女友達には感謝している。
めちゃくちゃ感謝している。
いろんな思い出がある。
昼休みに一緒にグラウンドで弁当食ったり
教室で馬鹿みたいな話をしたり
あとは、、、
思い出せないけど確か楽しいことがたくさんあった。
とにかく、ここから女子に慣れることができたのだ。
そんなこんながありながらも
引き続き女子からメールアドレスは度々聞かれていた。
そのうちの一人が
僕の人生を大きく動かした。
続く

ろんげ
③高校生編
高校1年生は不遇の時代を過ごした。
女子との話し方を忘れた僕は
部活に集中した。
とにかくバスケがうまくなることに集中しよう
とバスケにのめり込んだ。
高校1年の冬、クラスの女子から告白された。
当時の僕は、部活に全精力を注ぎたかった為
お断りしてしまった。(あとタイプじゃなかった。)
その子は後々陸上部のスーパースターと付き合うことになるのだが。
それぐらいバスケにのめり込んだ。
高校2年生
ちょっと洒落っ気を覚えた。
眉毛を整えたり
ワックスの使い方が上手くなったり
学ランはサイズを気にしたり
(上はめっちゃ小さく、下はでっかくAスタイル)
シーブリーズ使って匂い気にしたり
リプトン飲んで大人ぶったり
だいぶ高校生らしくなってきた。
クラス替えがあった。
このクラス替えが、僕の運命を大きく変える。
2年5組
学校でも有名なヒステリックおばさん(英語教師)が担任のクラス。
この先生とやりあった。
いや、やりあったというか、一方的に僕が怒られてただけだけど
当時の僕は、先生にふざけながら反抗するというのにハマっていた。
喧嘩するとかではない。
僕はヘラヘラ笑いながら先生の言うことを聞かない。
そして先生は怒る。
僕はふざけながら口答えする。
みんなクスクス笑う。
っていう感じ。
楽しかった。笑
クラスのみんなが笑ってくれるのが嬉しかった。
昔から人を笑わせるのが好きだった。
この行動が
僕の高校生活に一筋の光を与えた。
続く

ろんげ
②高校生編
高校生活はパラダイスだった。
最初は。
クラスにも可愛い子はたくさんいた。
僕は嬉しくて仕方なかった。
可愛い子たちは僕に絡んできてくれた。
メールアドレスも交換しよっていろんな子から言われた。
勝った。
高校生活、勝ち申した。
勝ち戦ぞ。
おい!!ホラ貝を持ってこい!!!
漢、ろんげ、いざ参る!!
ピシッ
ん?
ピシピシピシ、、、
パリーーーーーーーーンッ
ほ、ホラ貝がああああああああ
僕のホラ貝があッ!!
中学の女子たちが兜を被り、鎧を着て騎馬で向かってくる
うわあああああああああああ
全然女子と話せない。
顔もあんまり見れない。
何を話して良いかわからない。
怖い。
緊張する。
僕は
女子との話し方を
忘れていた。
そして
女子恐怖症チックになっていた。
なんと、中学時代の
第一次男女戦争によって
こんな弊害が起きるとは
思ってもみなかった。
困った。
せっかく可愛い子たちが話しかけてきても
上手く話せないから
そっけないと思われてしまう。
今考えると大変もったいないことをしたと後悔の気持ちが押し寄せてくる。
あの子も、あの子も、あの子もみーんな可愛くてみんな話しかけてくれて、みんなメールアドレスを聞いてくれたのに。
あの子とあの子は僕に好意を抱いていたっていう話も入ってきてたのに。
全て、塵と化した。
僕の高校一年生は
野郎どもと馬鹿みたいなことをすることで
過ぎ去っていった。
続く

ろんげ
⑧次章プロローグ
学級会議が始まった。
女子が黒板の前で話し始めた。
「今回は私たちのせいでこんなことになってごめんなさい。とても悲しいです。」
今考えると、やっぱ女子の方が大人だなあと思う。
自分たちから謝るなんて、とても偉いじゃないか。
そんな偉い女子が涙ながら喋る中
腕組みして無粋な表情を浮かべながら話を聞く僕。
とんだクソガキである。
「ろんげ、ほんとごめんなさい。」
僕に謝ってきた。
さすがに僕自身に謝られたら無視するわけにもいない。
「いいですよ。」
いいですよ、じゃねーよ。笑
お前も謝れよ。笑
謝らなかった。
あくまでも許してやるのスタンス。
クソである。
「じゃあ前みたいに仲良くしてくれますか?」
涙ながらに語りかける女子。
それを聞いて僕は
「うーん。」(首を傾げながら。)
いや、うーん。じゃねえよ。笑
「そこはイエスだろ!!!笑」
たまらず周りの男子たちも笑いながら叫んだ。
まあ、そんな感じでしぶしぶ仲直りしたわけだが
この仲直りは形式上なだけで
僕は、その後もクラスの女子とは極力話をしなかった。
この第一次男女戦争は多くの犠牲を出した。
学校祭出場辞退。
文化祭の合唱コンクール敗退。
そして、最も被害が出たのは
紛れもない僕自身であった。
この時は気づいていなかったのだが
クラスの女子全員を敵に回したツケが
思いもよらないところで
しっぺ返しのように
僕の人生を狂わせていくのである。
プロローグ完

ろんげ
⑦次章プロローグ
その日から僕は全く女子と口を聞かなかった。
ほんと全く。
目も合わせない。
徹底した。
やるならとことんやる。
戦争とはそういうものだ。
中途半端にやったら意味がないのだ。
徹底的に相手を敵とみなし
徹底的に相手の存在を否定する。
それすなわち、無視。
まあ、女子も僕に対して何も口を聞かないから
無視ではないのだが。
僕VS女子全員
この戦いは、長く続いた。
そしてこの戦いのせいで
学校祭への出演は叶わぬ夢となったのである。
まだまだ話は続く。
学校祭の前に文化祭があった。
文化祭では、皆さんも経験があるだろう、合唱コンクールというものがある。
これは、俗に言う「男子ちゃんとやってえ!」がお決まりのイベント。
第一次男女戦争中のクラスにはうってつけの
火に油を注ぐイベントであった。
僕たちは、合唱コンクールの練習をボイコットした。
昼休み、各クラスが合唱コンクールの練習をするのだが
僕たち3年1組の男子は
練習に参加せず、グラウンドでサッカーや野球に興じていた。
この時僕は、学級を崩壊させてやろう、とまで考えていたレベルで
非常に危険な存在だった。笑
そんなこんなもあり
合唱コンクールは見事ボロボロで
最優秀賞は取れるわけもなく
クラスは崩壊しかけていた。
僕の思惑通りに。
このような経緯もあって
さすがの女子たちもやべえと思ったのか
学級会議という名の停戦協定会議を持ちかけてきた。
というか強制的に始まった。
続く

ろんげ
⑥次章プロローグ
あの事件から翌日
僕はいつも通り学校へ行った。
部活の朝練の習慣から
僕はかなり早く登校する癖がついていた。
だから部活を引退しても早く学校へ行っていた。
当然、一番乗りで教室に入る。
1人で机に座り、ボーッとしていた。
待っていれば当然クラスメイトが教室に入ってくる。
いつも通りみんな登校してきた。
いつも通り。
ん?
あれ?
いつも通り、、、じゃねえ。
教室を見る。
男子たちがいる。
女子がいねえ。
ん?
違和感を感じた。
女子が入ってくる。
カバンを置く。
教室から出ていく。
ん?
また違う女子が来た。
カバンを置く。
教室から出ていく。
んんん??
女子が
教室から出ていく。
はあん。
そうきたか。
僕はピンと来た。
これがあいつらのやり方か。
どうやらあいつらは僕がいる空間にいたくないようだ。
ここで普通のやつなら傷ついたり、びびったりしてもじもじウジウジしちゃうんだろう。
だがしかし、僕は違った。
やってやろうじゃねえの。
僕の中に眠っていた、闘争本能がおはようございますしてしまった。
部活を引退し、封印されたはずの、戦いの精神がギラギラと輝き始め
厨二病と相まって、戦闘モードに入ってしまった。
これが、後に語り継がれる
『第一次男女大戦争』の始まりだった。
続く。

ろんげ
④次章プロローグ
なんと!男子の1人が女子に加担して不思議の国のアリスに手を挙げていたのだッ!
そいつはクラスの中でも変わり者で(お前が言うな。)男子の中でも浮いている存在だった。
しかし、まさか不思議の国のアリスに手を挙げるなど想定外の事態を目の当たりにし
僕は頭の中で描いていた、爆笑間違いなしの千と千尋の神隠しの劇がガラガラと音を立てて崩壊していくのを感じた。
まさに、絶望。
やられた。
と思った。
盛り上がる女子。
意気消沈の男子。(1人を除いて)
あからさまにやる気がなくなった男子を尻目に
女子たちは着々と準備を始めた。
台本を作る者
配役を決める者
など役割分担をして
生き生きと活動している。
楽しそうだ。
僕たちとは違って。
数日後、配役を考えていた女子が僕のところへやってきた。
帰りの会の前だったと思う。
「ろんげ!帽子屋さんの役をやってくんない?」
あ?
何を言ってんだこいつは。
このやる気0の僕に向かって役を振ってくるとは良い度胸してんじゃねえか。
だいたい帽子屋さんってなんだ。
帽子売るんか。
何で僕が帽子売らなきゃいけねーんだ。
帽子売りたかねーわ。
つーか不思議の国のアリス知らねーわ。
どういう物語だ。
なんで帽子屋が物語に出てくんだ。
てかなんでよりによって帽子屋なんだ。
もっとあるだろ。
八百屋とか、大工とか。
ピンポイントすぎるだろ、帽子屋って。
専門店すぎるだろ。
服屋ならまだわかるよ。
なんで帽子専門なんだよ。
不思議の国のアリスの世界ではそんな帽子が重要なんか。
おしゃれさんしかいねーのか。
ま、そんなことは置いといて
やる気0なのに役振ってんじゃねえええええええ
という気持ちでいっぱいな僕。
「それ、セリフあんの?」
「あるよ。」
あるよじゃねーよ。
こっちはやる気ないのになんでセリフ覚えなきゃいけねーんだよ。
イラだった僕は、ふとあることが気になった。
あの手を挙げた男子は、何か役振られてんのか?
続く

ろんげ
③次章プロローグ
多数決。
文字通り、数が多い方で決定する採決方法。
うちのクラスは女子、男子ちょうど同じ人数いる。
普通に考えれば、半分半分になり
決まらずに議論は難航するだろうと僕は考えた。
しかし、何が何でも不思議の国のアリスは阻止せねばと考えていた。
なぜなら面白くないからだ。
笑いが取れない劇など
スープのないラーメンみたいなものだ。
いやそれ油そばじゃね?
まあ、そんなことはどうでもいい。
多数決が始まった。
千と千尋の神隠しがいい人〜?
男子が一斉に手を挙げる。
うんうん、これは予想通り。
人数を確認する女子。
次に、不思議の国のアリスがいい人〜?
女子が一斉に手を挙げる。
うんうん、これも予想通り。
人数を確認する女子。
次に発する言葉が、クラスに激震を与えることなど、僕には想像もつかなかった。
多数決の結果
不思議の国のアリスに決定しました〜!
ん?
何かの聞き間違いか?
多数決により
不思議の国のアリスに決定?
?
?
?
いやいや待て待てどういうことだ。
たしかに女子と男子の比率は5:5のはず。
しかし多数決の結果、不思議の国のアリス。
理解が追いつかなかった。
僕の頭はパニック状態。
いや、男子全員がパニック。
ん、いや待て?
1人パニックじゃない奴がいる。
不思議の国のアリスに手を挙げた男子が1人いた。
続く

ろんげ
②次章プロローグ
クラスの女子が黒板の前で提案した。
「今度の学校祭で、クラスで劇をやりませんか?」
いいねえ!やろやろ!
面白そうじゃん!
楽しそう!
何やるー!?
みんな乗り気な反応を見せた。
僕もその提案には賛成だった。
中学3年なら学校祭に出ないと。
今まで先輩たちの出し物を見てただけだったから
初めて学校祭で出し物ができることにワクワクしていた。
満場一致で、うちのクラスは劇をすることに決定した。
次に何の劇をするかという議題になった。
だいたいこういう時は男女に分かれて話し合いが行われる。
うちの学校は男女の仲がそこまで良くなかったので
自然な流れだった。
他の学校は男女の仲が良く、羨ましく思ってたけど
まあ真面目な中学だったからそこまで仲良くすることはなかった。
だって中3で男女カップルが夜歩いてるだけで地域の方から学校に苦情の電話が来るくらいだよ。
(意味わからん。)
さて、話し合いも終わり、何の劇がやりたいか
意見を出し合った。
男子『千と千尋の神隠し!!!』
男は面白いものがやりたい。
ウケるやつ、笑いが取れるやつをやりたい。
千と千尋の神隠しなら、カオナシとかカエルとか湯婆婆、釜爺、豚になった両親とかで絶対笑いが取れるはずだと男子たちは確信していた。
対する女子
『不思議の国のアリス!!』
へ?
不思議の国のアリス?
なんだそれは?
存在は知っているが
内容は知らない。
しかし直感でわかったのが
面白くないってこと。
笑いが起きない。
男子全員、なんだそれは、という空気を出した。
なんだそのセンスのない意見は。
意味がわからない。
笑いが起きない劇に何の意味があるんだ?
まあ、いい。
千と千尋の神隠しに決定すれば良い話だ。
多数決をすることになった。
続く

ろんげ
①次章プロローグ
思春期とは、複雑だ。
根っこはシンプルなのだが
その先、枝分かれしている部分が
ぐちゃぐちゃと絡まっている。
こうありたいという理想。
しかし現実は理想とはかけ離れ
そのギャップにやきもきする。
心と行動がちぐはぐなのである。
だから、大人になってわかる。
ああ、あん時は意味わかんねーことしてたなと。
なんであんなことしたんだろうと。
まあ、それも良い思い出、良い経験なのだが。
人には誰しも、黒歴史、闇の時代があると思うんだ。
僕は中学でいろいろこじらせていた。
女子に興味ない男=かっこいい
とか
気に入らねえ奴はどんどん関係を切る
の割に自分にじしんがなかったり
思春期真っ盛りだった。
中学3年
部活も引退して、僕のエネルギーを制御するものがなくなってしまい
このエネルギーをどこにぶつけようかモヤモヤしていたのかもしれない。
えらいとこにエネルギーを注いでしまった。
僕の中学では文化祭の他にもう一つ、学校祭というものがあった。
文化祭は地域の方も参加できるイベントだったが
この学校祭は完全に生徒だけの祭り。
生徒が楽しむイベントだった。
クラスで劇をやったり
何人かでバンドをやったり
ダンスを披露したり
好きなことをやる。
まあ、主に3年生が表に出ることが多い。
というかほぼ3年生が主役のイベントだ。
余談ではあるが、歴代男子バスケ部キャプテンは
この学校祭で何かしらに出るという伝統があった。
だいたいはバンドが多い。
この伝統を見事破ったのが
他でもない僕である。
目立ちたがり屋のくせに目立ちたくなかったのである。
思春期が故に。
ちなみに誘いはあった。
なんといちごちゃんからである。
いちごちゃんは吹奏楽部でパーカッション(簡単にいうと叩く系、太鼓とか?)を担当していたのでドラムができたらしい。
当時僕はORANGE RANGEが大好きだった。
そのORANGE RANGEをやってあげるからヴォーカルをやってほしいと頼まれた。
断った。笑
みんなの前で歌うなんて絶対嫌だった。
今大人になってバンドやってるのにね。笑
ある日突然女子の1人が、クラスで学校祭に出ようと黒板の前で提案した。
続く

ろんげ
14.中学生日記
そっからさらに自分の気持ちを抑え込んだ。
抑え込むというより、自己暗示に近い感じだ。
自分に言い聞かせた。
僕には好きな人はいない、僕には好きな人はいない。
それで平静を保っていた。
まあ、それからいちごちゃんとは何もなくて
月日は過ぎていき
卒業式の日を迎えた。
卒業式
花粉症で鼻ズルズルな僕は
保護者たちから泣いていると勘違いされ
良い子だね〜なんて話が出てたらしい。
いや、まったく、感動すらしていない。
飽き性な僕は、もう次の高校というステージに行きたくてしょうがなかった。
高校にはきっと、いちごちゃんより可愛い人がいるはず。
そしたらいちごちゃんを忘れられる。
みんなは第二ボタンあげた?
もしくはもらった?
僕はあげたよ。
好きでもない子に。
ずっと言い寄ってきたあの子に。
ずっと断り続けたあの子に。
いちごちゃんは
彼氏に第二ボタンもらってたよ。
好きな人に、好かれるって
奇跡だね。
完

ろんげ
13.中学生日記
部活も引退して、夏休みはほんとやることがない。
まあ、真面目なやつは高校受験の為に勉強したりするんだけど
僕は勉強なんてするつもりは全くなかった。
部活は引退したけど、部活に行き続けた。
とにかくバスケが好きだったから、バスケがうまくなりたくて部活行ってた。
あとは夏休み後にある体育祭の準備で学校に行っていた。
ちなみに僕は投票で青龍軍団長に選ばれたが
団長が嫌すぎて泣いて断った。(ダサすぎる。)
見事団長を逃れ、応援リーダーの太鼓役に就任した。
いちごちゃんは赤豹軍の応援リーダーになっていた。
体育祭の応援リーダーや団長は、特別な衣装を自作して着ることができる。
いちごちゃんはどんな可愛い格好をするんだろうと隠れてワクワクしていた。
でも、いちごちゃんは野球部のあいつの彼女なんだよなあ、という言葉が頭をよぎる。
おれはいちごちゃんのことは好きではない。
無理矢理自分の気持ちを抑えつける。
夏祭りの日がやってきた。
僕は祭が大好きだった。
必ず遊びに行く。
中3の夏
友達と街へ繰り出す。
屋台が並んでいる駅通りは
いつもと違ってすごくキラキラしていたし
活気があって好きだった。
友達とわたあめとかべっこう飴を買って駅通りを練り歩いた。
歩いていると、ふと裏通りに目がいった。
いちごちゃんがいた。
浴衣姿でしゃがんでいた。
焼きそばを食べていた。
彼氏と一緒に。
ああ、終わった。
いや、もう終わってたんだけど。
心の中ではどこか、受け入れてなかったみたい。
切なかった。
心がキュッとなった。
キュッ?
ギュッって感じか。
苦しい感じ。
嫌な感じ。
それを見た後、祭は楽しくなかった。
祭があまり好きじゃなくなった。
心がしぼんだ感じがした。
しょぼんとしながら歩いて帰った。
続く