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あまね
山月記 余韻
山道はひっそりと静まり返り、月光だけが冷たく照らしていた。劉遠は、その光に導かれるように進んでいた。李徴の名を聞いた時から、彼の物語は劉遠の心を捉えて離さなかった。詩人としての才能を持ちながら、内なる恐怖に飲まれ、獣となった男。劉遠自身も、その業に引き寄せられるようにして、この山に足を踏み入れたのだ。
ふと立ち止まると、夜の空気が肌に触れ、思いのほか冷たさを感じた。遠くで草の音が聞こえ、月の光がその小さな波を拾い上げる。その一瞬、彼は何かの気配を感じ取った。
ふと、目の前にひっそりとそびえ立つ岩陰に、ぼんやりとした影が浮かび上がった。それは、かつての李徴がこの山で虎として生き、そして消えていった痕跡のように感じられた。
岩に腰を下ろし、劉遠は静かに息を整えた。風の音に混じり、どこからともなく低く響くような気配が耳に届く。まるで、誰かが詩を口にしているかのようであった。
それは、李徴の声だろうか? いや、詩人の業がこの土地に残した残響に過ぎないのかもしれない。思索にふける劉遠の中に、ひとつの問いが浮かんでは消えていく。かつての李徴もまた、こうして月の下で一人佇み、自身の才を呪ったのだろうか。
その時、彼の脳裏に李徴の姿が鮮明に浮かんだ。獣となりながらも、その眼に残された哀愁。そして、詩を捨て、己を捨てた人間の末路を見た者として、劉遠は心の底から震えを感じた。
彼は、ひとり、口を開いた。
「……詩を紡ぐ者は、ただ孤独であるのみか……」
声は風に消え、返事はなかった。ただ、月の光が淡く山を照らしているだけだった。やがて、彼は立ち上がり、静かに山を下り始めた。


弥栄(いやさか)
その眩しさは信仰の対象となり
水のように春のように
君の瞳はどこかにいる
#詩を紡ぐ


弥栄(いやさか)
寂しさばかりが先に未来へ行くから
僕はさみしい訳ではなかった

seki
箕の中でぬくぬく
寒さをやり過ごす虫のように
僕は言葉に包まれながら
自分色の詩を紡ぐ
冬だって悪くない
雪だって悪くないさ
抱き締めた言葉は温かく
読み手の心に寄り添い
結晶のように煌めき
そして音も無く溶け落ちる
本望さ

はまっち
この世界の舞台で、
歳月は私たちに贈り物をもたらす。
優しさの刃で、心を包み込み、
癒しの盾で、痛みを和らげる。
しかし、私たちは気づかずに、
それら武器を振り回す。
無垢な心を傷つけ、
楽しみを切り裂く。
歳月は時の流れ。
私たちはその中で、
愛と喜びを育み、
悲しみと挫折を乗り越える。
だから、歳を重ねることは、
ただ歳を重ねるだけではない。
それは、私たちが持つ武器を、
自覚し、使いこなすこと。
歳は、私たちの物語の一部。
愛と希望の詩を紡ぐための、
大切な道具なのだ。🌟🎂
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seki
君だけは僕の敵じゃない
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まるで冴えない冷やかしの奴らに
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秘密の合い鍵を
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本当の言葉を投函しよう
今から
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あまね
ギター弾き語り、日本史、物語、(ドラゴンズ)そして息子が好きです。
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1931

はまっち
酒とゲームが大好き。
料理が美味しい😋
50代、健康管理に勤しんでます
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弥栄(いやさか)
犬猫動物を税金を使った殺処分なくなるように🐕🐈🦌男女年齢関係なく優しい交流出来たら良いな🐦⬛
#医療福祉 #独身 #動物
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