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食う寝るサンダース

食う寝るサンダース
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k(CV:五ェ門)
一袋は、規制期間中に開封して缶に移し替え、飲んでいたのを見ている。
「お茶は高いからね」
そう言いながら、何度もお湯を入れていた。
「無くなったらまた送るから」
そう心の中で呟きながら、大事そうにお茶を飲む母を眺めていた。
あれから数ヶ月経つ。
何で飲まなかったの。
「お茶は有難い」
土産で持ち帰ると、いつも喜んでいたじゃないか。
自分のための贅沢はせぬ人だった。
そのくせ、私には、いつも食べ物を持たせたり、送りつけてきた。
「私が必要であれば、自分で買いますから。養育されていた子ども時代ではないのだから」
そう言っても、聞き入れてはくれなかった。
「そのお金を、自分のために使ってください」
何度もそう言ったのに、聞いてはくれなかった。
健康には気を使う人だった。
それでも、世間の人が考えるようなグルメ、贅沢な食事には無縁な人だった。
贔屓目に見て、料理も得意だったと思う。
けれども、一人暮らしになり、自分のために調理することはほとんどなくなった様子だった。
「いつも、適当に済ませている」
そう言っていた。
生前、母が買い置いたお菓子で、未開封のものを今食べている。
そのまま捨てるには忍びないから。
この家にいる間に、食べてしまおうと思う。
正月、母はいつも雑煮を作る際、我々を横で手伝わせた。
これが我が家の雑煮だと。
何度も見てきたはずなのに、私自身がいい加減に聞き流していたからだ。
もはや再現は不可能だ。
「雑煮など、自分の好みのものをレシピで選んで作ればよい」
心の中でそのように思っていた。
今後何かを調理したとしても、それは単に、料理でしかない。カロリーと栄養素を摂取するためだけの。
母が飲まなかったお茶、持って帰ろうか。
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