茶道閑かな日本家屋の戸を開けると薄暗い中に、流し雛が飾られている。郷土のお顔をしたお雛様はここの雰囲気によく似合っていて、小川を2人仲良く流されていく様子が想像できて、くすっと笑ってしまう。中に入ると御所人形達の大小様々なミニチュア雛壇があって、賑やか。藤田美術館へ行きたいと密やかに思っていた心にまたも火が付く。今日は濃茶続き薄茶を誰が袖棚で、そして、濃茶付花月。両者、茶入れと棗の入替などの扱いがよく似ており、勉強になった。茶入れの方が位が上なので、棗の仮置きは建水のかたに置くこと。面白いおばあちゃまは二十年以上前に習ったことを可笑しく反芻しながら、今も映像として記憶に留めている。その時の会話などを最近の出来事の様に語り出したら、もう止まらない。古い時代の方がそれこそご鞭撻が似合う指導だったのだろう。今日の主菓子は西王母の桃の黄身餡。先生が点てて下さったきめ細かなお薄よりの濃茶が印象的で、私も薄茶のお客様に同じくきめ細やかにお出しすることができた。もうそんな若くもないけど、みんな褒め上手なので、点前座に座った私がお雛様の室礼によく似合うと褒めて下さった。恥ずかしくなると今日は嬉しかったで、全て忘れてしまうから、面白いおばあちゃまを見習って、でも脳内には止まらないから、ここに書き記すことにする。#茶道覚え書き