SD ジ・OHGが初期としてはめちゃくちゃ完成度高かったジ・O。HGでもそうだったけどSDではお値段800円と当時の標準ラインよりややお高め。高額ラインのはずなのに同時期の標準ラインのSDと大きさはほぼ変わらず。横幅や奥行など全体のボリュームは確かにあるけれど、本来の大型MSという感覚はないかなぁ。加えて元々のマッシブなデザインとこの頃のSDの腰から足首が直接生えているシステムが相性最悪。頭以外の全部が大きいジ・Oが脚を小さくすると途端にスライムみたいな貧弱ボディに。こいつは絶対脚造形した方がよかったと思う。色分けはかなり絶望的で、全身のスラスターは7割くらい塗装必須。デザイン上かなり小さくなっている部分も多いので手間がかかる。もちろん中の緑も必須。腰やバックパックなど大きい部分のみシールあり。赤も全てシールだが腕のパイプ部分はシールもなし。ただ可動は当時としてはそこそこで、腕の可動域がかなり広い。貧相な脚も接地はしっかりできるし、腰アーマーはフロントが左右繋がっているもののスイング可能、サイドまでスイングでき、隠し腕もHGと遜色ないくらい動かせる。頭も比較的しっかり上を向けるため、SD体型ながらポージングには一切困らない。ここは明確に優秀。ただそんな優秀さを殺しにかかっているのが付属品。1パーツ故に色分けどころかガッツリ肉抜きされたライフルと、ビーム刃一体成型のビームソードが「1本」…せっかくしっかり動くし隠し腕も完全再現しているのに、肝心の持たせる武器がない。これが500円ラインだったら仕方ないとも思えるのだが、高額枠としてはあまりに貧弱。せめてライフルを2パーツモナカにして肉抜きをなくすか、ビームソードをもう1本くらいは入れてほしかった。総合的に見ると…ディテールや可動など光るものもあるが、大型商品なのにあんまり大きくない、脚がないためSDとしても特にスタイルが悪い、塗装難易度がかなり高い、可動を活かせる武器が付いていないなど、高額ラインとしてはかなり不満の残る完成度。「バーニアの色分けを頑張る」or「武器をしっかり付属させる」のどちらかで満足度が上がったはず。あるいは500円商品なら十分な完成度だと思えただろうな。