『トゥルー・ロマンス』(1993年)★★★★★★☆獰猛な愛だけが、生き残る。兎にも角にも、筆舌に尽くし難い傑作。とある理由から、満点ならず。(後述)※ネタバレ注意鬼才、クエンティン・タランティーノが、ビデオ屋の店長から映画監督としてデビューする為に、3本の脚本を執筆。その内の1本が彼の監督デビュー作である名作『レザボア・ドッグス』。そしてレザボアを撮る為の資金繰りとして、あとの2本の脚本は売却された。その内の1本が本作、『トゥルー・ロマンス』。もう1本が、のちにオリバー・ストーン監督がメガホンをとる、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』である。この3作品は、クエンティンが名実共に脚光を浴びた当時、全世界が注目を注いだ。そんな中、本作の監督は『トップガン』のトニー・スコット監督の手に委ねられる。そして本作には、信じられないくらいのキャストが集結する。クリスチャン・スレーターパトリシア・アークエットデニス・ホッパークリストファー・ウォーケンゲイリー・オールドマンヴァル・キルマーブラッド・ピットサミュエル・L・ジャクソントム・サイズモアクリス・ペンジェームズ・ガンドルフィーニ見ての通り、とんでもないメンツである。特にブラッド・ピットは、どうしても主役のクラレンス役を演じたかったがオーディションに負け、それでも諦め切れない彼はフロイドという薬物中毒者役で出演、その時間は2分にも満たない。クラレンスは、衝撃的な恋に堕ちた。彼女の名はアラバマ。職業コールガール。クラレンスはアラバマを自由にする為、彼女のマネージャーを殺害。その場の去り際、彼らは手にしてはならない危険な荷物を持ち去ってしまう。やがて2人は、警官とFBIとマフィアの三者に追われる身となるが、それでも彼らの暴走は止まらない。獰猛に、けれど繊細に。2人は進む。※このあと超絶ネタバレ注意。そして本作を満点に出来ない唯一の理由が、『脚本改変』である。トニー・スコット監督がそれを判断し、クエンティンが激怒、脚本から降りる騒動にもなりかけたが、クリスチャン・スレーターが直談判し、渋々了承したらしい。それさえなければ、余裕の満点。傑作です。#映画 #小さな幸せ