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ミチフミ龍之介
#ランボー詩集 #中原中也訳
4. ジュギュルタ王(7)
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これぞこれ、汝(な)に顕れしアラビヤが祖国(くに)の精神(こころ)ぞ!))
千八百六十九年七月二日
シャルルヴィル公立中学通学生
ランボオ・ジャン・ニコラス・アルチュル


ミチフミ龍之介
#ランボー詩集 #中原中也訳
4. ジュギュルタ王(5)
恐らくは我敵方の、歩兵隊をも敗りたらむを……
此の時ボキュスが裏切りに遇ひ……思ひ返すも徒(あだ)なれど、
されば我、祖国(くに)も王位も棄て去りて、
羅馬に謀反をせしといふ、ことに甘んじてゐたりけり。
さても今復(また)フランスは、アラビヤの、都督を伐ちて誇れるも……
汝(なんぢ)、我が子よ、汝(いまし)もし、此の難関に処しも得ば、
汝(なれ)こそはげにそのかみの、我がため仇を報ずなれ。いざ戦へ!
去(い)にし日の、我等が勇気、今は汝(な)が、心に抱き進めかし、
汝(なれ)等が剣(つるぎ)振り翳せ! ジュギュルタをこそ胸に秘め、
居並ぶ敵を押返し!国の為なり血を流せ!
おお、アラビヤの獅子共も、此の戦ひに参ぜかし!
鋭き汝(なれ)等が牙をもて、敵の軍勢裂きもせよ!
栄あれ!神冥の加護汝(なれ)にあれ!
アラビヤの恥、雪(そそ)げかし!……))
かくて幻影消えゆけば、幼な子は、青龍刀の玩具(おもちゃ)もて、遊び興じてゐたりけり……
つづく…。

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