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やちお

やちお

明日は町の演劇大会
一曲歌う事になってますが全く練習してなくて
車の中で歌うだけで本番に挑みます
the First takeの気持ちで頑張ります🎙️
GRAVITY
GRAVITY65
k(CV:五ェ門)

k(CV:五ェ門)

吃驚した。

自分で脚本を書いた演劇大会の作品。
あらすじの記憶が抜け落ちていて思い出せない。

二回監督を務めた。
二回目の監督時は、カフカの「変身」をオマージュして本を書いた。
だから、ある程度内容を覚えている。
問題は、初監督時のものだ。
動物と人間を対比させた内容の話だったと記憶している。
私の本を読んだ寮長が、子どもたちに対して
「これは、おまえたち自身に投げかけられた話だよ」
と、作品意図を説いてくれた。
私が寮長に説明したわけでも、頼んだわけでもない。
それでも、寮長は、私の書いた話を理解してくれた。
そして、ふたりだけの時に、
「先生。本書くのうまいね」
と褒めてくれた。
無骨だが、文学好きな人だと思っていた。
その上司から認めてもらえたこと、とりわけ、私がどのような思いを込めて書いたのか、その意図を読み取ってもらえたことが嬉しかった。

あの本を書き上げた日のことだけは、断片的にだが記憶に残っている。
勢いで一気に書き上げた。数時間で。タイミング的にぎりぎりだったと思う。
ただ、自画自賛だが、自分でも読んで面白い話を書いたとは思う。
そう、読む限りにおいては。
けれども、読んで面白いものが、劇にして必ずしも面白くなるわけではない。
実際にその世界を表現するのは、子どもたちだ。
案の定、劇作りはすぐに難航した。
子どもたち自身、困惑したはずだ。
何故だ、何故面白くならないのかと。

眠っていた記憶が少しずつ蘇ってきた。
それでも、自分の過去の日記のように明確には思い出せない。
自分で書いた文章なのに。

そのことがショックだった。
自分で書いたはずのものですら、すっぽり抜け落ちる。
全部覚えていないのであれば、まだ良い。
部分部分、明確に覚えているのに、肝心の劇の内容をいざ思い浮かべようとしたら、何も出てこなかった。
まるで、フォルダの中からその部分の保存データだけが消されてしまったかのように。

単に昔のことだからではない。私はそれ以前の記憶もたくさん残っている。
私自身が覚えておかなくてもよいと無意識に判断したのかな。

過去への執着を捨て、遅まきながら未来志向に転じたら、こんなふうに思い出せなくなることが続出するかもしれない
それならそれで、私にとっては幸せなことなのかな。
学生時代に見た「世にも奇妙な物語」の「思い出を売る男」を思い出した。
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