樂直入展 茶陶の美暗い展示室に並ぶ茶陶は、遠くからは星のようで、近寄ると何かが生まれたあとの卵の殻のよう。何かはわからないけれど何か失くしてしまっていること/失くしつつあることを自覚している私は、殻みたいな不在や喪失の輪郭が「何かがあった」という存在を強くしているのだと思って、そしてその輪郭が何かを受け入れる余地になるとしたら、喪失を何度も確かめることになるなら、わたしの空っぽにも意味があるのだろうかということを考えていた。