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マサヤス龍之介

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岸辺🏝の100冊📖´- # 13

#読書の星


☆『「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』 磯田道史著
NHKBSで長く放映されている「英雄たちの選択」で番組MCを務めている。この人が有名になったキッカケは『武士の家計簿』の映画化からである。歴史家として名を馳せるこの御仁は1970年生まれ。慶応大学で博士号を取得するまで学び、現在は国際日本文化研究センター准教授だが、テレビで見せる顔は誠に理路整然と語り説明も小気味よい。又、茶目っ気もたっぷりで中々のエンタメ肌である。
この本もありふれた新書本だが、わざわざ二重カバーにしてご覧のような変ちくりんなポーズを決めているところが笑う😀だが、『英雄たちの選択』で個人的に好きな龍馬を取り上げた回では時代考証家の先生からも質問を投げ掛けられるところが凄いとなって私もすっかり心酔した。それで、グラビティを始めた時にグラネームをどうしようかと考えた時にこの本が目に止まり、ミチフミでいいや!となった次第である。
本書は日本人に愛された作家司馬遼太郎の小説から日本史を学び如何に司馬が小説を書く為に資料を蒐集し研究したかが書かれている。
 磯田はそもそも歴史小説を3つに分類して、史伝小説、歴史小説、時代小説としている。史実に近い方から三段階に言い分けているのだが、司馬の場合は専ら歴史小説であると。最も史伝小説に近いのが現在NHK地上波で日曜日の夜に再放送されている『坂の上の雲』であろうと説いている。その上で所謂、歴史小説から時代小説までの他の有名作家を序章で小気味よく紹介してくれる。司馬は信長は美しいものであれば男でも女でも何でも好んだ、と書いたと引用してから所謂、三英傑(信長、秀吉、家康)の女性の好みを説き信長は美しい女、秀吉は貴き女、そして家康は産む女を好んだと書いている。その心は…是非この本を読んで納得して頂きたい。そして司馬の特徴としては、歴史の脇役や敗者の方にスポットを当てる、と云う。言われてみれば国盗り物語の明智光秀、そして磯田が司馬小説でイチオシと言って憚らないのが花神である。日本陸軍産みの親、大村益次郎にスポットを当てた。大村益次郎は司馬が取り上げたから有名になったと言っても過言ではあるまい。そしてその代表格が坂本龍馬だったと云うわけだ。司馬を読む前でも読んだ後でも納得の一冊である。
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岸辺🏝の100冊 # 7-1

#読書の星 #音楽本


☆『「ヒットソング」の作りかた
大滝詠一と日本ポップスの開拓者たち』
/ 牧村憲一 NHK出版新書 2016 第一刷
新書本はインパクトのあるタイトルが売りである。正に売らなければならないからだ。従って、こうすれば売れる!とか或いは竿竹屋はなぜ潰れないのか?みたいな、皆んなが莫と思っていることを炙り出して、その答え教えます!と云う風なタイトルは読み手の好奇心を刺激するのだろう。
この本もメインタイトルだけだったならば、恐らく買ってはいまい。サブタイトルに"大滝詠一"が冠に付く本と云うのが大きかった。また、著者の牧村憲一氏については、それ以前にシンコーミュージックから出ていたシティポップ本で、写真付きで牧村氏のインタビューが載っていたので知ってはいたから、信頼出来たのだ。が、こういう時流に即したタイトルはいかがなものか?と思いながらも取り敢えず買ったのだが、実際に牧村氏が過去に製作したアルバムや大滝詠一を始めとする、今では評価の高いアーティストについて製作者側からの視点であの時代の音楽を描いた、貴重な記録となっていた。決してヒットソングの作り方を教えるイロハを教えてはいない。ただ、時代をこえて高評価されているアルバムやアーティストらの音楽制作がどういったことで生まれ、アーティストは何を考えていたのかは、この本から確かに伝わる。この種の本がアーティスト側からの発信は確かに多いが、アーティストと共に制作に携わった人の本や資料は究めて少ない。そういう意味ではこのタイトルが、見掛け倒しに終わっていないことだけは確かである。
牧村氏がアマチュアの立場で音楽業界に携わったのは1968年のことだった。その頃はまだフォークソングでさえメインストリームではなかったが、グループサウンズのブームにも陰りが差して新しい音楽が出来つつある時代の端境期でもあった。そんな時代に牧村氏が音楽業界に飛び込めたのはいいタイミングであった。なんと言っても、今でこそあのフォークソングブームの代表曲と言われている♬神田川 の制作にも牧村氏は深く関わっていたからだ。そういう意味では牧村氏はフォークからニューミュージックと言った時代の音楽を制作し支えてきた功労者なのである。

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こんばんは。
読書記録です。

暴力とポピュリズムのアメリカ史
-ミリシアがもたらす分断
中野博文 著
岩波新書

本書の最後のp194に
合衆国憲法で銃の所有を市民の権利として認めるアメリカには、自由を守るためなら、暴力の行使もいとわない気風が満ちている
とあります。
右派がトランプ氏の扇動による国会襲撃事件をやったように、左派もBLM運動の中で暴動をやっており、暴力が抗議手段として正当化されているのが、米国社会のユニークな特徴のようです。
こうした暴力肯定は、建国の理念である人民武装理念や圧政への抵抗権に根ざしているようです。
米国特有の、人民が武装する権利を有し、自衛と自由のために戦うという思想があるのは、開拓時代の名残りに加えて、建国前から州が独自の権限を持つ一種の国家のようなものであるという背景によるもののようです。
州兵のミリシア、民間団体のミリシアと、同じミリシアと呼ばれるものでも全然違うようにみえますが、根っこは合衆国憲法修正第2条の精神にあるということがわかりました。
#読書
#読書感想文
#アメリカ
#ミリシア
#ポピュリズム
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こんにちは。
読書しました。

独仏関係史
三度の戦争からEUの中核へ
川嶋周一 著
中公新書

本書は、第二次大戦後のフランスとドイツ(西ドイツ)の関係、主に政治的な関係を紐解くことで、国際社会の平和や秩序の維持というのものは、関係各国の不断の努力によるギリギリの綱渡りによって成り立っているということを展望した書物です。
表題の三度の戦争というのは、普仏戦争、第一次大戦、第二次大戦のことで、この時代の独仏関係というのは、先祖代々の宿敵でした。
それが第二次大戦後は冷戦という構図の中でフランスと西ドイツは和解に向かい、EUという秩序に埋め込まれることで、はじめて独仏関係は安定を得ることができました。
ドイツ人やフランス人の政治的な意識は決して一体感というものはなくて、お互いに過去を乗り越えるための努力、葛藤、両国間の微妙な政治的感情や英米との関係、ロシア問題など非常に複雑で多層的な国際政治の力学の上に成り立っていることが分かりました。
フランスとドイツの間では二国間の共同閣議というのもおこなわれており、動乱や戦争を回避して外国同士が協調するためには、ここまでやらなければならないのかというのも感じました。
平和のための不断の努力というのは日本にとっても学ぶことが大きいように思います。
#読書
#読書感想文
#戦後
#ヨーロッパ
#平和
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こんばんは。
今日は3ヶ月ぶりにヘアカットをして、さっぱりしました。

読書記録です。

フォン・ノイマンの哲学
人間のフリをした悪魔
高橋昌一郎 著
講談社現代新書

本書は主にフォン・ノイマンの伝記となっています。
ノイマンが子供の頃から数学の天才だったこと。
そのノイマンをもしのぐ同時代の天才たちも次々と登場するので、ノイマンとその時代の西洋の科学者列伝のような内容になっているので、とても面白く読めました。

本書のハイライトはp181~185です。
ノイマンではなく、昭和前期の日本の狂気についてです。
本書の副題の人間のフリをした悪魔というのは、ノイマンよりも昭和前期の日本に当てはまると思います。
日本人の精神の本質は、狂気と無責任体質であると考えるとあらゆることが説明できます。
今の日本人もその狂気を受け継いでいます。
最近流行りのカスハラや無人販売所における窃盗がその一例だと思います。
日本人の本性とはなにかについてまとめた本を出版する人がいれば面白いと思います。
#読書
#読書感想文
#ノイマン
#日本人論
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こんばんは。
読書しました。

古墳と埴輪
和田晴吾 著
岩波新書

本書の考察で最も興味深かったのは、著者が「天鳥船(あまのとりふね)信仰」と名付けた古墳時代の他界観です。
死者の魂は鳥に誘われた船に乗って天上の他界へと赴き、そこで安寧な暮らしを送るというものだそうです。
古墳表面に並べられた埴輪は他界を表現したものであるというのが著者の見解です。
前回読んだ『埴輪は語る』(若狭徹 著 ちくま新書)とはまた違った解釈がなされており、いろいろな可能性が開かれている古代史の解釈の奥深さを感じます。
#読書
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#古墳
#埴輪
#いろいろな解釈
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こんばんは。

論理的思考とは何か
渡邉雅子 著
岩波新書

本書では、アメリカ型の経済の論理、フランス型の政治の論理、イラン型の法技術の論理、日本型の社会の論理について比較分析されています。
随所で4つの論理について比較した表が載せられているのが、理解の助けとなります。
いわゆる論理的思考というのは、アメリカ型の経済の論理、効率と説得力を重視した論理をさすものだということがわかりました。
4つの論理を比較対象することで、日本人の思考法は、共感と調和を重視したものであることが分かりました。
日本の国語教育におけるテキスト読解は、登場人物の心情を読み取る物語の読解をさせることで、他者がどう感じるか、他者の期待とは何かということを理解し、その期待に応える行為とは何かということを考える訓練をしているのだそうです。
アメリカ型の効率重視、即行動で間違るリスクが高くなるより、日本型の状況をみながら決断をギリギリまで留保する慎重なやり方の方が、予測不可能性が高い現代社会を上手く生き抜いていける可能性があるのかもしれません。
#読書
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#論理
#読解
#思考表現
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こんばんは。
読書しました。

神なき時代の「終末論」
現代文明の深層にあるもの
佐伯啓思 著
PHP新書

本書のテーマは想像以上に難問です。
グローバル資本主義がいたるところで問題を引き起こしていること、それを乗り越えるには成長主義を修正しなくてはいけないこと、それを問題提起として、西欧、米国、ロシアの文明の根底には旧約聖書の世界観、世界は終末へ向かっているという世界観があることを考察しています。
一神教からくる、自分たちの理想をどこまでも追求するという理念があちらこちらでぶつかり合っているというのが、今の世界なのかもしれませんね。
世界中の皆さん、ほどほどで足るを知る、落としどころをどう見つけるか
それが世界政治のテーマといえそうです。
#読書
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#文明論
#国際問題
#歴史観
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こんばんは。
読書しました。

あいまいさに耐える
-ネガティブ・リテラシーのすすめ
佐藤卓己 著
岩波新書

本書のエッセンスは
短絡的で一時の感情による世論(せろん)
=popular sentiments
=大衆感情
に左右される政治=ファスト政治
から
熟議を経た輿論(よろん)
=public opinion
=公的意見
に基づく政治への成熟を目指しましょうということです。
そのためにはデモクラシーの基盤となる
クリティカルシンキング=吟味思考、耐性思考を身につけることが重要といいます。
あいまいな情報に耐える力、この情報は間違っているかもしれないというあいまいな状況で思考を停止せず、それに耐えて最善を尽くすことが真のメディア・リテラシーであるそうです。
そのためには
ネガティブケイパビリティ=性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力
を身につけましょうという主張になっています。
今の世論は、著者に言わせれば、情緒的参加に共感や美醜をめぐる私的感情に支配されているようです。
それにかわって
理性的討議による合意や真偽をめぐる公的関心=公論にもとづく輿論を醸成しましょうというのが本書を貫くテーマとなっています。
情報過剰社会にあって
白黒をはっきりしたくなる気持ちを抑えて、不用意にものを言わないことが、今の時代、大事であることがわかりました。
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夏鈴

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1月3日。


今日で休み終わり。
明日から普通に部活が始まる。

そして8日からは学校が始まる。



もぉやだよ。なんかこの休み期間
休めた気がしない。
逆に不安がいっぱい。
もう何もかもがしんどい。
どうしたらいいの?




明日部活が終わってから
デイケアに電話しようかな、、

話聞いて貰えるかな、、。

聞いてもらえることを願って
電話かけてみよ。






そしてこの本は冬休みの課題の
為だけに買った本。(新書)


本屋さんに見に行った時に
一番に目について気になったから
買っちゃった笑

まぁ本を読むことが苦手に
なったけど、ぼちぼちゆっくり
読んでいこうかな。





#起立性調節障害#うつ病andパニック障害 #FJK #1月3日#僕の日記
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こんばんは。
読書しました。

「時間」はなぜ存在するのか
最新科学から迫る宇宙・時空の謎
吉田伸夫 著
SB新書

本書では、私たちが感じる「時間」とはいったいなんなのか?また、「時間」が流れているように感じるのはなぜなのか?という難しいテーマを扱っていますが、物理学の理論をイメージしやすいように噛み砕いて説明してくれています。
エントロピーの増大というのは、エネルギーの偏りは均されていくという法則である。
生命が誕生したというのは、一見するとエントロピーの増大の法則に反するようにみえるが、
「滝のような激しい流れがあるときには、滝つぼで飛沫が舞い上がるように上昇する水が存在します」というように直感的にイメージしやすい説明がされているのが、面白いなと感じました。
恒星-惑星系というのは、高温と低温がきっかりと分かれたエントロピーの低い状態であり、そこではエントロピーの急増が起こるそうです。そのため、局所的にエントロピーの減少を許容する領域となるため、生命の誕生が可能になるそうです。
エントロピーの増大の法則というのは、後戻りができないので、そのために人間は時間を感じるのだそうです。
現実につくれなくとも、ワームホールやタイムマシンなどの論考をすることによって、既存の物理学の理論を根底から書き直す必要があるかどうか見極める研究というのも行われているそうで、理論物理学の奥深さも感じました。
#読書
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#宇宙
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