こんばんは。読書しました。沈黙の中世史-感情史から見るヨーロッパ後藤里菜 著ちくま新書「沈黙」をテーマに第一章では、聖ベネディクトの「師の戒律」、修道院における沈黙のすすめ、沈黙の精神、笑いの禁止、大声の禁止、謙遜のすすめ、夜の絶対沈黙について述べられています。神に全てを委ねる、いわば受動的な沈黙です。心の耳を澄ませ、沈黙して神の声を聴くことが美徳とされたのです。しかし美徳というだけでなく、ジェンダー的偏見で、あるいは身分によって沈黙させられた人々が、沈黙を破り、雄弁に語り始めた様子が第五章以降で述べられており、本書のみどころとなっています。第五章では、幻視体験をしたヒルデガルト・フォン・ビンゲンが、「神の器」となることを選び、第七章では、女性蔑視に対して、女性もまた神の被造物であると雄弁に語るクリスティーヌ・ド・ピザンが印象的でした。#読書 #読書感想文 #中世ヨーロッパ #祈り #歴史