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カナタ

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先日読み始めたSF短編集「なめらかな世界と、その敵」読み終えました。以下、簡単な感想です。ネタバレを含みますので、それが嫌な方はそっと閉じてください。

・なめらかな世界と、その敵

表題作で、「常覚」という架空の感覚(これを持つ人は多数の世界線を移動できる)をほぼ全ての人間が持つ世界で、「常覚障害」(世界線を移動できない、ただ一つの世界線を生きる人)となった友人との交流の物語です。これ、隠れたテーマとしては「障がい者にどう向き合うか」というものがあるんじゃないかなと思います。あとは恋愛ものとして見ても良いかもしれません。色々と考えさせられる作品でした。

・ゼロ年代の臨界点

日本におけるSF小説の「架空の」歴史を語る、という、何とも不思議な話です。あるいは「日本のSF小説界」という狭い世界をメタ的に批評するという意図があるのかもしれません。なのでこの話はちょっと内輪ネタ的な空気を感じて、あまり楽しめませんでした(読み方を間違えている可能性はあります)。

・美亜羽へ贈る拳銃

「インプラント」と呼ばれる「脳の改変」を行うことができる銃が存在する架空の世界で、とある事情でインプラントにより自分を愛するよう仕向けられた相手を自分は愛することができない、という話でした。あとは隠れたテーマとしては「肉体と精神は別なのか」というものがある気もします。ちょっとしたどんでん返しもあり、こちらも考えさせられる内容でした。恋愛ものとして読むのも良いですね。

・ホーリーアイアンメイデン

人を洗脳する能力を持つ姉に対して、姉に恨みを持ち姉への復讐の形で自死を選んだ妹から妹の死後に姉に宛てた手紙、という何とも不思議な作品。これは「ゼロ年代の臨界点」同様、何か読み方を間違えたのか、あまり楽しめませんでした。そういえば全然関係ないのですが、死後に送られてくる手紙の話としては夏目漱石の「こころ」を思い出しますね。

1000文字超えてしまったので、続きはコメントで。
GRAVITY3
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suzu

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水溶片栗粉投入瞬間常覚不、塊生成人(水溶き片栗粉を入れるタイミングがわからずいつもダマを作るんちゅ)
GRAVITY
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