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こんにちは。
読書しました。

独仏関係史
三度の戦争からEUの中核へ
川嶋周一 著
中公新書

本書は、第二次大戦後のフランスとドイツ(西ドイツ)の関係、主に政治的な関係を紐解くことで、国際社会の平和や秩序の維持というのものは、関係各国の不断の努力によるギリギリの綱渡りによって成り立っているということを展望した書物です。
表題の三度の戦争というのは、普仏戦争、第一次大戦、第二次大戦のことで、この時代の独仏関係というのは、先祖代々の宿敵でした。
それが第二次大戦後は冷戦という構図の中でフランスと西ドイツは和解に向かい、EUという秩序に埋め込まれることで、はじめて独仏関係は安定を得ることができました。
ドイツ人やフランス人の政治的な意識は決して一体感というものはなくて、お互いに過去を乗り越えるための努力、葛藤、両国間の微妙な政治的感情や英米との関係、ロシア問題など非常に複雑で多層的な国際政治の力学の上に成り立っていることが分かりました。
フランスとドイツの間では二国間の共同閣議というのもおこなわれており、動乱や戦争を回避して外国同士が協調するためには、ここまでやらなければならないのかというのも感じました。
平和のための不断の努力というのは日本にとっても学ぶことが大きいように思います。
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