入社初日から、施設2Fで「入社3ヶ月目のベトナム青年(愛嬌たっぷりでみんなに可愛がられてる)が帰省のお土産に持ってきたドリアンの臭いが冷蔵庫に染み付いちゃってめっちゃきつい」っていう話で持ちきりになってていきなり面白かった。人生で初めてドリアンを食べた。嗅覚障害レベルに鼻が悪いので臭いは気にならなかったが、口に含んで反射的に出た感想は「あー、好きではない[無表情]」のみだった。激マズでもないけど、不味いに極めて近い、決して美味しくはない不定形な物質だった。少し、有害ガスを誤って少量飲んだような、間違ってガソリンがちょっと付着してしまったパイナップルを潰して舐めたようなエフェクトが、口内に鈍く沈んだ。