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ともくりん

ともくりん

【終わりがわからないのが】
昔、同僚にすごい女性がいて
ネイティブでもないのにTOEIC980点
(商社の部長クラスで400点あたりと聞いた)
ここらで1番賢い大学卒

元財閥系の一流企業で
1000人いた営業職新卒で1人だけの女性
海外へも男性部下を従えて仕事をしていた。
頭はいいしスタイルいいし美人だし
並の男より相当に弁も立つ。
優しいし、完璧なのかと思っていた。

なぜそこを辞めたのか話してくれたことには
人員整理の対象にされたからだそうで
それまで懸命に働いてきたから
何かがプツンと切れてしまい

自分の時間が欲しい、と思い
派遣社員になり5時きっかりで華麗に
帰る人となったのらしい。

そんな彼女にも弱点があった。

メイクがまるで京劇の役者のように
舞台化粧さながら。

チーク塗りすぎで真っ赤
アイシャドウ入れすぎで真っ青
髪の毛は前髪パッツン。

「私ね、数学とかは答えが1つで明確だから得意なんだけど、化粧や絵を描くってどこまでやったら終わりなのかわからなくて苦手なの」

えっ。自分の納得するとこでいいんだよ?
「明確な終わりがわからないのよね」

、、、。
なるほど。

「あなた私の妹に似てるの。
妹も絵が上手くて雰囲気も似てるわ」

、、、。
なるほど。

なぜかものすごく気に入られて
仲良くしてくれたけど
人間は自分にないものを求めるのかも
知れない。




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