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マサヤス龍之介

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岸辺🏝️のコラム☕️ ♯ 1[新連載]

☆リボンの騎士 : 前川陽子 1967

丸々 1年間放映されたこのアニメ、主題歌はシンセサイザーをクラシック音楽に取り入れた現代作曲家冨田勲が手掛けた。歌の前半は…ぼくのみる夢は秘密だよ… と王子の視点からの歌詞。Bメロとも云うべき後半は一転、王女の視点からの歌詞だった。この発想は無論主人公サファイアが実は女性でありながら男性の心をも持ち合わせていることが背景に関わっている。正に現代のジェンダー社会を何十年も前に先取りしていたのだ。
原作者の手塚治虫は宝塚の女役 淡島千景が現役の時に珍しく男性役を演じた舞台を観て発想されてサファイアを描いたとされている。
主題歌、エンディング曲を作編曲した富田勲の曲力と編曲力にはクリエイターとしての自由で豊かな発想力が漲っている。管楽器の残響音を効果的に使う発想はお見事だった。
又、レコードVer.とテレビVer.とでも全く違う編曲を施すなどこの時代のアニソンの凝った曲作りも一聴に価する。
 歌手の前川陽子は♫キューティーハニー や♫魔女っ子メグちゃん などのヒットソングを独唱した。近年はジャズシンガーとしての活動が中心だがアニソンシンガーとしても揺るぎない地位を守っている、とwikiには書いてあるがそれも20年以上前のことだから、現在はどうしているのやら。お元気ならば良いが今年73歳。ヤングフレッシュ所属で伝説の「ひょっこりひょうたん島」のパンチの効いた歌声や「仮面の忍者 赤影」「悟空の大冒険」などのコーラスにも彼女の声を見いだすことができる。
初期のアニソンクリエイター宇野誠一郎や渡辺岳夫などにも大変気に入られ、アニソン女王の名声を欲しいままにした。
歌唱力の押出しの強さには定評があり中期の渡辺作品(キューティーハニーや魔女っ子メグちゃん)は新境地を開いて成功した例であった。この「リボンの騎士」でもAメロ部ではさゝやくようなピアニッシモで歌う、それでいて表現力と訴求力のある、歌詞がハッキリ伝わり易い。この時点では誰が歌っているのか分からないがBメロになって…♫赤いマントひらひら〜 と高らかに伸びやかな高音が響き渡り、初めてこれは前川さんだな、と得心を得るのである。その個性は彼女自身のオンリーワンなのである。
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