2006年に映画化ドラマ化されて流行った『嫌われ松子の一生』って小説、覚えてる人いるかな。自分の出所を待ってくれていて迎えに来てくれた松子の愛が怖くなって、わざとまた犯罪を犯して刑務所に入る松子の最後の恋人。中学校教師時代の、8歳下の元教え子だった。こういう女が上、男が下のカップルのとき、わざわざ「◯歳下」と強調されるのはだいたい8歳で。7歳より差がないのはあまり見たことがない。あと、9歳と中途半端なのも無い。10歳は見たことがあるが、数字が強調されてはいなかった。どんな犯罪をわざとしたかと言うと、松子の人生がめちゃめちゃになった元凶の校長先生を撃ち殺して捕まる。そのときのドラマ版の要潤が、本当にもうカッコよくて。原作者的にも、そこが山場だったように何となく感じる。だから、そこをしっかり拾って演技した要潤があんなに映えていたように思う。照明やヘアセットも最高だった。逆に松子のシーンで一番映えていたと思うのは映画版の方の中谷美紀の、スリップ姿でボロアパートの外に少し出るシーン。エンドロールで衣装協力にワコールが出ていて、あ、あれはたぶん私が好きなワコール内のブランドのスリップだろう、と思った。衣装さんが「このときの松子はこのスリップを着せよう」って、中谷美紀に合わせたりしてるとき、大事な場面だから感覚しっかり張り巡らしただろうなと。そのシーンを回顧する松子の友達が、「そのときの松子が、あんまりにも綺麗で…」と言う。シチュエーション的に、松子が幸せになっているシーンではない。原作者が描きたかった、憧れの女性像、なのだろう。