継承されるものキムタクで思い出した。かつて彼がフジテレビのめざましテレビで単独インタビューに答えた際、影響を受けた先輩俳優について既に故人となっていた緒形拳を揚げた。2006年というから、拳さんの最晩年に近い時期だ。木村は「武士の一分」で主演を任されたが、その時共演した緒形拳が演武のシーンを撮っていた際、カットかかかってから、「(木村)たのしいか?」と尋ねられたという。キムタクが咄嗟に緊張しながらも、はいと答えると、ただ無言であの拳さんの人たらしと言われる満面の笑みを浮かべてくれたそうだ。当時を振り返って木村は、あの笑顔でお前はそのままで充分いいんだぞと認められた気分になったと述懐した。緒形拳には、さまざまな後輩俳優が影響を受けたと感謝の弁を述べている。高橋克典がミュージシャンから初めてテレビドラマの世界に飛び込んだ時、共演した緒形拳に恋人を取られると思い掴みかかるファーストコンタクトがあった。しかし右も左もわからない高橋、どうすればいいかわからない。すると緒形、何を思ったが自分の芸名の由来ともなったあの大きな拳で殴りつけてきた。理由もわからず打擲された高橋は、そのまま本番に臨むこととなった。