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大福

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後半だよん

第一章 ブラックホールとは何か
 一般相対性理論に導かれて
 じつはまず、ホワイトホールではなくブラックホールを目指さなくてはならない。ホワイトホールのなんたるかを理解するには、ブラックホールが何なのかを明確に知る必要があるのだ。ブラックホールとは、いったい何なのか。
 最初に間違えたのは、アインシュタインだった。アルベルト・アインシュタインは十年にわたる「まさに死にものぐるいの」作業の末に一九一五年、自身のもっとも重要な理論の最終的な方程式を発表した。その理論は一般相対性理論と呼ばれ、今なお世界中のありとあらゆる大学で研究されている。
 その式が発表された数週間後、アインシュタインのもとに若き同業者から一通の手紙が届いた。当時ドイツ軍の中尉だったカール・シュワルツシルトは、その数か月後に東部戦線で命を落とすことになる。
 彼の手紙は、次のような美しい言葉で締めくくられていた。「あなたもご存じのように、絶え間なく砲撃が続いていますが、今のところこの戦いはわたしを優しく遇してくれています。と申しますのも、ほんの短い時間ではありますが、そういったすべてを逃れてあなたの着想の地に踏み入り、散歩を楽しむことができているからです……」
 
GRAVITY
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大福

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 シュワルツシルトが東部戦線の戦いの合間に、当時も今も猛威を振るう人間の愚かさゆえに無残に殺された(国境争いで命を落とすほど愚かなことがあるだろうか)ドイツやロシアの若者たちの亡骸(なきがら)に囲まれながら行ったアインシュタインの着想の地の逍遥(しょうよう)は、アインシュタインが発表したばかりの方程式の一つの厳密な解として実を結んだ。
 それらの方程式には、アインシュタインもかなりてこずらされた。問題の方程式が一連の論文を通じて発展していく様子からも、その苦闘が偲ばれる。どの論文にも、異なる式が記されていたのだ。しかも、すべて間違っていた。
 だがついに、一九一五年に正しい式が示された。そしてそれらの方程式を目にした物理学者たちは、時間と空間の性質に関する自分たちの考えを見直す必要がある、と納得した。それらの式が、山では平地よりも時計が速く進み、宇宙は膨張しており、空間には波が立つ、といったことを示していたのだ。これらは、今日わたしたちが宇宙を調べるのに用いている方程式であり、おそらく物理学全体のなかでもっとも美しいといえる式なのだ(拙著『すごい物理学入門』(河出書房新社)に唯一含まれている式でもある)。
 わたしたちはこの先の旅で、これらの方程式と親密な――それでいて不穏な――関係を持つことになる。これらの式が、ダンテの『神曲』に登場するヴェルギリウスのように、わたしたちの道案内となるのだ。なぜならそこには、今現在のわたしたちの空間、時間、重力を巡る最良の理解が要約されているから。これらの式は、わたしたちが物事を理解するためのツールであり、ブラックホールの縁へりで、さらにはその内部で何が起きるはずなのかを教えてくれる。そしてまた、ホワイトホールのなんたるかも。要するに、これらの奇妙な領域を進んでゆく道を指し示してくれるのだ。
 だがそれでいて、わたしがこれから語ろうとしている話の核心は、これらの方程式がもはや機能しない場所――これらの方程式を放棄しなければならなくなったその場所――でいったい何が起きるのかを、行って、見てくるところにある。それが、科学なのだ。
 
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ピーキ

ピーキ

あと相対性理論でよく語られるブラックホールについて、
密度が無限大って言うのは多分間違ってるんじゃないかと思うよ。
シュワルツシルト半径より小さくなった無限大になるのはおかしいだろ?
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どら

どら

どうやらブラックホールには大きく分けて、シュワルツシルト・ブラックホールとカー・ブラックホールがあるらしい
GRAVITY
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