『チャップリン自伝 ─若き日々 /─栄光の日々』上下巻でトータル900ページ、文庫本3冊分ぐらいのボリュームがあったけど、これが惹き込まれる内容でもう貪るように読んでしまった。チャップリンの生まれた1889年から、この自伝を書き終える1964年までの75年分の人生の総括で、少年時代の貧困からサーカス時代を経てハリウッドまで、そして喜劇王として世界の頂点に立つも政治の渦に巻き込まれての凄まじいバッシングと零落。やはり激動の時代なだけに話題は映画やセレブ界だけに留まらず、第一次、第二次世界大戦による翻弄や各国首脳との会談、チャーチルやルーズヴェルト、ヒトラーにアインシュタインからガンジーまでもがチャップリンの人生と関わりがあるので、一人物の自伝というよりも一つの時代や歴史のドキュメントを観終えたような読後感があった。これはチャップリンを知らない人にも一読の価値があると思う。