また、この日を乗り越えた。平成最後の年の8月16日、私は死にかけた。原因不明もしくは原因多数の多臓器不全。意識がなくなったり呼吸が止まったり輸血したり透析したり。記憶なくなったりせん妄がひどかったり。生きている意味あるのかなとぼんやりしつつ、見舞いに来る家族や友人、そして寝ないで看護や治療、お世話してくれる病院の方。その方々のために生きなきゃと思った。でも、自分の意思は薄く死なないように生きていた。今年は色々と変化を感じた。台風でも意気揚々と仕事に行き、食べて飲む。少し前までは安心安全にこだわりニュースに戦々兢々としていた。生きたいという情熱は薄い。ただあの痛みや絶望が嫌だった。なんだかわからない死なないように生きるという執着。今、思う。なんだかわからない執着。今日は起きた時怖かったけれど、家を出てしまったら色々忘れた。死はいつかは訪れるものだとわかってはいるけれど近い未来ではないとなんだかわからない確信。明日、何を食べようかずっと迷っている。人生の絶頂期は過ぎたけれど充分幸せだと感じる。