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初代ささみ後輩
今日1日で読破したけど
5章まではある程度予想通りの真犯人。
エピローグ読んだ瞬間にやられたー!!!ってなった。
設定は、地震で地下施設に閉じ込められて
脱出するには1人犠牲にしないといけない。
地下3階から水が流れ込んできてるから
脱出までの猶予は1週間。
そんな中で殺人が起こってもうめちゃくちゃ。
なんで?こんな状況なのに人殺しちゃうの?
え、2人目も!?殺し方が全然違うやん!
なんで?どうして??
早く犯人見つけてそいつを犠牲にして
脱出しないと!!!
って感じ。
おいおいまさかこいつが犯人じゃあるまいな?
いやいや、やめてくれ、こいつが犯人だとちょっとショックだよ…と感情移入して読んだら
見事!裏切られましたー!
これ読んだことある人、ぜひ感想を語り合いましょう。
#読書感想文 笑


アメジスト
今日、読んだ本です。
クラシック音楽の歴史
中川右介 著
角川ソフィア文庫
作曲家や曲などの紹介、雑学を99のテーマにして書いた本です。
一般的ななじみが薄くなる20世紀音楽についても言及されており、クラシック音楽について知る入門書としては、面白く書かれていていいと思います。
バロックから20世紀までのクラシック音楽の歴史を薄く広くざっくりとつかむにはいい本です。
#読書 #読書感想文 #クラシック音楽 #歴史


まゆし
誰かの死に対する後悔や思いに翻弄されて、残された人はどう歩み出すのか、そんな辛くも温かい短編集です
ちょっと人間関係が複雑だったり内容がハードめですが飽きずに読めました[穏やか]
短編集ですが、主人公が繋がっていて大筋が進んでいく感じです。
いつ何があるかわからないからこそ、後悔はなるべくないように生きたいそう思います
#読書感想文


アメジスト
読書記録です。
貴族とは何か
ノブレス・オブリージュの光と影
君塚直隆 著
新潮選書
著者は日本における英国史研究の第一人者で、特に第3章の英国貴族の歴史の記述は秀逸です。
英国貴族は王権と対峙してきたこと、税金を負担するかわりに統治権を手に入れたこと、貴族が重い課税負担を担っていたが故に、貴族による支配に一般市民が蜂起する市民革命が起こらなかったことが記述されています。
近代に入ってからは議会政治の担い手として、貴族制を保守するための改革を断行してきたこと、身を切る改革を断行して党派性に対しては超然とした態度をとってきたことで、21世紀に至るまで英国の貴族制は存続することが出来た、私利私欲に塗れる社会においてノブレス・オブリージュを担う階級を守ってきた、それが英国の強さである、ことなどが述べられています。
翻って日本では国家の選良である国会議員や富裕層は徳や公共精神を持ち合わせておらず、暗澹たる気持ちとなります。
本書の第4章第3項の結論部では、参議院を冷静な議論の府にするための改革の可能性について述べられており、国民の側も選挙における「義務投票制」を採用して国民としての責任をまっとうすることを要請することなどが述べられております。最後に、ひとりひとりの人間が、徳を重んじることの重要性を述べて結びとしています。
現代日本は、道徳を説くことが、最も無意味で愚かなおこないと疎まれ、冷笑される国でありますが、いにしえのギリシャ、ローマあるいは古代中華王朝などで徳を重んじて社会を主導した貴族たちがいた、「徳」の大切を説き続ける重要性を貴族の歴史が指し示しています。
#読書 #読書感想文 #貴族とは何か #徳と公共精神


アメジスト
読書記録です。
動乱の日本戦国史
桶狭間の戦いから関ヶ原の戦いまで
呉座勇一 著
朝日新書
新書らしい軽快なエンタテインメント性のある文章で面白く読めました。
戦国時代の主要な合戦をとりあげ、従来の通説がどのように形作られてきたか、作話の意図はなんだったのかを分析し、ここ30年ほどでどのように研究が進展したか、論点は何かと紹介されており、研究史の理解にも役に立ちます。
印象的に残ったのはまず、川中島の戦いにおける戦術家上杉謙信と戦略家武田信玄の対比です。戦いそのものは謙信側優勢で決着したものの、戦いが終わったあとが戦略家信玄の真骨頂の発揮で、実際に信州北部を勢力下に入れたのは甲相同盟を結び上杉方に対峙した信玄のほうだったというのはなるほどなと思いました。
桶狭間の迂回奇襲や長篠の三段撃ちというフィクションは信長神話を印象づけるために広まったものだということも納得しました。
ストーリーに酔って、歴史上の英雄を神話化することのワナにハマらないように気をつけないといけませんね。
本書の性格上、先行研究をわかりやすくまとめている章が多いですが、第7章については、「関東惣無事」は豊臣政権の武力介入を望む反北条連合をなだめるためのレトリックだという著者独自の見解は勉強になりました。
大阪の陣においては、家康は実は豊臣を滅ぼさずに臣従させることを目指していたというのは驚きました。
研究の進展によって新たな発見がうまれるというのは面白いです。
#読書
#読書感想文
#戦国時代
#合戦
#新説


アメジスト
読書をしました。
面白かったです。
植物に死はあるのか
生命の不思議をめぐる一週間
稲垣栄洋 著
SB新書
スラスラと読みやすく、植物の不思議な生態がよくわかりました。
プロローグで
いったい生命とは何なのだろう。
生きるとはいったいどういうことなのだろう。
それを考えた一週間だった。
と導入されているところから興味が惹かれました。
本書を読んで、生命が生きているということは本当に不思議なことなんだなと感じました。
植物というのも奥が深いです。
裸子植物と被子植物の違い、木と草の違いの本当の意味というのもはじめて知りました。
世代交代を早くする、確実にするために進化してきたんだなというのがわかりました。
エピローグで
与えられた命を生きて、与えられた死を受け入れるって素晴らしい
と締めくくられていたのはとても良かったです。
#読書
#読書感想文
#植物
#生命
#不思議


ゆ
上の下の怖さでした。怖い。久々にこのレベル帯の怖いのに会えました。
最近だと近畿地方の〜の次くらいに怖かったですね。カメラを通して見てはいけないものが映る怖さってやはりいつの時代でも変わらないのだなと思います。そしてそれを編集やなんかで観てしまった時の恐ろしさたるさ。それで呪いが伝播するなんて筆舌に尽くし難い。昔ありましたよね、アンビリバボーでとんでもない心霊現象流して全国のその手の本物の力持ってる方たちになんてもの流すんだ!って怒られたって話。それを思い出し読みました。文体も読みやすく、話も最後まで怖がらせにくるのでホラー小説好きな方はオススメです。#読書感想文 #読書 #感想文


アメジスト
イタリアの歴史の本を読みました。
イタリアの通史の概要を学ぶのにちょうどよかったです。
一冊でわかるイタリア史
北原敦 監修
河出書房新社
監修者はイタリアの歴史の中でも特に近現代史を専門としていることもあり、19世紀の統一以降の記述が詳しいです。
第一次大戦からファシスト、第二次大戦にかけてのグダグダした歴史がわかりやすくまとめてあり、勉強になります。
#読書
#読書感想文
#歴史
#イタリア


アメジスト
読書記録です。
宇宙にはなぜ、生命があるのか
宇宙論で読み解く「生命」の起源と存在
戸谷友則 著
ブルーバックス
天文学や宇宙物理学の研究に取り組んできた著者が、シニアになってたどり着いた究極の難題「生命の起源」について考察した本です。
第1章では、「わずかに不完全な自己複製」が生命の本質として、生命とはなにかということをエントロピーの法則などの物理学の立場から説明しています。
第2章においては、核酸のメカニズムを中心として、生命の現象を化学や物理の法則から説明しており、生命現象の基本について学べる章となっています。
第3章においては、地球生命の進化史を駆け足で解説しており、地球の環境の変化と生命の進化はお互いに影響を与えあって営まれてきたということが強調されています。
第4章では宇宙の成り立ちについて解説されています。著者の専門であることもあり、コンパクトながらも専門的に解説されています。鉄より重い元素の合成は、超新星爆発や連星中性子星の合体など、かぎられた天体現象のみで実現する極限的な環境で起こることが知ることができ、勉強になりました。
第5章では、原始生命体が生まれるプロセスについて考察し、有力な仮説であるRNAワールドについて検証しています。
第6章では、物理学や化学の法則に従って原子や分子は淡々と動いたり反応したりするだけという自然科学の理論にもとづいて原始生命体の発生確率を見積もり、それがとてつもなく低い確率だということを考察しています。
第7章では逆転の発想で、インフレーション理論にもとづいた宇宙は非常に広大であることで、確率の問題は解決できると考察しています。
生命の起源問題についての現在地について。最新の物理学、化学、生物学の知見を駆使しても、現在いえることは、結局は確率論的な話に落ち着くということです。
宇宙の歴史のどの段階かはわからないけど、最初はただの物質から生命体がうまれた。それがどうやってできたのかは、現代科学の最新の知見を持ってしても見当がつかない。それがまさに生命の神秘ですね。
現代科学の限界と生命の神秘を知ることができて有意義な本でした。
#読書
#読書感想文
#生命
#宇宙
#神秘的


アメジスト
コーヒーを飲みながら、読書を楽しんでます。
ドリップ式コーヒーは美味しいですね。
今日読んだ本はこちらです。
西洋占星術史 科学と魔術のあいだ
中山茂 著
講談社学術文庫
西洋の占星術の歴史を古代バビロニアから書き起こして全体像を描いている本です。
古代ギリシアからローマにかけての占星術の発展の歴史について特に詳しく書かれていて面白いです。
中世ヨーロッパにおいて一旦衰えた占星術の伝統は、12世紀ルネサンスによって、占星術をアラビア語から翻訳し、大学で占星医学を教え、スコラ哲学が栄えました。
そのあと15世紀のルネサンスによってプラトン主義とともに占星術も復興します。
その後、ニュートン以降の近代物理学によって占星術は科学から脱落しましたが、現代に至るまで占星術の歴史は続いていて、人々の心に根差す星への憧れや未来を見通したいという願望に支えられています。
占星術の歴史というのは科学の歴史の重要な領域を占めているというのがわかります。
#読書 #コーヒー #読書感想文



アメジスト
読書しています。
新書100冊
視野を広げる読書
高橋昌一郎 著
光文社新書
新書は専門家が最新の知見を踏まえた考察を一般向けに書いた本が多く、知的好奇心が刺激されるので、僕も好んで読みますが、僕もこの本で紹介されている本の大半は読んでないですね。
歴史、哲学、政治、社会問題から科学系まで幅広い分野の本を取り上げており、著者はかなりの読書家だなと思いました。
ブルーバックスなどの理系の本も面白そうなので、積極的に読んでみたくなりました。
ブックガイドとして参考になる一冊です。
ただ著者自身の著作を5冊もいれたのは、やりすぎかなとは思いますが。
#読書
#読書感想文
#新書
#教養


ミナト
母「走れメロス読んだ?」
俺「一応読んだ。書いとくわ」
一年後
母「読書感想文とかやったん?」
俺「走れメロス思い出して書いといた」
一年後
母「読書感想文やった?」
俺「走れメロス思い出して書いといた」
母「あんたやるな」
ってエピソードをたまに思い出して今だに話す。
#読書感想文
メロス

アメジスト
読書記録です。
謎の平安前期
-桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年
榎村寛之 著
中公新書
専門的な内容を含んでいますが、9~10世紀の歴史の流れをつかめる好著です。
奈良時代に確立した、全国の土地を国有として、生産者に配って税収を上げる支配体制は、9世紀以降、国府が支配する国衙領と呼ばれる地域に限られる支配体制に変わっていった。
それ以外の地域は、地元の有力者が開拓した土地を大貴族や寺社に寄進した荘園となり、税を払わないという二重構造に変わっていく。
しかし彼ら荘園領主層もまた、大貴族や寺院に収入の一部を上納し、献物をして地位や名誉を得て、京で官位を得ていたことから、その収益も京へ回収されていった。
その意味で京と地方を結ぶ回路はより多様になり、物や人の動きはより活発になった。
新田の開発によって資産を増やした領主は、その資産を活用するために京に送る。
そして、物流の求心性が高まったことで、その核である京の消費文化が盛んになり、奈良時代より贅沢な王朝文化が花開いた。
8世紀には男性に伍して国家を支えていた女官たちのシステムはしだいに解体
↓
10世紀後半には、天皇と摂関家のお后候補として育てられた姫との結婚は、その実家になる摂関家有力者の争いとなる
かつてなら女官を目指せたような能力の高い女性たちは、女御や斎王の女房となる
↓
王朝時代の女性文学が華やかに発展したのは、女性が活躍できる場が少なくなり、サロンに集められて、本名もわからない活動をするようになったからである
#読書
#読書感想文
#歴史
#平安時代
#王朝文化


アメジスト
読書記録です。
フランス革命についての省察
エドマンド・バーク 著
二木麻里 訳
光文社古典新訳文庫
訳が秀逸で素晴らしい1冊です。
13の章に章立てされており、更に本文内に小見出しが添えてあり、とても読みやすくなっています。
凝った修辞が多い文章の特性をいかしつつ、現代日本語の読者に普通に読めるような文章になっているのは、訳者の力量の素晴らしさを感じます。
p188より抜粋
わたしたちは神を畏れます。畏敬をもって国王を見上げます。愛情をもって議会を見上げ、礼をもって為政者を見上げ、崇敬をもって聖職者を見上げ、尊重をもって貴族を見上げます。なぜでしょうか。それは、こうした観念が心に浮かぶときは、そんなふうに感じられるのが自然だからです。
バークのいう自然は、キリスト教の世界観に根ざしたものです。
なぜそれをたいせつにするかというと、先入観=prejudiceだからであると述べています。
このprejudiceはバーク思想の重要な鍵概念で、予めの判断という意味です。
先人の経験から受け継いだ知識や常識にもとづけば、未知の事象にも予めの判断力が働くという意味です。
時を経て磨かれてきた価値を尊重するというイギリス経験論の系譜にあるということがわかります。
経験の叡智を消滅させ、抽象的な啓蒙理念をもとに社会を再構築させるフランス革命のやりかたは、社会の転覆にとどまらず、道徳の転覆ももたらしてしまった。
これが近代の始まりだとすれば、近代というのは自然に反することをやり始めた時代だといえるのかもしれません。
近代化によって失われてしまったかもしれない、歴史や過去や、いま眼前にないなにものかの遠さのなかに真実をみようとする思想をもつこともたいせつなことなのかもしれないなと思いました。
#読書
#読書感想文
#バーク
#哲学
#思想


アメジスト
読書記録です。
西洋中世奇譚集成
妖精メリュジーヌ物語
クードレット
松村剛 訳
講談社学術文庫
本書は、クードレット作「メリュジーヌ物語」と、メリュジーヌ伝説に関する近年の関心の端緒になったジャック・ルゴフとエマニュエル・ルロワ=ラデュリの論考「母と開拓者としてのメリュジーヌ」の全訳からなっています。
「メリュジーヌ物語」はいわゆる異類婚姻譚で、中世ヨーロッパの不思議な魅力が詰まっています。
次々と展開が進んでいく物語なので、飽きずに読むことができます。
まえがきで簡単にストーリーを予習できるようになっており、ストーリーもおとぎ話のように楽しめる内容になっています。
後半では民俗学的見地から、中世と近世それぞれで「メリュジーヌ」伝説がどのように受け取られてきたのかを論考しています。
もともとはクードレットは、パルトネ領主ギヨーム・ラルシュヴェックのためにこの作品を書いたもので、中世においてはメリュジーヌは一族のルーツ、多産と子孫繁栄の象徴としてとらえられていました。
それが時代がくだると、村の年寄りが語り継ぐ伝説となり、メリュジーヌのイメージも農業繁栄へ変遷していったという考察が面白かったです。
#読書
#読書感想文
#中世ヨーロッパ
#メリュジーヌ


アメジスト
こんばんは。
お盆明け、今日の仕事は順調でした。
休みの日に本をもう1冊読んでいたので、読書感想文を書きます。
ごまかさないクラシック音楽
岡田暁生
片山杜秀 著
新潮選書
帯には入門書とありますが、博識のお二方が様々な観点から話を進めて、二人のホンネが語られるので刺激的な対談となっています。
ベートーヴェンの音楽はみんなで頑張ろう、頑張ったぶんだけ明日は今日より良くなるという精神をうたったものだからこそ、コロナ禍でよく演奏されたというのが理解できます。
人類が滅亡する世界で奏でられるのに相応しいのはバッハの音楽だという話も面白いと思います。バッハは神の秩序を自分の音楽で表現しようとしていた、神の秩序を一人で引き受けたという意味でまさに「音楽の父」といえます。
作曲家のバックボーンについて語られているので、知的好奇心を刺激する面白い内容となっています。
#おつかれGRAVITY
#読書
#読書感想文
#クラシック


アメジスト
読書記録です。
矢部貞治
知識人と政治
井上寿一 著
中公選書
本書は先行研究や「矢部日記」をなぞるかたちで、矢部貞治(やべていじ、1902~67)の評伝を綴った本です。
矢部は戦前は東京帝国大学教授(政治学講座)を務め、近衛文麿の昭和研究会に参加したり、海軍のブレーンとして活動しました。戦後は在野の知識人として、あるいは拓殖大学総長を務めたりしながら、政治評論家としてあるいは憲法調査会などの審議会のメンバーとして活動しました。
戦前の統帥権問題や戦後の憲法改正問題、あるいは二大政党制のありかたについての矢部の提言は、現代を生きる私たちも傾聴に値いするものがあります。
デモクラシーの発展のため、国民の下からの政治運動をおこなう、これが矢部の考える知識人としての使命であり、生涯をかけて政治にコミットした動機というのが露わになったのが本書の意義であるように思います。
#読書 #読書感想文 #矢部貞治

新着

ダー
#読書感想文
過去と現在が際限なくシンクロするストーリー展開が実に人間味があって、人ってこうゆう風に積み重ねて整理していって、昇華していくんだよな〜ってしみじみ思った。
「好きじゃない訳じゃない」って気持ちを否定しない所が良いと思った。
どんなに上手くいっていても、分かり合えなくて相容れない事ってあって、一緒にいても1人を好む感じ、凄く共感できた。


アメジスト
読書しました。
古墳と埴輪
和田晴吾 著
岩波新書
本書の考察で最も興味深かったのは、著者が「天鳥船(あまのとりふね)信仰」と名付けた古墳時代の他界観です。
死者の魂は鳥に誘われた船に乗って天上の他界へと赴き、そこで安寧な暮らしを送るというものだそうです。
古墳表面に並べられた埴輪は他界を表現したものであるというのが著者の見解です。
前回読んだ『埴輪は語る』(若狭徹 著 ちくま新書)とはまた違った解釈がなされており、いろいろな可能性が開かれている古代史の解釈の奥深さを感じます。
#読書
#読書感想文
#古墳
#埴輪
#いろいろな解釈


アメジスト
承認ありがとうこざいます。
読書記録です。
埴輪は語る
若狭徹 著
ちくま新書
『日本書紀』には、殉死の風習を嘆いた乗仁天皇が、野見宿禰の意見を取り入れて出雲の土部(はじべ)に埴輪を作らせて古墳に置き、人の死に替わらせたする伝説が載っています。
しかしながら本書のp98の解説によると、考古学的には人物埴輪の登場が埴輪の中で最も遅いため、この説は否定的に捉えられており、ホッとしました。
この伝説は、古墳づくりや倭王の喪葬に関わった土師氏の祖先伝承として後付けされたものと考えられているそうです。
埴輪は、古墳の一画に据え置かれた展示物でした。
なかでも人物埴輪は、群像として配置されており、何らかのストーリーが込められていたと考えられます。
それを筆者は、古墳の主である「王」の治世のようすを、「絵巻物のように」ビジュアル化したものだとする説を唱えています。
第1章や第3章で、保渡田八幡塚古墳の埴輪を例に、人物埴輪は、王の祭祀、王の狩猟、王の武威、王の経済力を示したものであると考察されています。
著者は、古墳時代の王は、司祭者であり、武人であり、経済人であったので、王の多様な権能を表すために、様々な群像を配置したと解釈されています。
自然環境の変動は「神の仕業」と信じられていた古代において、地域の王は、民のために神を祀って環境を安定させ、悪神が里に災いをもたらさないように務める使命を帯びていました。
また、農地の実りを保証し、遠来の物資を確保し、最新技術を移入して地域を富ませなければならない宿命を負っていました。
埴輪群像は、この世を去った被葬者のそうした生前の事績を示し、それをみる共同体の人々に認知させるための仕掛けだったというのが、著者の結論となっています。
#読書
#読書感想文
#歴史
#古墳時代
#埴輪


アメジスト
読書しました。
日本列島はすごい
水・森林・黄金を生んだ大地
伊藤孝 著
中公新書
地学的、地理学的な観点から日本列島の成り立ちについて解説されている内容となっています。
自然の恵みの豊かさも天災の恐ろしさもすごいのが日本列島なんだということがよく分かりました。
日本では「山々の木は、伐採したあとすぐ植えれば、30年で元に戻る」と言われていますが、世界的に見れば決して当たり前のことではないそうです。
日本列島では「降雨量の多さ、黄砂による地力の回復、土壌の若さ」などのおかげで、樹木の再生が早いそうです。
また、「他の地域では多くの土地の森林を荒廃させる原因となった、草や若芽を食べてしまうヤギやヒツジがいなかったこと」も日本列島がはげ山にならなかった理由の一つだそうです。
大陸の東、大洋の西の中緯度、大陸からの距離はさほど遠くなく、間氷期には大陸と列島の間を暖流が横切るという環境が豊富な天水をもたらしているということが第4章で解説されています。
また、日本列島には火山が多いです。
なぜ火山が多いのか。
地下100kmにおいて、水がない状態では1500°Cくらいにならないと岩石は溶け始めないが、水があるとそれよりも500°Cも低い条件で岩石が溶け、マグマを作りはじめるそうです。
日本列島はプレートの沈み込み帯であり、プレートの沈み込み帯というのは、プレートとともに水も沈み込むため、この水がマグマをつくる原料となり、日本列島は火山列島となっているそうです。第3章で解説されています。
この火山の噴出物が土壌のもとになっているため、日本列島は土壌が若いのだそうです。
お隣の朝鮮半島はなぜはげ山になってしまったのか。森林が回復する日本列島とは何が違うのか。
その分かれ目は、地球科学的な変動帯に属しているか否かだそうです。
朝鮮半島はすでに先カンブリア時代に安定化した大陸で、安定大陸では岩石が風化され土壌が形成されたあと、それはなかなか更新されません。
日本列島は新しい変動帯で、火山噴火、断層運動、地すべりなどで、風化していない岩石が地表に現れ、その岩石の風化によって新たにミネラルが供給されることで、森林の回復を促すそうです。
#読書
#読書感想文
#地学
#地理学
#日本列島


アメジスト
読書記録です。
近代ヨーロッパの覇権
福井憲彦 著
講談社学術文庫
印象が一番残ったのはp288~291の19世紀におけるナショナリズムと排外主義ですね。
昨今のヨーロッパにおける極右の台頭について関連することですが、ナショナリズムの二面性、自民族の特徴や固有性を強調すること、外部に明確な敵性国家ないし敵国民を設定することはコインの裏表、表裏一体なのだと思います。
それはナショナリズムが内外の境界を明確に引くことにおいて成り立つものだからです。
歴史的な脈絡では19世紀の末になると、工業化が進行するなかで多極化しつつあった経済覇権をめぐる抗争、激化した植民地獲得競走や勢力圏争い、こうした状況において、国家の威信とか権威といった観点が重みを増してきました。
特に1880年代から90年代というのは世界の景況が芳しくない時期にあたり、国民国家における異分子、外国からの出稼ぎ労働者や移民、ユダヤ人などがスケープゴートにされました。
ネイションとして内部をまとめるためには、外部に敵を設定することが好都合だからです。
昨今の極右の台頭も19世紀的な国民国家体制に依然として固執していることを示しています。
地球規模の課題に対して、一国主義的な国益優先思考を打破できるかどうかが、希望ある未来へ進める分岐点となるのかもしれません。
#読書
#読書感想文
#ヨーロッパ
#歴史
#社会問題


アメジスト
読書記録です。
埴輪
古代の証言者たち
若狭徹 著
角川ソフィア文庫
文庫判ながらカラー図版が160点も掲載されており、様々な種類の埴輪の写真が楽しめます。
埴輪の笑いは「喜び」ではなく、魔を退ける「あざ笑い」と考えられているそうです。
ゆるキャラ的な笑いではなかったんですね。
埴輪といえばp176、177、178に載っている武装男子ですが、ただの兵士ではなく、王権から賜与された甲冑をまとった首長の姿だそうです。
p27、28では埴輪のルーツは、呪的な祭器であった特殊器台であることが解説されており、勉強になります。
ミロのヴィーナスや秦の始皇帝陵の兵馬俑などと比べると埴輪の造形はずいぶんと緩いですが、納期に間に合うことを優先したのか、緩い造形が古墳時代の精神性ということなのか。
古墳時代についてもっと知りたくなりました。
#読書
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#古代
#埴輪
#古墳


アメジスト
昼間はボーリングをしました🎳
2ゲームやりました。
1ゲーム目はスペアを2つとってスコア95でした。
2ゲーム目はストライク2つとスペアを1つとってスコア110でした。
ストライクがとれると嬉しいですね。
読書記録です。
女たちの平安後期
-紫式部から源平までの200年
榎村寛之 著
中公新書
百人一首には中盤から後半にかけて女流歌人が多数載っていて、摂関政治の時代の著名な女房である紫式部や清少納言から院政期の女院に仕えた待賢門院堀河、皇嘉門院別当、殷富門院大輔などがいます。
皇后・中宮・女御や女院のサロンがなぜここまで栄えることができたのか。
10世紀の伊勢斎宮・賀茂斎院を務めた女性たちのサロンは、神に仕える女性の宮殿という、世俗が立ち入りにくい空間でした。
そういうアジール的な伝統を受け継いでいることに加えて、女院には荘園領主としての経済基盤があるということが大きな要因であることが分かりました。
八条院というスーパーお姫様は、巨大な荘園領主で大富豪であり、女院という高い権威を持ちつつも、表の政治に対する関わり方は消極的だったからこそ、アジール扱いされてサロン文化の絶頂期を謳歌できたのかなと感じました。
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アメジスト
読書記録です。
フランス革命の代償
ルネ・セディヨ著
山崎耕一 訳
草思社文庫
1789年から勃発したフランス革命というのは、神権にもとづく君主制から人民の同意に基礎を置く体制へ移行しようとする大いなる理想を掲げた大政変であるが、大変大きな犠牲を強いるものでありました。
本書ではあらゆる分野においてフランス革命が支払った代償を総決算しています。
特に興味深かったのは第三章の法制上の決算です。
アンシャン・レジームにおいて君主制は集権化を目指していたものの、実際には古い特許状や新しい条約によって、自由権や諸特権の網がもつれて入り組んでおり、中央権力は束縛され、各職業組合は独自の規約を持ち、都市はそれぞれに自由権を持っていました。度量衡の単位さえ、各地方でバラバラでした。
例えば、貧民が畑で落穂を拾ったり、モンタルジの非課税者が納税を拒んだりする自由がありました。
これが、近年では絶対主義体制ではなく社団国家体制と言い換えられているアンシャン・レジームの実態です。
ではフランス革命が掲げた「自由・平等・友愛」とはなにか。
狩猟権の平等というのはまさに象徴的な意味においても重大でした。
大革命が勃発してまもなくの頃にすべての市民に狩猟権が認められ、国中で狩猟権が濫用されました。
一方で、ブルターニュの自治権の自由や用益権と呼ばれる貧民が収穫後の落穂を拾う自由は奪いました。
労働者の社会保障については、中世以来続いていた同業者組合の相互救済慣行は廃止され、雇用主による私設の被用者援助制度とその法的枠組みが整えられるのは、大革命勃発から100年の時を待たなければなりませんでした。
フランス革命というのは大いなる理想を掲げながらも、国力の発展という面では大いなる犠牲をもたらしてしまったといえそうです。
#読書
#読書感想文
#世界史
#フランス
#革命


アメジスト
読書しました。
アメリカ黒人の歴史
奴隷貿易からオバマ大統領、BLM運動まで
増補版
上杉忍 著
中公新書
アメリカ黒人は、想像以上に苦難で過酷で多大な犠牲を歩まされてきたということを知ることが出来ました。
公民権運動で政治的な差別はなくなったのかなと思いきや、貧困に捨て置かれる経済的、社会的差別は続き、21世紀に入っても蔓延する麻薬や警察暴力の犠牲になり続けているという悲しい歴史が続いているようです。
インナーシティの荒廃など現代アメリカの暗部についても解説されているのがよかったです。
#読書
#読書感想文
#アメリカ
#黒人
#差別


アメジスト
読書しました。
レコンキスタ
-「スペイン」を生んだ中世800年の戦争と平和
黒田祐我 著
中公新書
カトリックでもあり、アフリカでもあり、イスラム文化の影響もあり、地域ごとの多様性ありと、奇妙に混じり合っているスペイン文化の源流である中世イベリア半島の歴史を知ることが出来て面白かったです。
レコンキスタというのは決してキリスト教vsイスラム教という単純な構図ではなく、宗教の違いを超えた合従連衡さえ行われ、ナスル朝グラナダ王国はカスティーリャ王国に臣従までしていたそうです。
中世800年の歴史は全体としてみれば、和戦両構えのキリスト教陣営側がイスラム教陣営側を少しずつ窒息させていったものですが、それぞれの陣営における裏切りと戦争の歴史の連続で、敵味方がいろいろ入れ替わる複雑怪奇な歴史であるということが分かりました。
現代のスペインの極右にみられる排外主義的なムスリム脅威論、移民受け入れ反対論、あるいは「アラゴンの栄光」を唱えるカタルーニャ独立派の動きというのは、スペイン国家のあり方を単純な図式化し過ぎていて危険な考え方なんだなということが分かりました。
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#世界史
#スペイン
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ダー
複数愛を実行するシェアハウスの話。
最近「複数愛」というフレーズに触れるか機会があって、奇遇にも読みたい本にあったので読了。
答えやヒントが欲しかった。
良い作品です。
それぞれの登場人物。
正真正銘そうなんだな、という人や、それに憧れる人、なりきれない人。
(個人的にはシェアハウスの発起人の指向・考え方をもっと知りたかったな〜)
どの意見も一理あって、全てを理解は出来ないけど、尊重したい、ちゃんと噛み締めたいとも思った。
読んでいて、自分はマジョリティーなんだなって切なくなったけど、自分と違う思想の人の話だから、私軸の「分かる」や「分からない」「でも理解したい(納得解)」の縁取りが見えてくるようで、素直になっていく感じがした。
嫉妬の捉え方・重要度・向き合い方に悩むという文章に、心から救われた気がする。


アメジスト
今日は午前中はお散歩して7000歩あるきました。
そのあとはクラシック音楽をかけながら読書しました。
そこそこ身体を動かして、そこそこのんびりして、そこそこ趣味に打ち込むというのが、個人的には一番充実しますね。
読書記録です。
在野と独学の近代
ダーウィン、マルクスから南方熊楠、牧野富太郎まで
志村真幸 著
中公新書
ダーウィンは実家が裕福だった。
マルクスはスポンサーがいたり遺産があったりした。
牧野富太郎や柳田国男は自らの官の立場を利用して在野の研究を糾合した。
それぞれが恵まれた立場で学問をしていたなかで、南方熊楠の独学を追求して枠組みに囚われないラディカルさが印象的でした。
本書では紹介されませんでしたが、在野の知識人といえば、松岡正剛にも憧れますね。
徹底した知識欲を追求して、従来のやり方をひっくり返すような生き方は僕にはできませんが、憧れるなぁとは感じました。
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アメジスト
読書しました。
独仏関係史
三度の戦争からEUの中核へ
川嶋周一 著
中公新書
本書は、第二次大戦後のフランスとドイツ(西ドイツ)の関係、主に政治的な関係を紐解くことで、国際社会の平和や秩序の維持というのものは、関係各国の不断の努力によるギリギリの綱渡りによって成り立っているということを展望した書物です。
表題の三度の戦争というのは、普仏戦争、第一次大戦、第二次大戦のことで、この時代の独仏関係というのは、先祖代々の宿敵でした。
それが第二次大戦後は冷戦という構図の中でフランスと西ドイツは和解に向かい、EUという秩序に埋め込まれることで、はじめて独仏関係は安定を得ることができました。
ドイツ人やフランス人の政治的な意識は決して一体感というものはなくて、お互いに過去を乗り越えるための努力、葛藤、両国間の微妙な政治的感情や英米との関係、ロシア問題など非常に複雑で多層的な国際政治の力学の上に成り立っていることが分かりました。
フランスとドイツの間では二国間の共同閣議というのもおこなわれており、動乱や戦争を回避して外国同士が協調するためには、ここまでやらなければならないのかというのも感じました。
平和のための不断の努力というのは日本にとっても学ぶことが大きいように思います。
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アメジスト
読書記録です。
なぜヒトは心を病むようになったのか?
小松正 著
文春新書
第3章の人間はなぜ差別するのか、なぜ戦争を起こすのかについての論考はとても勉強になりました。
人間には自分が所属している集団の外のメンバーと内のメンバーを峻別して内のメンバーを贔屓にし、外のメンバーに対しては敵対的になるという習性が、遺伝子レベルで組み込まれているそうです。
この状況は「偏狭な利他主義」と呼ばれ、十数万年前の地球規模の寒冷化の時代に、食料などの資源の確保を巡るテリトリー防衛のための集団間対立が激化したときに、「偏狭な利他主義」で動く集団のほうが有利になるため、その集団が繁栄して現代に繋がっているという説があるようです。
味方に対する助け合いの心と敵に対する憎しみの心というのは、進化の観点に基づくと、実はコインのように表裏一体であると考えられているそうです。
ただ、誰が敵で誰が味方かというカテゴリー分けは可変的であって、例えば、国籍・民族・人種・宗教など、ある属性では自分と異なる集団に属する人であっても、仕事や趣味では自分と同じ集団に属するとみなせるケースがあります。
教育・情報アクセス・科学的および技術的生産性・法の支配などの向上によって、自由と平等を重んじる価値観が集団内に広まることは可能であり、集団のカテゴリー分け自体も変化させることは可能なので、人類の進歩に希望を持ち続けることが大切であるように思います。
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アメジスト
読書しました。
歴史学はこう考える
松澤裕作 著
ちくま新書
個人的には地元で起きたことである武相困民党事件についての論文を解説した第5章が興味深かったです。
武相困民党事件は自由民権運動の影響のもとで起きたというのは間違いだそうです。
お金の借り手を破産に追いやるような取り立ては「不正」であるという昔ながらの価値観に立って、借金の返済猶予・年賦返済を求めたのが武相困民党事件だそうです。
近代的な財産権の保護=私的利益の追求を全面的に肯定する立場であり、返済の猶予を認めないというのが、自由民権運動の立場であり、困民党の立場とは対立するものだったそうです。
自由民権運動の運動家の中には、銀行・金貸会社の出資者もおり、彼らは特に困民党の運動に対して敵対的でした。
「武相困民党事件とは、民衆の生存・生活を侵し、小生産者としての自立を破壊する、財産所有・経済的自由(契約の自由、自由競争)に一定の制限を加えようとした運動」だそうです。
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アメジスト
読書記録です。
人類5000年史Ⅵ
1901~2050年
出口治明 著
ちくま新書
新しい知見が広がる内容でとても勉強になりました。
半藤一利の研究によると、明治政府は日英同盟という後ろ盾を得た段階で対露戦争を計画していたそうです。
司馬史観に反して日露戦争は中国大陸へ向けての侵略戦争という面が大きかったそうです。
ただ日露戦争は日本の国力を限界まで使い果たした戦争で、セオドア・ルーズベルトの斡旋によってポーツマス条約を結ぶことができました。
ただ戦争をするために煽られた世論は国力がギリギリであることの内情は知らされていなかったため、賠償金をとれなかったことに暴発して日比谷焼き打ち事件を起こし、怒りの矛先は米国にも向けられました。
これが米国を日本脅威論へ傾けさせる伏線となりました。
1910年には、天皇を狙ったという政府のでっち上げによって幸徳秋水をはじめとする社会主義者が検挙されて処刑されました。
山縣有朋、桂太郎、平沼騏一郎による策略で、明治体制の本質とは何かということを象徴しています。
1915年には日本政府は、第一次大戦の火事場泥棒さながらに対華二十一ヶ条の要求を突きつけました。
米国や大英帝国が日本を警戒するようになったターニングポイントとなりました。
1922年のワシントン海軍軍縮条約で主力艦の保有比率を英米5:日本3になったことについて、日本は反発しました。
しかし、米国の経済規模は日本の5倍を上回っているため、5:3という比率はむしろ米国の軍備増強に歯止めをかけるものでした。
また米国は大西洋と太平洋の二正面作戦をしなければならず、太平洋のみの日本の方が有利でした。
このあたりから日本の無分別さ、分不相応な振る舞いが目立つようになります。
1930年のロンドン海軍軍縮条約は日本にとって有利な比率でしたが、政友会が軍部と結託して統帥権干犯問題をでっち上げのが、日本が亡国への道を歩むターニングポイントとなりました。
1932年の満州国建国によって、米国は決定的に日本と敵対するようになってしまいました。
1938年の12月に日本軍は重慶に対する無差別爆撃をおこないますが、これが世界で初めての、継続的な大都市に対する無差別爆撃でした。
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アメジスト
読書しました。
東大ファッション論集中講義
平芳裕子 著
ちくまプリマー新書
フランス革命以降、貴族趣味に対する反発から、男性のファッションはスーツが基本となり、地味になりました。
フランス革命以前は、階級を示すツールとして王侯貴族の男性は華美に着飾っていました。
ルイ14世の有名な肖像画にみられるように、昔の王侯貴族は男性の方が脚線美を誇示して、女性はロングスカートで脚を隠していました。
近代に入ってからのジェンダーの呪縛によって、男性は着飾るのが許されなくなりました。
男性がスカートを履いて煌びやかに着飾る時代が到来するのかどうか。
その時こそ、本当の意味での近代からの解放、ポストモダンの到来だと思います。
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アメジスト
読書しました。
DNAとはなんだろう
「ほぼ正確」に遺伝情報をコピーする巧妙なからくり
武村政春 著
講談社ブルーバックス
だいぶ噛み砕いて説明されてはいますが、DNAについての話はやはり難解です。
ただp154で解説されている、胎盤を形成する遺伝子は、もともとはレトロウイルスの遺伝子が生殖細胞のゲノムに取り込まれたものだというのは、とても興味深かったです。
第6章の動く遺伝因子「トランスポゾン」というのはとても興味深いです。
トランスポゾンというのはヒトゲノムの4割ほどを占めるもので、その中でも特にレトロウイルスが由来とされるレトロトランスポゾンというのは、DNA上でやをおこなう、「動く遺伝子」と呼ばれるものだそうです。
このようにして書き換えられた遺伝子が生命の進化の原動力になっているのは、とても奥が深い世界だなと感じました。
トランスポゾンによるやは無造作に行なわれているにも関わらず、「進化の原動力」になっているというのは、まるで神の見えざる手に導かれているかのような神秘さをも感じます。
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