投稿

ダー
#読書感想文
過去と現在が際限なくシンクロするストーリー展開が実に人間味があって、人ってこうゆう風に積み重ねて整理していって、昇華していくんだよな〜ってしみじみ思った。
「好きじゃない訳じゃない」って気持ちを否定しない所が良いと思った。
どんなに上手くいっていても、分かり合えなくて相容れない事ってあって、一緒にいても1人を好む感じ、凄く共感できた。

関連する投稿をみつける

アメジスト
読書記録です。
埴輪
古代の証言者たち
若狭徹 著
角川ソフィア文庫
文庫判ながらカラー図版が160点も掲載されており、様々な種類の埴輪の写真が楽しめます。
埴輪の笑いは「喜び」ではなく、魔を退ける「あざ笑い」と考えられているそうです。
ゆるキャラ的な笑いではなかったんですね。
埴輪といえばp176、177、178に載っている武装男子ですが、ただの兵士ではなく、王権から賜与された甲冑をまとった首長の姿だそうです。
p27、28では埴輪のルーツは、呪的な祭器であった特殊器台であることが解説されており、勉強になります。
ミロのヴィーナスや秦の始皇帝陵の兵馬俑などと比べると埴輪の造形はずいぶんと緩いですが、納期に間に合うことを優先したのか、緩い造形が古墳時代の精神性ということなのか。
古墳時代についてもっと知りたくなりました。
#読書
#読書感想文
#古代
#埴輪
#古墳


アメジスト
読書しました。
夢ひらく彼方へ ファンタジーの周辺
渡辺京二 著
平凡社ライブラリー
本書は、2019年に著者が熊本市の書店で講義したことをもとに、口述筆記した講義記録です。
前半部では、『ナルニア国物語』とその著者C・S・ルイス、『指輪物語』とその著者トールキン、『ゲド戦記』とその著者ル=グウィンについて、詳細に語られています。
この3つのファンタジーは、現代における神話の再創造に成功しているという意味で、ファンタジーの最高峰に君臨しており、その世界観も地に足が着いており、奥深いものがあります。
また、最終講で、G・K・チェスタトンについて取り上げていたのはとても興味深かったです。
僕もチェスタトンの『聖トマス・アクィナス』は読みましたが、作家としての機知に富んでいるところや諧謔というのはこういうことなんだなと感じさせました。
チェスタトンの言葉として
現実の人間の歴史を通じて、人間を正気に保ってきたものは神秘主義である。
心に神秘をもっているかぎり、人間は健康であることができる。
平常平凡な人間がいつでも正気であったのは、いつでも神秘家であったためである。一方の足を大地に置き、一方の足をおとぎの国に置いてきたからである。
狂人とは理性を失った人ではない。狂人とは理性以外のあらゆる物を失った人である。
が引用されていますが、
ファンタジーというのは、まさに心を正気に保つための心の栄養剤なのかもしれませんね。
#読書
#読書感想文
#ファンタジー
#夢見る人こそ正気な人
#心の栄養


アメジスト
読書しました。
西郷従道
-維新革命を追求した最強の「弟」
西郷従道の伝記は初めて読んだので勉強になりました。
兄である西郷隆盛とその盟友だった大久保利通のもとで尊皇攘夷の志士として活動した青春時代。
兄・隆盛の引き立てによって明治政府に参画し、欧州視察でフランスの軍制を学ぶ。
征韓論問題で兄・隆盛が下野したときは、行動をともにせず、洋行によって得た知識を国家建設に役立てるために政府で働くことを選んだ。
台湾出兵の時は派遣軍トップとして暴走気味に台湾を制圧し、その後始末として大久保利通が清と交渉した。
また、台湾出兵を強行した際、出兵に反対する長州閥の木戸孝允が参議を辞任している。
兄・隆盛が西南戦争を起こしたときは、兄と決別して尊皇の精神に自らを捧げ、陸軍卿代理として後方支援業務にまわり兄と敵対した。
西南戦争終結後は「賊将の弟」として責任をとるために謹慎したところは兄弟愛を感じるエピソードです。
天皇に請われ復職すると、海軍大臣を長期間務め、山本権兵衛や齋藤実を抜擢し、有能な部下に任せて責任は自分で負うという調整型のリーダーとして政府中枢を担った。
首相待望論があったものの「賊将の弟」と固辞し続けたという本書の評価がありますが、演説下手で裏方気質なところがあるので、あくまでも自分は「調整役」に徹して、権力欲に溺れるところがなかったので、首相の座は固辞したのかもしれません。
これほどの人物が中学や高校の日本史の教科書に載っていないのは、残念なことです。
#読書
#読書感想文
#明治
#元勲
#元老


アメジスト
読書しました。
SF脳とリアル脳
どこまで可能か、なぜ不可能なのか
櫻井武 著
講談社ブルーバックス
主に神経科学を専門とする医学者である著者が、SF作品でお馴染みの設定についての実現可能性を考察した内容となっています。
第1章は人体のパーツを機械化する「サイボーグ」について
第2章では脳に電子デバイスを埋め込んで外部と情報をやりとりする「電脳化」はどこまで可能なのか
第3章では脳の機能を全て電子デバイスにして、「意識を移植する」ことははたして可能なのか
第4章では宇宙旅行や未来旅行を扱うSFでおなじみの「コールドスリープ」や「人工冬眠」について。その実現可能性は脳が鍵を握っていた。神経科学を第一線で研究している著者だからこその見識が述べられていて面白いです。
第5章ではSF作品では「記憶の書き換え」はしばしば使われるプロットだが、実現可能性についてはどうなのか述べられています。
後半部では第7章において、実はぼーっとしている時でも脳はフル稼働しており、「脳は10%しか使っていない」はウソであることについて解説しています。
第8章では、2023年に中国の国立生物学研究所において、マウスが眠ると溺れてしまうという環境をつくって、完全な断眠をさせたという実験について取り上げられています。睡眠をとらないとなぜ死んでしまうのかついて興味深い考察がなされています。
いわゆるSFにありがちなサイボーグだの電脳化だのは現時点では実現可能性は低いという見解になんとなくホッとしました。
#読書
#読書感想文
#SF
#近未来
#神経科学


アメジスト
読書しました。
独仏関係史
三度の戦争からEUの中核へ
川嶋周一 著
中公新書
本書は、第二次大戦後のフランスとドイツ(西ドイツ)の関係、主に政治的な関係を紐解くことで、国際社会の平和や秩序の維持というのものは、関係各国の不断の努力によるギリギリの綱渡りによって成り立っているということを展望した書物です。
表題の三度の戦争というのは、普仏戦争、第一次大戦、第二次大戦のことで、この時代の独仏関係というのは、先祖代々の宿敵でした。
それが第二次大戦後は冷戦という構図の中でフランスと西ドイツは和解に向かい、EUという秩序に埋め込まれることで、はじめて独仏関係は安定を得ることができました。
ドイツ人やフランス人の政治的な意識は決して一体感というものはなくて、お互いに過去を乗り越えるための努力、葛藤、両国間の微妙な政治的感情や英米との関係、ロシア問題など非常に複雑で多層的な国際政治の力学の上に成り立っていることが分かりました。
フランスとドイツの間では二国間の共同閣議というのもおこなわれており、動乱や戦争を回避して外国同士が協調するためには、ここまでやらなければならないのかというのも感じました。
平和のための不断の努力というのは日本にとっても学ぶことが大きいように思います。
#読書
#読書感想文
#戦後
#ヨーロッパ
#平和


アメジスト
読書しました。
オスマン帝国500年の平和
林佳世子 著
講談社学術文庫
表題の500年の平和というのは、14世紀から18世紀にかけての時代、帝国内の多民族、多宗教を包括した覇権によって、その勢力内で争う必要がなくなったという意味での平和だった500年という意味です。
この500年の間には、外征やら内乱やらは沢山あるし、王家の後継者争いを未然に防ぐための悪名高き兄弟皆殺しや失政した大宰相の処刑など、現代人の目からみれば、おぞましいことを沢山やってきた歴史です。
しかしながら、トルコ人の国でもなくイスラム帝国でもない、この帝国において、宗教の垣根を越えた寛容な統治がおこなわれてきたという歴史は、かつてこの帝国が支配してきた地域において、まさに今、戦乱が起こっている状況を踏まえると、「オスマン帝国による平和」というものに、学びがあるように感じます。
19世紀以降、民族主義を煽る手法でオスマン帝国を切り刻んだ英仏露を中心とする欧州列強の罪深さを改めて感じます。
イスラムの名のもとに多宗教・多民族を包括した寛容な統治がおこなわれてきた歴史が過去に存在していたということが、現代の中東を平和にするヒントになるかどうかは難しい問題ですが、「民族の時代」というのは19世紀以降の時代特有の問題であるという相対化することによって、単一の宗派や民族を国家のイデオロギーにするというのは、本質的に不可能であるという認識を世界中の人々が共有することは可能なのではないでしょうか。
#読書
#読書感想文
#オスマン帝国
#寛容
#平和


アメジスト
読書しました。
東大ファッション論集中講義
平芳裕子 著
ちくまプリマー新書
フランス革命以降、貴族趣味に対する反発から、男性のファッションはスーツが基本となり、地味になりました。
フランス革命以前は、階級を示すツールとして王侯貴族の男性は華美に着飾っていました。
ルイ14世の有名な肖像画にみられるように、昔の王侯貴族は男性の方が脚線美を誇示して、女性はロングスカートで脚を隠していました。
近代に入ってからのジェンダーの呪縛によって、男性は着飾るのが許されなくなりました。
男性がスカートを履いて煌びやかに着飾る時代が到来するのかどうか。
その時こそ、本当の意味での近代からの解放、ポストモダンの到来だと思います。
#読書
#読書感想文
#ファッション
#ジェンダー
#ポストモダン


アメジスト
読書しました。
ローマ五賢帝
「輝ける世紀」の虚像と実像
南川高志 著
講談社学術文庫
紀元96年に老帝ネルウァが即位し、その後のトラヤヌス帝、ハドリアヌス帝、アントニヌス帝、マルクス・アウレリウス帝と続く、5代84年間を、ローマ帝国の全盛期、皇帝たちの「輝ける世紀」と呼び、なぜローマ帝国は繁栄したのかということを、政治システムの面から掘り下げた内容となっています。
元老院議員の間で広く婚姻関係が結ばれたことで、皇帝権力を支える基盤としての元老院の社会システムが安定したこと。
紀元2世紀前半には、元老院議員の公職就任順序が整備固定化され、パトリキ貴族と呼ばれる古い家柄の元老院議員は軍隊司令官につかないようになり、軍隊司令官については皇帝が属州出身者や騎士階級を起用することで、階層間の流動性のある社会構造となり、「新しいローマ人」の力を帝国統治に活かすことができました。
しかし、マルクス・アウレリウス帝の時代以降、外患に対処するために、騎士身分を重用する流れになったことで、元老院議員に基盤を置くのではない、直属の騎士身分に支えられた皇帝の専制的体制への道につながることになったようです。
五賢帝の時代にも権力闘争があったこと、皇帝の個人的な資質以上に皇帝が寄って立つ元老院の社会システムが「輝ける世紀」の基盤であったということがわかりました。
#読書
#読書感想文
#歴史
#古代ローマ
#五賢帝


アメジスト
読書しました。
学びなおし!数学
代数・解析編
黒木哲徳 著
講談社ブルーバックス
教養として数学について学びたいなと思って読みましたが、数式については全然理解できませんでした。
ただ、例えばp68に載っている「余りで余りを割っていく」ことで最大公約数を求めるというユークリッド互除法の鮮やかさなど、数学の魔法の素晴らしさは感じました。
p219~220では定積分を用いて球の体積を求めており、
p225~229ではニュートンの運動方程式の2階の微分による方程式で、放物線の方程式を求めています。
難解ですが、数学について学んでみたいと感じさせる内容でした。
ただ単に方程式などの解説をするだけでなく、それがどういう意味をもっているとかまで解説されているのがよかったです。
#読書
#読書感想文
#学びなおし
#数学
#代数・解析

もっとみる 
関連検索ワード
コメント