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ミチフミ龍之介
#ランボー詩集 #中原中也訳
4. ジュギュルタ王(4)
我こそは羅馬の国土に乗り込めり、
その都までも。ニュミイドよ! 汝が額に
我平手打を啖(くら)はせり、我は汝等傭兵ばらを物の数とも思はざり。
茲(ここ)にして彼等久しく忘れゐたりし武器を執り、
我亦立つて之に向へり。我は捷利を思はざり、
唯に羅馬に拮抗せんことこそ思へり!
河に拠り、巌嶮(いはほ)に拠りて、我敵軍に対すれば、
敵勢は、リビイの砂原、或はまた、丘上の角面堡より攻めんとす。
敵軍の血はわが野山蔽(おう)ひつつ、
我がなみならぬ頑強に、四分五裂となりやせり……
彼はアラビヤの山多き地方に生れた、彼は健やかに
軟風(そよかぜ)の云ふを開けば、((これはこれはジュギュルタが孫!……))
つづく…。

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