投稿

夏実
#レオナルド・ディカプリオ
19世紀の天才詩人同士の愛と情欲を
描いた1995年のイギリス映画。
アニエスカ・ホランド監督の映像は
全体に薄いグレーがかかっており、
どこか陰鬱なパリの風景をとらえている
既に文壇でも名を馳せていた詩人
ヴェルレーヌは現れた1人の少年
アルチュール・ランボーの若さと
美しさ、そして類稀な才能により
魅了されてゆく…
溢れんばかりの圧倒的な才能と
若さゆえのエネルギーを持て余す
傲慢で危うい天才の姿を、若き日の
レオナルド・ディカプリオが好演。
彼が最も美しく撮られた作品だと思う
原作は戯曲である本作、物語自体も
詩的に抒情的に紡がれていく
2人は愛し合い、憎み合い、利用し合い
時には激しく罵り合いながらも、
より崇高な芸術の頂を目指す魂と魂が
呼び合うかのように離れられない。
作中、2人の手が何度かアップになる。
子供らしいディカプリオの手と対照的な、
指が長く、細っそりとしたデヴィッド・
シューリスの手は、意外なほどに美しい。
キャスティングの妙か、この2人の手は
キャラクターによく合致して示唆的。
その粗野な振舞いにそぐわない繊細な
作品をいくつか放ち、鮮烈な印象だけ
残して短い生を駆け抜けたランボー。
その面影をアブサンの雫に見出しつつ
今夜も酔うヴェルレーヌだった…
版権の問題で現在、本作の視聴は困難。
紀伊國屋はどうにかしてくれません?

コメント