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くろ

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『Boy Swallows Universe』
©️Trent Dalton 池田真紀子 訳

1980年代のオーストラリア、ブリスベン郊外に住むイーライ少年。
世界の理不尽に振り回されながらも逞しく成長する様を描く。

本当の父親の姿は朧気で、母親は薬に溺れ、その薬の売人が父親代わり。
兄は幼少期に口をきかないようになり、唯一の友人は元脱獄犯。

トラブルの少ない人生を送れるかは、本人の意思以外に周囲の環境にも大きく左右される。
彼が大きな問題に巻き込まれ、大切な人たちを失っていくことは半ば必然だったかもしれない。

生まれ落ちる環境という選べないディスアドバンテージを抱えながらも、行動し、失敗し、自分にどうにかできること、そうでないことの分別をつけること。
どうにかできることを何とかしようと学ぶ姿勢の尊さ、重要さを教えてくれる。

「人生ってのはな、基本的に、楽なことより正しいことをできるかどうかだ」ー本書より抜粋

正しいことをするというのは大変なことが多い。
しかも、正しさは状況・環境によって変化する。

ままならない現実の中でも、自分なりの正しさについて考え、その軸に基づいて行動すること。
そして他者の正しさに学ぶこと。

結末はどうあれ、そのように生きることにこそ意義があり、価値がある。
そんな風に感じる物語。

初のオーストラリア文学、1980年代が舞台ということもあり、若干の読みづらさはあったが、それを補って余りある面白さと丁寧な訳文だった。
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コメント

じょん?

じょん?

1 GRAVITY

読んでみたくなりました😳

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