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七瀬琴葉@小説

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全てフィクション
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七瀬琴葉@小説

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まあ、これは私の持論だが。
この世界に『生きている』と確信を持って言える存在というのは、ただ一つ、私だけだ。
他は、もしかしたら私が作り出した幻想なのかもしれない。
『こんな人が居たら、人生が豊かになる』だとか、『こう言ってくれたら、成長に繋がる』だとか、そんなことを考えているから、その人が存在して、そう言うのかもしれない。
これは、私がもし死んだら、と考えていた時に思いついたことだ。
だから、私が死んだらこの世界は、まさしくシャボン玉のように儚くなくなってしまうのではないか。そう思うのだ。
それはなんとも申し訳ない。
私の妄想の中では、みんなは『生きている』のだ。ただすれ違っただけの人の人生を、無駄にしてあげたくはない。
だから、私は死のうとするのを諦めた。
ただのお人好しだ。
…と、こんなに偉そうに言っているが、私は別に賢い訳では無い。なんなら、そこら辺の人よりも馬鹿なくらいだ。中学校すらまともに行っていないような人間がこんなことを、自分がこの世界の主人公であるかのようなことを、言える立場ではない。
…そう考えたら、どうでもよくなった。
言ってしまえば、みんな魂のないお人形さんだ。私がすれ違った何万人も、存在してるかも知らない何十億人も全部、私以外は人形なのだ。
ならば、私が死んでも何万、何十億の人形がなくなるだけではないか。
さらに、もしこの説が間違っていたとしても、存在している何十億人が死なずに生きていくだけだ。
…私が死んでも、なにも悪いことはないではないか。
こんな事を考えていると、より深く考えたくなってくるのが人間だ。
私は、神は存在すると思っている。
それがどんな神かなんざは知りもしないが、その世界の『運命』を操る、彼彼女、もしくは彼ら彼女らは存在するだろう。
またしても私の持論だが、この世界の筋書きは決まっているのだと思う。
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七瀬琴葉@小説

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「…カモノハシ?」
「そう、カモノハシ!」
学校帰り、いつも通りアオくんのところまで行ったあたしを見て、案の定アオくんは変な声を出す。
「????????」
自信満々なあたしを見て、アオくんはフリーズしたようだ。
「おっ、あかねちゃんじゃーんやっほー…って、なにそれ?カモノハシ?」
奥の部屋からタイミングよく安曇さんが顔を出す。
「あ、安曇さん!そうですカモノハシ!かわいいでしょ〜!」
「すっげぇかわいい!でも、どうやって…?」
と、ここでアオくんもようやく我に返ったようで、
「そ、そうだ、どうやって持ってきたんだ?」
「ふっふっふ…実は、学校で近くのゲーセンの無料券をもらったの!友達から貰ったりして、5枚使ってやっと取れたんだぁ〜感謝感謝だよ〜」
カモノハシのBIGぬいぐるみを抱えてほっぺをすりすりする。
「…ほっ…なんだ、あかねが学校に財布を持っていくような不良になってなくてよかった…」
「あはは、アオくん、そんな心配してたの?っていうか、ここに顔出してる時点でだいぶ不良でしょ〜」
「ま、ここは広〜く言えば『同級生の家』で片付くからねぇ。ま、学校帰りの寄り道は危ないから基本ダメなんだろうけど」
「あ、あはは…それは、ちょっと知らなかったってことで…」
と、私は言いたかったことを思い出す。
「これ、アオくんにあげるよ!でかいしふわふわだし、仮眠用の枕にいいかなって思って!」
「お、マジか?普通に助かるわ、ありがとな、あかね」
………………っっっっっ!!!!!!!!
「………あーあ、かいちょーがまたあかねちゃんを落とした〜」
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