共感で繋がるSNS

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恋活のマッチングパーティで出会った人と、お出かけしてきた。
正直、色々な事情で恋人には進めないと思ってて、それで本当にいいのかという覚悟を決めるためにも会いに行った。

朝11時半に、魚の定食を食べて、流れで江ノ島に行くかって決めた。
二人でお話をしながら、ゆっくりと散歩。江ノ島の神社を巡り、三宮を回って、岩戸とかきっと好きだと思いますよって言いながら、岩戸の中まで入ってきた。
途中、今日からやってるイベントがあることを知って、それを二人で見ながら写真も撮った。いっぱい撮った。
帰りに、元々食べたいって言ってたたこせんを向こうが買って、僕がえびせんを買って二人で半分こした。
帰りはバスでに二人で乗って、何処で晩御飯食べようかって相談しながら、結局通りにあった面白そうなお店で食べた。

凄く楽しかった。この人が恋人になったら、落ち着いた生活ができそうだなって思った。
でも、自分の収入じゃあ、自分だけの馬力じゃ厳しいし、向こうが働けるようになるまで待ってたら、向こうの結婚が難しくなる。
話を聞いてると、子供だって欲しいんだろうし、時間をかけてる暇は無さそうだなって判断してしまった。
別れ際に喫茶店に入って話した。全部話した。今日が楽しかったことも、今考えていることも、全部話した。なんか途中少し泣いてしまった。申し訳ないと思った。向こうはすんなりと了承してくれた。ちゃんと早い段階から考えてくれてありがとうございますとも言ってくれた。
自分ってやっぱクソだなあって思いながら、今帰ってる。一応、フッたのはこっちなのに普通に泣いてる。

もう恋活はいいなって思った。
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4/11 夜
今日もまた、足早に職場を去った。
コンドルに呼ばれていたからだ。

昨夜と同じように、一駅の後、乗り換えて数分。
賭け事も女もヤクザもある街に降り立った。
なお、最後のひとつとは無縁である。わたしはしがない小市民だからだ。

まばらに駅から立ち去る人波に流されながら、わたしも目的地へと向けて歩き出す。
徒歩で数分、大して時間はかからない。五階建ての大きなビルに、わたしは乗り込んだ。
目的地は三回。コンドルがあるのはそこだからだ。昨夜は悲しくも人で埋まっていて、触ることすら許されなかった。しかし、今夜は一箇所だけが空いていた。
その隙間へと滑り込むように着席すれば、頭上のデータカウンターへと視線を向ける。しかし、この行為に大した意味は無い。どうせ打つのだから。
財布の中に忍ばせていた福沢諭吉をサンドへと流し、慣れた手つきでメダルへと交換する。
ガヤガヤとしたうるさい店内の音に混じり、金属性のメダルが下皿へと流れ込んでくる音が響いた。

ひとによってはくだらない、この遊技だけがわたしのささやかな幸せだった。
ひとり、真っ直ぐに機械へと向き合い、手に持ったメダルを流し込んでは、レバーを叩く。
三つのストップボタンを順に止めながら、リール上に違和感が無いかを探っていく。
そんな単純な行為を、ただひたすらに繰り返していく。時折揃うベルやプラムを眺めては、スイカの成立に少しがっかりする。
黒いBARを下段に狙い、コンドルが上段にまですっ飛んでくるのを待ってみたり、青い7を上段に止めて、無造作に止めては停止後の違和感に気を払う。シンプルで、単純な遊技。何が面白いんだと、人に言われることも多々ある。
だが、この3×3の小さな盤面が、どうにも言えない高揚感を生み出してくれるのだ。押した停止ボタンのタイミングから、ずるりと滑り落ちてくるコンドルや、ぴったりと下段に張り付いたBARの後に、雑に止めた三つのリールにボーナス図柄が揃っていることもある。
滑りと、停止、そして盤面の上にある煩わしい四つのランプ。これだけでこの機械は成り立っている。これだけで、あんなにも楽しい瞬間を作り出してくれる。
どうしようもないほどに、わたしはこのコンドルが大好きになってしまっていた。
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4/11 晴れ
体を洗い、髪をまとめる。少し伸びて、毛量の増した髪の毛はまとまりづらく、鬱陶しく感じ始めている。
今日は昼からの出社。出社しなければできない作業は別になかったが、仕事を任せた年下の子に
「明日は出社なされますか?」
と聞かれたのが原因だ。

週の頭から聞いていたが、今日は上長の居ない日。
在宅を選び、だらだらと自らの作業に取り組むつもりだったが、仕事を投げた人間にそんな聞き方をされ、それを突っぱねられるほど、わたしの肝は座っていなかった。

昼頃に駅に到着する、職場まで一本でいける電車に乗るため、わたしは駅のホームで時間を待つ。
この時間帯であれば、座れないほど混みあっているということはないが、それでも少なからず人間がいる。
それが、職場へ向かうという憂鬱な気持ちをより強く加速させてくる。
到着した電車の自動ドアが開き、重い足を持ち上げて電車へと乗り込むと、わたしは自身の目を疑った。
昨夜、電車内で見かけた、先輩に似た女性が乗っていた。
マスクをして、髪をひとつに束ねて、何処となく陰気で、近寄り難い。
昨夜と全く変わらない、彼女の姿がそこに見えた。
反対側の入口に背を預け、片手に持った携帯端末を眺めている。わたしは、自然と彼女を観察できる位置に、今乗ったばかりの入口の隅へと背を預けた。
きっと、意識しているのはわたしだけだろう。そもそも、昨夜同じ電車に乗り合わせただけの人間だ。意識する方がおかしいのだ。
それでも、わたしは再び彼女と会えたことが嬉しかった。彼女を見ていると、先輩のことを思い出せる気がしたからだ。
職場までは凡そ30分。彼女がどこで降りるかは定かではないが、わたしは、昨夜と同じく、どうしようもない行為に勤しむことにした。
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4/10 月が見当たらない夜

仕事の定時を迎えた私は、そそくさと席を後にした。
やる気の満ちないこの現状からの逃亡と、わたしの心を捉えてやまないコンドルに会うためにだ。
職場から駅までを走るバスへと駆け込み、数分揺られた後、駅へと辿り着いた。
皆、それぞれが帰路へ着くこの時間帯は、電車の中もパンパンだった。開いた扉は、どこもひとがいっぱいで、飛び込む隙間すら見当たらない。ようやく、一人分くらいはあるだろうかという入口が見つかれば、そこに滑り込むように駆け込んだ。
自動ドアは間もなく閉まり、電車は走り出した。駆け込んだ際には気にとめなかったが、一人の女性がわたしと自動ドアの間に挟まれていた。
マスクをしていて、全貌は分からなかったが、20代前半といったところだろう。背丈はわたしよりも低く、140cm台といったところか。顔の中で唯一見える目元は、地味な雰囲気ながらも眉のあたりが薄らと紅くなっており、化粧をしていること自体は感じ取れた。
この顔は、どこかで感じたことがある。記憶の中、大学の頃に居た一人の先輩のことを思い出す。
黒い髪、白い肌、容姿端麗とは言い難いが、少なくとも、わたしの好みの顔だった。
物静かで、わたしのような存在が近寄ることをはばかれる空気と、どことなく頼りなく、守ってあげたくなる雰囲気が、わたしの琴線に触れていた。
目の前の女性から、どうにも似たような気配を感じた。先輩と異なり、背丈が低いから、尚更守ってあげたくなる雰囲気を感じた。
そんな彼女を押し退けて、わたしは電車に乗ったということになる。罰の悪さを感じながらも、わたしの意識は彼女へと向いてしまった。
露骨に見つめたりはしない。手に持つ端末から得られる情報と、それに飽きた時に少しだけ視界に入れる。そんなわたしのささやかな行為も、恐らく気づかれていたかもしれない。
女という生き物は、男の何倍もそういう気配に敏感なのだという。だからこそ、注意を払い、彼女の気分を害さないように、視界の端に、数秒だけ映す。そして、何事も無かったかのように、再び端末へと視線を戻す。駅に着くまでの短い時間を、そんなくだらない行為に勤しんだ。
わたしが降りる駅にはすぐに着いた。彼女の背にしていた自動ドアが開き、降りる人のために彼女が電車から降りた。わたしも早々に電車を降りて、何事も無かったかのように、改札口へと足を向けた
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4/10 水 快晴

磨りガラスから見える外の色は、昨日とは異なり青色だった。
私の部屋に日光は直接差してくることはないが、きっと太陽が我が物顔で空に浮かんでいる光景が目に浮かぶ。
清々しさを感じる外の様子とは異なり、意識を得たばかりの体には、いまだ気だるさの多くが残っており、心地よい眠りから覚めることを拒絶している。
まあ、待て。確かに朝は来たが、まだ時間は分からない。これほどまでに眠いのだ、きっと普段よりもそうとう早く起きたに違いない。
眠気の残る頭で、昨夜手放した携帯端末の位置を思い出す。きっと、この辺りに─。
私の指先に、覚えのある感触が伝わると同時に、鼓膜を突き刺すほどの音量で音楽が流れ出す。昔は好きだった音楽、嫌いな朝を少しでも心地よいものにしようと選んだはずの音楽だったが、そんな稚拙な作戦は三日ほどで崩れ去り、今はもう聞きたくもない音楽になってしまった。
どうやら、早く起きたというのは間違っていなかったようだ。普段であれば、この音楽を止めることすら苦戦するが、今日は幾分かすんなりと止めることができた。
仕方ない。起きるか。アラームのなったことを皮切りに、私は無駄な抵抗を止め、覆い被さる布団を持ち上げた。
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4/9
本日は警報級の大雨らしい。しかし、こんな日も出社しなければいけないのがサラリーマンの辛いところだ。
厚い雲に覆われて、日差しの刺さない暗い空は、私の気持ちをより一層憂鬱にさせてくる。晴天から突き刺してくる太陽光はうざったいが、この暗い空もこれはこれで不愉快そのものだった。
乗り込む予定だったバスは、入口までパンパンに詰まり、見ているだけで息苦しさを覚えてしまう。私はそれに乗り込むのを諦め、まだ雨足の弱い中、徒歩で駅へと向かうことにした。
ピークは昼頃だと、ニュースサイトには書いていたが、この時点で既に鬱陶しさを感じていた。元々、私は雨が嫌いなのだ。髪が濡れ、靴が濡れ、片手は塞がる。だが何よりも手間なのは移動だ。人とすれ違う度に傘を持つ手を大きく持ち上げ、普段であればそう混んでいない交通機関は人に溢れて、ジメジメとした気持ちの悪い空気が人混みによって加速する。ああ、やだやだやだ。
なんでこんな時にも働かなければならないのだ。勤勉は美徳であり、仕事とは人の生きる上での幸福だという。だが、私にはそうは思えなかった。こんな思いをしてまで会社に行かなければならないなんて、どうかしている。アホなんじゃないかとすら思った。
気が付いたら私は携帯端末を手にして、そのまま一通のメールを書いた。
「本日は具合が悪いため休みます。」
簡潔にそう綴ったメールを、冷静さを取り戻す前に送信し、そのまま自宅へと向けて踵を返した。
お前のせいだからな!と厚い雲に覆われた空を睨みつけ、私は自宅の戸を閉めた。
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