[読了本📖]『スラよみ!現代語訳名作シリーズ 山月記』中島敦 訳小前亮『山月記』あらすじ能力が高く心に傲慢を持った男がある日虎になったことできづいたこととは?感想〇虎になった男の苦悩と後悔が自分たちにも通じるところがあって良かった〇多少傲慢を持っているものの人間として本来いい人なんだろうなと感じさせられる文章が苦しかった『名人伝』あらすじ弓術の達人をめざして男が励む話感想〇主人公の男の弓術への執拗ここまで弓のためにするかっていう練習をやってのけるのが面白かった〇最後には真の達人になりますがそのものの達人たるものは……という結論が滑稽さを感じさせられた『李陵』あらすじ多くの部下に慕われる李陵が遊牧民との戦に負け、染まっていく中で漢への忠誠と遊牧民での暮らしに染まる自分に揺らいでいく感想〇漢では自分のせいで家族が迫害され、ついには皇帝に殺されその怒りで揺れる李陵の心境と物語の中で出てくる例え遊牧民に負けても、漢に自分の忠誠が伝わらなくても漢にいい待遇をされてる訳でもないのに決して忠誠を貫く男との対比や李陵がその男を近くで見ることでの心の迷い、自分への苛立ちが良かった#読書 #学生 #読了
[読了本📖]『旅猫リポート』有川浩あらすじとある事情で猫が飼えなくなった飼い主悟が飼い猫ナナの新しい飼い主を見つけるために過去の友人たちを巡る旅をする感想〇やっぱり有川浩さんはキャラクターがいいなって思った重たい過去を持ちながらも前向きな悟と人間にどこか上から目線でそれでも悟への愛がひしひしと伝わってくるナナ旅の中で訪問していく人たちの「人間らしさ」が有川さんの描くキャラクターの良さが滲み出ていた#学生 #読書 #読了
[読了本📖´-]『むかし僕が死んだ家』東野圭吾あらすじある日、僕のもとに高校時代の元カノ沙也加からどうしても我が子を虐待してしまう理由を知るために、空白な幼少時代の記憶を取り戻すべく、ある家に行くのについて来て欲しいという誘いが届く。その家の真実と沙也加の関係とは・・・感想〇伏線、伏線、伏線でこれまで見てきたミステリーで一番の天才的な伏線の連続が凄かった。〇ミステリー初心者も伏線だらけで推測やそこから来る部分的な真実を当てることがしやすく楽しめた。勿論上級者でも楽しめると思う〇屋敷の真実が皮肉で呪いの連続の惨劇って感じが好き〇関係ないけど表紙の沙也加が可愛いすぎる#学生 #読書
[読了本]『私の消滅』中村文則あらすじ「このページをめくれば、あなたはこれまでの人生を失うかもしれない。」そんな言葉から始まる「私」の手記。人々や世界の闇とそこから伸びる線の交差による残酷なある女性を巡る結末と恐ろしく緻密な復讐が読者を虜にする感想〇最高その一言〇中村文則さんの描く暗く淡々とした文章、その中にある感情的な部分。とにかく文章が心地よくてずっとこの世界に浸っていたいと思ってしまう〇中村文則さんの描く文章があまりにも好きで手に取った本だったこともあって物語に文章の魅力を補助する役割くらいしか期待していなかったがそれでも魅入られる「私」の人生や復讐の全貌が期待以上だった 〇『人間失格』の空気感が好きな人は絶対好きだと思う〇普通の本の半分くらいしかページ数がないから読書が苦手な人や時間が無い人にもおすすめ#学生 #読書 #読了
[読了本]『十角館の殺人』綾辻行人あらすじ数年前大量殺人の舞台となった十角館。そこである大学のミステリーサークルが7日間の合宿を開くことになる。再び繰り返される大量殺人。内部犯か外部犯か たくさんのなぜが混ざり合う明かされる数年前の真実とこの事件の衝撃幾重にも積み重なった王道ミステリー感想〇常に「なぜ」が発生してその度に登場人物の1つの説としての答えが返ってきての繰り返しで全てが疑心暗鬼に純正なミステリーを楽しめた感じがした〇ミステリー初心者でも楽しめたけど重厚なミステリーって感じがしたから本格ミステリーをあまり読まない人は面白さが半減しそう(また本格ミステリーの訓練してから読みたい)〇あの1行の「は」って感じは凄かった〇個人的には『ドグラ・マグラ』=『十角館の殺人』(ミステリー好きに怒られそうだけど)#学生 #読書 #読了
[読了本]『嘘をもうひとつだけ』東野圭吾あらすじ「嘘」から始まって膨らんでいく罪状全6編の短編集感想〇あまり短編集自体が好きでない人間だけど本と本の間とかにお手軽に見れるのが良かった〇東野圭吾さんの作品いつも難しい(そこが良くもある)けどこれなら短編集で少ない情報の中からお手軽にミステリーが楽しめてミステリー初心者として満足感が高かった#学生 #読書 #読了
[激推し本📖´-]『星を掬う』町田その子母・娘・妻 "捨てられた"人達の物語あらすじ小学生のひと夏、母と一緒に家を出た。そこにはいつもは見えない"母"が見えて・・・夏の思い出と共に母ら私を捨てて消えた。低賃金な工場で働きたまに家に上がってくるDV彼氏にお金を取られる日々少しでもお金を得るためにラジオ番組に送ったあの夏の思い出が原因で母や母をママと慕う女性などと出会って同じ家で過ごすことにでも母は認知症を患っていて・・・感想〇町田その子さんの描く優しさや無情さが詰まった作品〇捨てた母と捨てられた私それぞれの苦悩とぶつかり合いが私のこれまで抱えてきた思いをぶちのけてるようで好きまた母と関わってきた人達と自分が関わり母を知ることで成長する私の姿が良き〇最初は不気味で何を考えているのか分からない母の真意が物語が進むにつれ徐々に認知症の中あの夏の断片を掬いあげるように明かされていき母の抱えた苦悩や矛盾が浮き彫りになってそれがあまりにも虚しくて形容しがたい感情が湧き出る〇ラストシーン本当に感動した〇本当に本当に大好きな作品です#学生 #読書 #推し本 #
《読了本》『世界の中心で愛を叫ぶ』片山恭一あらすじ中学・高校様々な思い出を経て互いに愛し合うアキと朔しかしある時アキが入院生活を余儀なくされるような病気を発症して・・・愛する人を失う悲しみ、意味、論理を描く青春ラブストーリー感想〇面白い!!!大好きです〇朔太郎とアキの恋があまりにも幻想的で美しく、また2人の想い合いが強くて回送形式で結末が分かっていてもアキを失った後の喪失感・無力感が読者にまで明確に伝わってきて片山さんずるいと思った〇朔の結末と重なる祖父の姿とクライマックスの「分かる」からこその祖父の優しさが染みた〇朔がアキを失ったあとの祖父の一つ一つの言葉が素敵だった〇朔の在り方に良いと思ったし解説でもあった通り美しい在り方だと思った〇暇があれば映画も見てみたい!#学生 #読書 #読了 #映画
『君と真夜中をぬけて』雨あらすじ不登校の少女蘭いつものように夜に公園でただ過ごしていたら同い年の少年綺に声をかけられて綺と過ごす時間の中で勇気や安心感を貰い変わっていく感想〇登場人物の些細な言葉が綺麗〇人と人ののすれ違いとそれを乗り切るために影響させあう登場人物達が関係性として美しい〇テンプレ同じような設定のある程度面白い作品を見たことがあれば満足はできない〇恋愛小説はキュンキュン出来れば他の物語との違いが少なくとも許容できるって人と不登校高校生の恋愛小説を見たことがない人ならおすすめ〇表紙が綺麗。ほかの似たような作品との差別化点としては登場人物が多いなって感じた#学生 #読書 #読了
《観了映画》『余命10年』原作 小坂流加 監督藤井道人あらすじ20歳で治ることの無い難病を患ったまつり余命は10年。病院から退院し、社会へのスタートダッシュの遅れ・家族や周囲の人との衝突に悩み苦しみながら余生を過ごしていく。そんななか中学の同窓会で出会った和人に惹かれていき・・・・・・病気の苦しみと恋愛を通して変化していくまつりの感情を描いた小坂流加の遺作感想○とにかくおもしろい!!小説で2回くらいと映画も1回見たかなってくらい何回も見てるんですけど何回みても泣けるし言葉数が少ない2人の間を流れる空間が良いわ○クールでかっこいい女の人として描かれるまつりの時たま見せる感情の昂りや涙がより難病患者としての苦難や虚しさがある○始まりと終わり一見どちらも自棄になって人生を諦めてるかのように見える診断シーンから伝わってくるまつりの覚悟やもうやりきったって顔が物語を追体験してきたからこそグッときた○覚悟を決めてこれで良かったんだと思った上での死の直前の迷いが大人であり難病患者であるまつり恋の切なく悲しいとこだと思った○小説として映画としてお店として和人の心の中天命を遂げてそれでも生きていくまつりがさくらのシーンで和人に背中を押している様で綺麗だと思った○本物のこの本の作者小坂流加さんはこの本を書き終えたあと亡くなっています。小坂さんは何を思いこの本を出したのか願望や応援そんなものを考えた。同作者の『生きてさえいれば』もおすすめ#学生 #読書 #読了 #映画 #観了
《既読本》『七日間の幽霊八日目の彼女』五十嵐雄策あらすじ高校生の時事故に遭い健忘症を患った主人公明良。事故前後の記憶をなくし"彼女"との特別な7日間も忘れてしまう記憶を取り戻して貰えるように7日間を繰り返し奔走する彼女と明良の物語感想○全体的に登場人物が優しく心温まる人間性を持っているのが優しい世界であって欲しいと願う僕みたいな層からしたらgood○言葉が好き「星は掴めるんだよ」明良の発する優しい言葉があまり自分の中の名言みたいなのを持たない僕の心でも響いた○悪く言うとベタな設定ベタな展開でも物語の持つ限りなく生温い感じが良かった#学生 #読書 #読了
《既読本》『恋する寄生虫』三秋縋あらすじ潔癖症で社会に馴染めない高坂不登校の少女佐薙ある男からの依頼で佐薙と友好な関係になることを頼まれた高坂は次第に想いあっていくが「虫」によって促された恋だったと知って感想 ○独特の世界観の設定と恋愛がマッチしていて普通の恋愛小説に飽きた人におすすめ○ラストシーンの美しく儚い終わり方がむっちゃ好き○作中に出てくる寄生虫知識が普通に面白かった○三秋さん作品は『君の話』と『さくらの降る町』を見ていて期待度が大きすぎただけに序盤中盤期待しすぎたかなと思ったけどそれに匹敵するくらいラスト数章が面白くて圧巻だった#学生 #読書 #読了
《既読本》『ドグラ・マグラ』(上下巻)夢野久作あらすじ自己を忘れた男がある白い部屋で目を覚ます。自分は狂人であったと知り精神研究室の先生に促されるまま記憶を取り戻すために自己と自己のまわりで起こった壮大で矮小で悲惨な事件の真相を知る。日本が世界に誇る?奇書 感想○「胸の動機がみるみる高まった。早鐘を撞くように乱れ撃ち始めた……呼吸が、それにつれて荒くなった。やがて死ぬと思うほど喘ぎ出した。かと思うとまた、ヒッソリと静まってきた」角川文庫のドグラ・マグラ上7ページの一説です。文章からひしひしと感じる不安・動揺・狂気が読者にまで伝染しそうになるほどの研ぎ澄まされた文章力がすごい○あまりにも虚しい2人の博士の狂気。愛が狂気の証明となるという皮肉で物悲しいラスト○奇書と聞いていて待ち構えていたトンデモ感はなかったけど物語の大筋やメイン部分となるであろうところはページをどんどん捲りたくなるような面白さがあった。気になるところとしては途中に挟まってる博士の書いたとされる遺書が物語の根幹部分も多いけど本編より数段面白さが落ちたと感じたくせに丸々1冊分くらいの尺であったこと・個人的に戦前の文章に慣れていないので読みずらかったこと○総合してもかなり面白かった#学生 #読書 #読了
《既読本》『777』伊坂幸太郎あらすじ記憶力がいい事で闇に手を染め人生がめちゃくちゃになり、乾や乾が雇った「6人組」からホテルにて逃走中の結花ホテルで仕事をしている様々な境遇の業者との関わりの中無事逃げ切れるのか!?感想○『グラスホッパー』から2作目の伊坂作品!!『天道虫』の境遇や思考回路・奏田や結花との関わりの中で極わずかだけれども変化していく姿が可愛いし面白い○業者の中にも人生がある事を強く感じさせる人物の掘り下げが秀逸○『6人組』ウザイ・嫌い最期にスッキリ❀.(*´▽`*)❀.
《読了本》『2人1組になってください』 木爾チレン あらすじある女子高の卒業式の日黒板には奇妙な言葉が書かれた〈ルール〉2人1組になってください誰とも組むことが出来なかった人は失格になります最後の2人及び1人が卒業式に出席出来ますと感想○一方的な形・醜い形・美しい形本当に自分が関わってる人は友達なのか疑いたくなるような色々な友達との最期が面白かった○メインの視点となる美心美心を取り巻く人の関係や読むだけでもおぞましいいじめの恐ろしさを改めて実感できた○個人的に設定・展開・構成どれも良かったけど木爾の書く文章が合わなかった#読書 #学生 #読了
[激推し本📖´-]『星を掬う』母・娘・彼氏''捨てられた"人達の物語あらすじ小学生の頃の夏の思い出と共に突如私を捨てて消えていった母ちょっとしたことから再会し母をママと慕う女性や認知症が進行する母と共に同じ家で過ごすことになってって...感想○少しずつ明かされていくあの夏の真実○捨てる人・捨てられた人それぞれの苦悩と成長○徐々に町田その子さんの描く真実が明かされて感情移入するからこそ膨らむラストシーンの感動#学生 #読書