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かなめん🐌ྀི

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【SS・二人は同じものを見てる】

「何見てるの?」

彼女に言われて、僕はハッとした。

「何でもないよ」

僕は彼女に微笑む。僕は彼女に言えない事がある。きっと言ったら変に思われるだろう。だからそれについては黙っていた。

僕は昔、友達が言っていた事を思い出した。

『俺、幽霊が見えるんだ。ほらあそこ!』

僕は指差した所を見た。何も居なかった。コイツの頭はおかしいと思った。それから僕は、そいつと付き合う事はなかった。

4歳の頃、トイレに入ると良く見る事について、祖母に尋ねた事があった。

『婆ちゃん。天井にたくさんの目玉があって、僕の事見てるんだよ。あれ何?オモチャ?』

その時、普段は優しい祖母が血相を変えて……

『いい?絶対に誰にも言っちゃダメよ。いいわね?』

と、言っていて、とにかく僕は、とても怖くなったのを覚えている。

「大丈夫?またボーっとしてる」

彼女は小首を傾げて、可愛い笑顔を僕に向けて心配そうにしていた。僕は彼女を不安にしたくなかった。

「何でもないよ」

僕は努めて笑顔で答えた。

「ところでさあ。変に思われるかも知れないけど言うね」

「えっ何?」

「私さあ、見えるんだ」

「何が?」

僕は彼女が言ってる意味が良く分からなかった。

「あそこ」

彼女は指差した。指差した所を僕も見た。

「何が見えた?」

僕は、恐る恐る彼女に聞いた。

「○○を○○た、○○」

その瞬間。僕はきっと悪魔のような笑顔をしたと思う。

「良かった!実は、僕にも見えてたんだ」

彼女は僕に、満面の笑みを返した。

「「良かった!同じものが見えてて」」

僕らはお互いに、生涯最高の安堵の表情を浮かべたのだった。

おしまい

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【SS・では、お二人を結びつけたお話を、ひとつ……】

犬と公園に散歩中、首輪がすっぽ抜けてしまった。

走っていく犬を追いかけ回していたら、前方にスーツ姿のカップルがいた。

その男性の方が犬に気づいて、捕まえてくれた。

犬は大喜びで男性の人の手を舐めたり、顔を舐めたりしていた。

「あ・り・が・とうございまーす」

駆け寄りながら俺は、お礼を言った。

「あははは!大丈夫ですよ。それより可愛いですね」

こっちは男性の人のスーツが汚れるのにヒヤヒヤした。

「済みません!クリーニング代払います」

と、言うが早いか男性は言った。

「大丈夫です!犬が大好きなんです。でも、住んでるアパートは飼えない所なんで、犬がいると嬉しいんです」

と、男性が言うと、女性の方が、小さな声でぼそりと言った。

「だったら、私と結婚すればいいのに」

すると聞こえてたようで、男性は急に女性の方に振り返った。

「そうしよう!俺と結婚してくれ」

マジでびっくりした。
目の前で本当にプロポーズを見たのだ!

「本当に?」

「本当だ!結婚してくれるか?」

コクンと女性はうなずいた。

そのあと2人に関係を聞いた。
同じ職場の同僚で、女性の家には犬がいて、男性は時々、遊びに行ってるとの事。
まさに犬が結んだ縁である!!

そんな話を式場で話してきた。
もちろん招待してきたのは……

あのカップルだ。

おしまい

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