馬鹿だから自分をすり減らすような不器用な生き方しか選べないそれができないんじゃない安全な生き方はできるんだけどその方法を選びたいと思えない馬鹿だから野生のように野山を駆け回るような野蛮な生き方を選びたくなる生きていると実感していたい死ぬまで死を見つめていたい夜空に遠吠えしながら巣穴で身を丸くして明日の食糧を夢見て朝を待つ
仕事の買い出しでホームセンターに寄った同行していた同僚と話しながら入口を通ると唐突に、「初恋の人らしき人物」とすれ違う随分時間が経っているので相手の顔も曖昧だったこともあり「らしき人物」としか認識できなかっただけども、お互い数秒間だけ目が合った時間が止まる感覚があったしかし、私は声をかけなかったそのスローモーションの間引き止めるぐらいの声掛けはできたはずだが同僚もいて、相手も誰かと一緒だっただから、声をかけなかった何より話す内容もなかったもしかしたら、全然違う人かも知れないだから、声をかけなかったスローモーションは解け、そのまますれ違い私は同僚に「何を買いに来たんだっけ」と冷静さを取り戻すための会話を始めるだけど、無意識に拳を握りしめながら胸に当てていたきっとあれは彼ではないそう言い聞かせるように同僚に心境の変化を悟られないように心臓が落ち着きを取り戻すまで少しだけ息を止めたホームセンターの売り場はこんなにもわかりやすく探し物が見つかるのに
私をみて!と言わんばかりのSNSなんてずっと見たり、投稿したりしてたら行動の目的がすべて、誰かに見てもらうための中身のない人間になっちまうぞ他人に媚びたことするより自分が本当に意義あると思うことだけしてればいつか誰か見てくれるのにさ
今年の夏もあっという間である会う人会う人「暑いね」と言い合い駆け巡るように物事に追われては風物詩も楽しむまもなく過ぎた海も、西瓜も、ラムネさえも何も味合わなかったなぁと毎年思う唯一は素麺ぐらいだろうかそうこうしているうちに終わりを知らせる花火の音だ