🕊️人というのは一体何て奇妙でオリジナルで孤独なものだろうと思うここまでオリジナルでなければこれほど孤独にならずにすむのにと思いでもだからこそ「世界はときどき美しい」のだし世界がときどき美しいからこそ人は生きていかれるのだ 江國香織✨ 「泣かない子供」🕊️🌿🕊️🌿🕊️🌿🕊️🌿🕊️🌿🕊️🌿
💠これからもっと日が長くなるからね 沈丁花のつぼみもはじけるからね 私を待たなくていいから走って行きなさい 欲しいもののところへまっしぐらに 希望の後ろ姿は群青で宇宙とおんなじ色をしてる 覚和歌子✨「浅い春の八ヶ岳にひとりで連詩してみるの巻」💠🕊️💠🕊️💠🕊️💠🕊️💠🕊️💠🕊️
💟ただの優しさやただの愛お湯がただ温かいように何も見返りを求めずにただ与えてくれるものがこの世に無数にあるイメージの中だけでもそれぞれそういうものを収集してそれがその人にとっての光のパテになればいいなと思う安達茉莉子✨『「今はもう大丈夫」――バスタブのイメージワーク』💟🤍💟🤍💟🤍💟🤍💟🤍💟🤍
🖤黒が似合うひとに共通した肌色や骨格があるわけではない黒は気持ちで着るのだほかの色にはない力をどうかまとえますようにという祈りを込めて 寿木けい✨ 「ブラック アンド ホワイト」🖤🤍🖤🤍🖤🤍🖤🤍🖤🤍🖤🤍🖤🤍
🕊️時に悲しみと言い時に喜びと言いながらも 私の心は正しく名づけられない 休みなく動きながら世界は広がつている私はいつも世界に追いつけず 夕暮や雨や巻雲の中に 自らの心を探し続ける 谷川俊太郎✨ 「六十二のソネット」🕊️💜🕊️💜🕊️💜🕊️💜🕊️💜🕊️
🎎金平糖よこの舌はあなたの棘を包みますすみやかに色づいて 熱も痛みも味わい尽くす知るのですひな壇の上に存在しない幸せが この世にたくさんあることを「女の子」と呼ばれる前に 愛すべき自分の名を得ていたことを 文月悠光✨ 「女の子という名のわたし」🎎🤍🎎🤍🎎🤍🎎🤍🎎🤍🎎🤍🎎
🕊️あなたも変わっていくでしょう 変わらないことを決めこんでも 風景が変われば あなたも違った見えかたをする 三月はしびれを切らせて待つ季節 変わる季節を遊びましょう 変わるすべてをうたにしましょう 覚和歌子✨ 「三月のオペラ」🕊️⚜️🕊️⚜️🕊️⚜️🕊️⚜️🕊️⚜️🕊️⚜️
💟泣いているきみのとなりに座って ぼくはきみの胸の中の草原を想う ぼくが行ったことのないそこで きみは広い広い空にむかって歌っている 泣いているきみが好きだ 笑っているきみと同じくらい 哀しみはいつもどこにでもあって それはいつか必ず歓びへと溶けていく 谷川俊太郎✨ 「泣いているきみ」💟💧💟💧💟💧💟💧💟💧💟
🤍私たちがいつも陥る孤独は そこでこそなにかがはぐくまれる清らかな工房だ その存在を大切にして 自分だけの工房の中に生きよう そうすればいつのまにかたくさんの仲間に囲まれていて 少しも悲しくないことがわかるだろう孤独は薔薇色だと知るだろう 銀色夏生✨ 「薔薇色の孤独」🤍🎗️🤍🎗️🤍🎗️🤍🎗️🤍🎗️🤍🎗️
💟2月の背筋は となりの子猫のようで 2月のクッキーは 時々ミルクに浸して2月のキッチンは オレンジピールの匂い 2月の耳は深夜 音のない音を聞く 2月のつぼみは そっと膨らみを増してゆく 鈴川郁子✨ 「2月のうた」💟🤍💟🤍💟🤍💟🤍💟🤍💟🤍
☃️わたしは雪の匂いを吸い込んだ雪は空の匂いがする懐かしい生まれるまえの匂いいつか還っていく空の匂いたくさんのたくさんの六弁の氷の花がひとつひとつわたしに触り 魂の咲かせかたを教える 片山令子✨ 「裏庭」☃️❄️☃️❄️☃️❄️☃️❄️☃️❄️☃️
⚜️そうーー私はたとえば あなたに花を贈ることができる 鉢植えの黄水仙を うす曇りのこの午後に あなたを見つめて―― それは歴史とは 何もかかわりもない事だけれど それはまったく それだけの事だけれど 谷川俊太郎✨ 「二月のうた」⚜️🤍⚜️🤍⚜️🤍⚜️🤍⚜️🤍⚜️🤍⚜️
🕊️「いつか」は来てはならない「夢が終わってしまうとき」なのだだから日本人の「いつか一緒にごはん食べましょう」は「またいつか会いましょう」の意味なのだ「いつかごはん」は先送りされ続ける約束だ 九螺ささら✨ 「いつか」🕊️❄️🕊️❄️🕊️❄️🕊️❄️🕊️❄️🕊️❄️
🌎️みんなが同じように地上から消えて思い出だけが残るのに別にわざわざ旅を急がなくても泥水を飲むような思いをしたり甘い蜜を舐めたり月を眺めたり友だちと笑いながらごはんを食べたりしてゆっくり歩こうよ 吉本ばなな✨ 「さよならばかりの月」🌎🤍🌎🤍🌎🤍🌎🤍🌎🤍🌎🤍
💗🕊️💗🕊️💗🕊️💗🕊️💗🕊️💗🕊️💗「優しい」という字は「にんべん」に「憂い」と書くつまり心配事や悲しみを抱えている人の側に寄り添う人の心を「優しい」というのだ「思いやり」とか「優しい」ということは人の苦しみを深く知ることから始まる✨🕊️💗🕊️💗🕊️💗🕊️💗🕊️💗🕊️💗🕊️💗
📔泣きながらからだに刻んで行く勉強がまもなくぐんぐん強い芽を噴いて どこまでのびるかわからない それがこれからのあたらしい学問のはじまりなんだ ではさようなら……雲からも風からも透明な力が そのこどもにうつれ…… 宮沢賢治✨📔✒️📔✒️📔✒️📔✒️📔✒️📔✒️📔✒️
🕊️『しあわせ運べるように』 臼井真✨地震にも負けない 強い心をもって 亡くなった方々のぶんも 毎日を大切に生きてゆこう傷ついた神戸を もとの姿にもどそう支えあう心と 明日への希望を胸に響きわたれ ぼくたちの歌生まれ変わる 神戸のまちに届けたいわたしたちの歌 しあわせ運べるように🕊️🤍🕊️🤍🕊️🤍🕊️🤍🕊️🤍
🌝『満月』満月はすべてを満たされて空に光を放っていたその光景 時が止まるような神々しさに息も止まるような満月になったらあとは欠けていくだけと堂々と天に鎮座しているあの月も恐らく知っているのだろうその不安を見せないように一点の翳りもないように欠けていく運命を背負いながら微塵もそんな素振りなく今夜だけはかっこつけさせて! 新恒 杏子✨🌝🤍🌝🤍🌝🤍🌝🤍🌝🤍🌝
❄️寒い日にアイスクリームを食べると私の指先のそのまた先で雪の結晶としてわたしの先端が研ぎ澄まされていくのを感じられるだれかと手を合わせているように 最果タヒ✨ 「つめたくてあかるい」❄️🤍❄️🤍❄️🤍❄️🤍❄️🤍❄️🤍
☃️体の外側はおそろしく寒いのに一人一人が内側にあたたかい光景を抱いているというだけで雪の日の空気全体が特別なあたたかさを持ってしまうそれはまったく驚くべきことでなんとも素敵なことである 江國香織✨ 「雪の日の愉しみ」☃️❄️☃️❄️☃️❄️☃️❄️☃️❄️☃️❄️
🌞『太陽のほとり』太陽天に掘られた光の井戸私たち宇宙の片隅で輪になってたったひとつの井戸を囲んで暮らします世界中どこにいても太陽のほとりみんないちにち まいにち汲み上げる深い空の底から長い歴史の奥から汲んでも汲んでも光 天の井戸(日本の里には元日に若水を汲むという美しい言葉がありました)昔ながらのつるべの音が聞こえます胸に手を当てて聞きましょう生きているいのちの鼓動若水を汲み上げるその音を新年の光満ちあふれる朝です 石垣りん✨
🍷ワインをあたためるとこっくり重くなる繊細な酸味の余韻のかわりにビロードのようなまるく厚みが生まれるそのくぐもった深みが冬の寒さ冷たさに覆い被さりこちらの身をやんわり守ってくれている 平松洋子✨ 「ヴァン・ショー」🍷🤍🍷🤍🍷🤍🍷🤍🍷🤍🍷🤍