「電子メディアは場所と時間の特別さを破壊する。テレビやラジオや電話は、かつて私的だった場所を外部世界からアクセス可能なものにすることによって、より公的な場所に変えてしまう。また、カー・ステレオや、腕時計テレビや、ソニーの『ウォークマン』のようなパーソナル音響システムは、公的な空間を私的な空間にする。そのようなメディアを通じて、おおよそあらゆるところで起きていることが、私たちのもとで、私たちがどこにいようと起きている。けれども、私たちがいたるところにいるということは、私たちは特にどこかの場所にいるわけではないということでもある」(Meyrowitz 2003:232~233)誰もが軽やかな足取りで様々な場所へ顔を出すけれども、それはインターネット・ディアスポラ化の証左なのかもしれない。誰にも祖国はない。