人気

たまかしわ〜
家族のもとには遺骨のない白い箱が届いた。
享年23

てふ
愛国とか反戦とか抜きにして
現代の悩める若者と何ら変わらぬ青年の姿が見えて来ます
興味を持ったら竹内浩三の詩集もおすすめ

たまかしわ〜
竹内浩三〈骨のうたう〉
白い箱にて 故国をながめる
音もなく なんにもなく
帰っては きましたけれど
故国の人のよそしさや
自分の事務や女のみだしなみが大切で
骨は骨として 骨を愛する人もなし
骨は骨として 勲章をもらい
高く崇められ ほまれは高し
なれど 骨はききたかった
絶大な愛情のひびきをききたかった
がらがらどんどんと事務と常識が流れ
故国は発展にいそがしかった
女は 化粧にいそがしかった
ああ 戦死やあわれ
兵隊の死ぬるや あわれ
こらえきれないさびしさや
国のため
大君のため
死んでしまうや
その心や
関連検索ワード
おすすめのクリエーター