こんばんは。読書しました。百人一首-編纂がひらく小宇宙田渕句美子 著岩波新書『百人一首』に興味があったので、本書を読みました。『百人一首』は実は藤原定家が編纂したものではなく、定家が編纂した『百人秀歌』を定本として、後世の人間が編纂して、おそらく南北朝時代の頃に成立したものであるというのが、詳しく考察されていて勉強になりました。『百人一首』には『百人秀歌』にはない、後鳥羽院と順徳院の御製が加えられていること、歌の配列順も入れ替わっていること、その意味についても考察されており、研究書として読みごたえがある内容となっています。国文学的に解析されている内容なので、難解ですが、和歌のレトリックはこういうことなのかと勉強になります。『百人一首』というのは、平安期皇統の始祖である天智天皇から始まって、悲劇の帝王である後鳥羽院と順徳院で終わるという、王朝文化の栄枯盛衰を語ったものであり、王朝文化の森羅万象を奏でたものであるというのがわかりました。#読書 #読書感想文 #百人一首 #王朝文化 #和歌