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「必ず生きて帰る。お前も…そして俺も…」
死に対するリアルな恐怖心からだろうか。
それとも、この非現実的な現状がもたらす物語の主人公になったような高揚感か。はたまた、全速力で走り続けたせいだろうか。あるいはその全てかもしれない。
それは、俺の体と声を小刻みに震わせ、心臓を握りしめる。ゾワゾワとした嫌悪感のような快感のようなものが俺の体を支配した。
奴が俺達を追いかけてきている。
涼夜は一瞬心配そうな表情をし、無理やりそれを拭うように笑顔を見せた。
「約束だ‼︎」涼夜の声は震えていた。
分かれ道。涼夜は左、俺は右に曲がる。
走る。もつれる足をとにかく走らせる。それしかなかった。
緊張して思うように動かない首をなんとか後ろに向けた。
奴は…俺を追ってきていた。
どこかでそれを期待している自分がいて、期待してなかった自分がいた。
ガチガチと歯をならしながら、振り返るたびに奴が近づくことを何度も確認する。
高揚感は徐々に恐怖に塗りつぶされる。
最後に振り返ったとき、とうとう奴は俺へ手の届く場所にいた。
目の前のことは、俺と関係ないことのような気がした。そう思いたかった。
しかし、悲しいまでに風を切る音や奴の血生臭い息、そして感じたことのない衝撃がそこにはあった。腹からじわじわと何かがこぼれ出た。
俺は、ただ物語の主人公のような“特別”な人間でありたかった。
次の衝撃が胸を貫く。衝撃は紅い華を咲かせた。その間も無く次の衝撃。そしてまた。
数えきれないほどの衝撃が、俺にぶつかる。
自分の体がどのような状況になってるかはわからなかった。
ただ、俺から吹き出す紅は、俺の“特別”も一緒に押し出していく。
薄れ行く意識の中で、俺は絶望だけを噛み締めていた。

nochi

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