『砂嵐に星屑』-こんな自分を頼ってくれる後輩がいる。「大丈夫」「大丈夫、頑張れ、ちゃんと見ててあげるから」--好きじゃないというだけで、その事実ひとつで結花を打ちのめしているのだから、同じだけ自分も由朗を痛めつけたくなる。澄ました顔してんと思い知ってよ、わたしの痛みを、悲しみを、怒り-「言うたことにいらっとしてもうてん。その気持ちは今もあるけど、態度悪すぎたなって反省した」「ゆうたくんがおらんでも大丈夫な自分を嫌いになりと思う。『心のケア』なんかしていらん。治りたくない、忘れたくないんです。せやからこのまま、ひとりでもええんです」#読書 #小説 #一穂ミチ