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ただくまー
隣席の明日香さんに聞くと、社内の掃除を担当する平さんが置いていったという。平さんは社内全員の誕生日を熟知していると聞いたことがある。「はやしや、ぺー」僕は知らずにつぶやいていた。2月22日、猫の日。それが僕の誕生日だ。
お礼を言おうと平さんを探すと、遠くのほうで彼は逃げるような素振りを見せた。そんな気は無かったが、気づけば駐車場の隅まで彼を追い詰めていた。掃除道具を手に、退路なく立ちすくむ平さん。
「ま、まって、まって、いじめないよ!」息を切らせながら僕は言った。まるでぼのぼのの、シマリスくんに向かって言うかのように。平さんの表情が和らいだ。
「すみません、遅れて。ここ数日、くまーさんが事務所当番で留守にしてたから」
「猫の日だから肉球っていう安易な発想で、本当にごめんなさい」
平さんは深刻な顔で謝り続けた。なぜそこまで謝るのか不思議だった。
「猫の肉球を選んでくれたのはいいよ。気を使わせてごめんね」
その言葉で平さんの顔から緊張が解け、小さな笑みが浮かんだ。彼にとって2月22日のゾロ目は特別で、僕は初めて出会った「ニャン生日」の人だという。
去年も彼は「猫チョコレートとか安易ですよね」と謝っていた。平さんの中では、2月22日生まれ=猫関連のプレゼントという方程式が成立している。誕生日という偶然の数字が僕の人格を決定づけているようだ。
掃除の合間に心を込めて選んだプレゼント。彼の思い入れに感謝しつつ、来年は何がくるのか少し考え込んだ。猫耳?猫型湯たんぽ? そっと平さんの肩に手を置き、「毎年ありがとう」と伝えた。彼のプログラムは明確だった。2月22日の人間には肉球を。僕はそのアルゴリズムにうっかり組み込まれていた。


猫
【J・N・S=職場の人】
猫「チョコレート、どれがいいですか?」
J「これがいい、箱がオシャレなやつ。」
猫「どうぞ、ちなみにサイン入りです。」
J「おぉ!」
ーーーーーホワイトデーーーーーー
J「これ、お返し。」
猫「ありがとうございます。」
J「俺のサイン書いてあげようか?」
猫「えっ、いや…」
J「いや?えっ、嫌って!?」
N「ふふっ…笑」
S「…っっ。猫さん笑」
猫「いやあの、大丈夫かなって思って…」
N「大丈夫、この人はこんなんじゃ傷つかないから笑」
驚いて頭真っ白になってたᐠ( ᐛ )ᐟ
遠慮せず、書いてくださいって言えばよかったなヾ(:3ヾ∠)_
チョコレートタウン
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