『テッド・バンディからデニス・レイダーまで』雨が止むのか有耶無耶な自然本来が姿を見せるのか、アルプラゾラムが効き始めている意識へ不躾に入り込もうとする。もう一錠足して抵抗してみようと思うも、最近増えて来ているので自重する。好きにするがいい。依存を何故悪とするかご存知?最近家の周りで不審な車が路肩に停まってるのを度々見かける。何気なく通り過ぎながら覗くと、必ず中年男と少し若い男のスーツ二人組なんだ。気味が悪いだろう?僕を内偵なんかしても、何も出て来やしないのに。この妄想は(いや、妄想だとするには少し鮮明な気がする)1年も続かなかったから、果たして僕が統合失調だったのか良くわからない。あるいは、本当に内偵されていたか。夜中いつもの習慣になってしまっているミルクティーを買いにロビーの販売機まで降りる。古いコンプレッサーの主に二種類(ほぼジャストFを巻き込む大きなノイズ、G♯からかなり♯した小さなノイズ)の音が不規則にお互いの周期に干渉し続けていて、思わず立ち止まって不本意な意識の侵入を受け、ふと考える。踏み切りのクリックと赤いランプの移行周期の気味の悪いポリが、人間を選別した上で線路に引きずり込んでいるのだと。おやすみのハグとキスと、アルノー・ラエールの燻製ショコラをここに。