祝とか呪の、お兄さんって一体誰なん?〜見えてきた呪禁師とは〜二つの漢字に共通するお兄さんは一体誰なのか?ということで、調べてみました。〈呪は祝から枝分かれ〉まず二つの漢字の違いですが、呪は割と後から出現した漢字のようです。もともとは祝であり、呪は分化した漢字とのこと。〈お兄さんの正体〉兄は、人が器を持って神様に奉じている様子を表した漢字で、その器には祝詞を書いた紙が入っていました。〈呪禁師〉このお兄さんは、呪禁師《じゅごんし》という職業。古代の日本の宮中で呪(呪い、病気など)を禁ずる仕事をしていたお役人さんでした。〈お姉さんもいた?〉男の場合は祝《しゅく》、女の場合は巫《ふ》という字が当てられていました。巫《ふ》は巫女《みこ》さんの「み」ですね。〈いつの時代の人?〉律令制《りつりょうせい》の中での職業なので奈良時代くらいの人です。7世紀とか8世紀前半にかけてくらいです。〈頼れるお役人さん〉祝や呪のお兄さんの正体は、宮中において人を不安から救い、邪気を祓《はら》う、頼れるお役人さんでした。民間の一般人にまで医療行為を行なっていたかどうかはわかりませんが、民間の医者に情報共有なんかはされていたかもしれません。古代の日本ですから神様や妖怪、物の怪も人々の心の中にはたくさんいたはずです。その時代に人々を安心させる役割を担っていたということですね。