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魔王トンミナー

魔王トンミナー

魔王さまの父は厳しい父だった。口を開けば『マナー』『常識』『生き方』の話ばかり、
家庭をかえりみず仕事ばかりの人で職場では慕われていたらしいが魔王さまはそんな父が大嫌いだったし怖くもあった。自由が無く父が居る生活が嫌で高校卒業後、家出当然に家を飛び出し新幹線に乗り継ぎ来た新天地オーサカ。来た当初は苦労の連続でまさに死に物狂い。なんでもした、飯が食えない日もザラにあった。寒空の下ホームレスしてた時期すらある。信頼してた人から裏切られ築いてきたもの全てを失ったこともある。悔しさ、憎さ、世間の冷たさを噛み締めながらも前を向いて歩き続けた。世間を知らないクソガキがイキって親元を離れ進んできた道。その旅路の途中で父の偉大さ、母の優しさにようやく気づけたわけだ。だから、数十年声すら聞いていない父に勇気を出して電話してみることにした。迷いながらも頑張って生きてるぞ、と伝える為に。震える手でスマホの番号を押し耳にスマホをあてる。心臓が早い、喉が渇く、目の奥が痛い。しかし電話越しに耳に飛び込んできた言葉は、


『この電話は現在使われておりません』

クソ親父がッ!勇気を返しやがれ!!
やっぱ親父嫌い!!
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