読了。先日行ったキリコ展に触発されて読みました!シュルレアリスムは文学発祥というのを恥ずかしながら初めて知りました〜理性に基づく思想、技術、創造力の交差点に芸術はありますが、その理性の極限(シュル)に無意識があり、そこへアクセスするのがシュルレアリスムなのかなと思います。無意識の中の要素同士には構造や関連性はないとされていますが、シュルレアリスムの絵に描かれる一つひとつのオブジェクトも同様に、関連性のないものが配置されていますよね〜写実主義や印象派、フォービズム、キュビズムなどはいずれも視覚的操作ですが、シュルレアリスムはそれらとは違うものを感じます。その違うものが一体何なのかというと、今のところ無意識としか言えないです……ちなみにデ・キリコは、ニーチェとショーペンハウアーを愛読していたそうで、確かにシュルレアリスムはニーチェの思想と重なる部分が多いなと思いました。僕もニーチェ&ショーペンハウアー大好きです♡著者の巌谷國士(いわや・くにお)は、シュルレアリスムは非現実、幻想、夢想といったものではなく、現実と繋がるさらにその先のものであることを繰り返し述べています。現実をよく観察し、既成概念(意識的)を捨ててその先にあるものを感じようとするのは現象学的ですね。現象学といえば、デカルトからヘーゲルにかけてガッチガチに構築された認識論を捉え直そうとするものですが、これもやはりニーチェに近いなぁと思います。隙間なく構築された意識的理性を妄信するのではなく、また否定するのでもなくその先に無意識的(管理的ではない)な何かがあって、それが人には不可欠な要素であることを、「メルヘン」や「ユートピア」を例にして講義録として書かれています。論文形式ではなくサラッと読めます。#シュルレアリスム