#おはようございます。朝起きるといつもとは違う部屋の空気が僕に語りかけるんだ。始発列車に乗る為に課せられた分刻みのルーティンが僕を襲うので、時間を確認する為一日の最初にいじる家電、テレビをつけようと視線を向けたが、何も告げる事なく目に映らない。時計に頼らずニュース、CM、天気予報などの耳に流れ込んでくるテレビの音で時間を確認して体が何をすべきか自然と反応していた。僕には大切ないつもだ。それが当たり前だった日常、でももう違う。所狭しと嘆いていた部屋から未来永劫あるべきとものと信じて疑う事がなかった全てが、別れを言わずに消え去った。そんな部屋は重圧から解放されて喜び、僕に微笑み語りかけた。「君の今目に映る光景は、今日という恐れ苦悩を続けた日々の束縛から解き放れ、ようやく現実となって苦悩の想像から自由になれたんだよ」と。確かにそうだ。今日の朝を今まで恐れていたが、やっと現実となり恐れが何かを体感できたのだから。そして不安と同伴すると想っていた寂しいという感情は心には湧き出てこなかった。何故だろう、、、人はこの先必ず起こる不安、苦悩に、それらが訪れるその日まで怯え続けて、心の安らぎを削り取られてしまう。でもそれを現実のものとして体が受け入れた瞬間に、人は誰でもその不安を乗り越える能力を備わっている。つまり恐れ慄いた未来が現実になると、人には自然治癒と言うべきか覚悟が生まれ、不安を無意識に抹消して心の傷を治してしまうのだと。これまで生きてきた証の分だけ、不安は心の底に重なり続けている。心の安らぎを削り取りながら。でも最近想うんだ。心から削り取られて積もり積もった安らぎは目には見えないものだけど、安らぎから勇気や覚悟に姿を変えて、いつしか脳の奥底に潜んでいるんだと。苦悩、不安が現実になった時に即座に闘えるように身構えながら。だから、不安や苦悩に苛まれている人は、自分では気づいていないだけで、あらゆる辛き現実に立ち向かえる勇気が潜在しているんだと想う。強い、勇気の資質を持った人なんだ。今すぐにとは言わない。不安、苦悩に苦しみ続けていることは、それだけ強さも積もっているのだから、「自分の強さを信じてみよう」を信じて。そう僕も信じて未知の玄関を開けた。#尾崎豊 「街角の風の中」