デーモンコアと云うものをご存知でしょうか?原子爆弾の核分裂性コアとして製造されたプルトニウムの未臨界塊。直径89mmの球状で重量は6.2kg。プルトニウム・ガリウム製の2つの半球体とリングの3つの部分で構成。ーWikipediaデーモンコアはバラバラの部品の状態ならばまるで無害で、ただの金属試料としての価値しかありません。しかし、この2つの半球を完全に重ねて球体にすると、核臨界反応が起き、やがて核反応の爆発が起きてしまうものです。1946年5月21日、ロスアラモス研究所でさる物理学者が半球同士を接近させて、臨界状態の距離を測定する実験を行っていました。それは、半球試料の間をマイナスドライバーで挟み、少しずつ近づけ、どの距離で臨界反応が発生するかを調べるものでした。この実験は何度も行っており、今回も問題が無いと思われていましたが、ドライバーから半球が滑り落ち、臨界反応が発生しました。実験施行していた物理学者は半球を払いのけ、臨界を止め、爆発こそしませんでしたが、臨界反応の青白い輝きが物理学者を襲い、9日後に放射線障害でなくなりました。この実験は放射能の怖さと、無謀な実験だと語り草として語られることが多いのですが、世界の執政者達はこれらの無謀とも思えるような実験とさして変わらない事を続けているように感じます。例えばウクライナ問題。例えばガザを含む問題。例えば今回の株価の乱高下。当事者はまるでマイナスドライバーをどこまで引き抜けるかを試しているように、いつ臨界反応が来るのか、試しています。デーモンコアは原子爆弾として東京に落とされる予定だったと聞きます。この平和の祈りの日に、世の中はなかなか良くはならないモノだと、そんなことを感じてしまいます。